自身で作品を探すのが億劫で表題のネット小説大賞の作品を流し読みし辿り着きましたが、なかなかここまで捻くれた作品が受賞している事に驚きを隠せません。勿論いい意味で。
ありがちな現代日本からの転生TS物として所謂ローファンタジーな内容かと思って読み進めていましたが、内容的にハイファンタジーに括って問題ないようなしっかりとした内容。
王道ファンタジー系と全く別路線を行くのは途中でマンネリ感やご都合のせいで台無しになりがちですが、この作品からは一切そのような感想を感じさせません。
地の文と内情等の喋り口調が混ざっている上、小粋な名前ジョーク的なものが挟まるのに何故ここまで不快感も沸かず、没入感が消えないのか。本当に不思議で魅力あふれる暴力的な作品です。
幼少期初めてファンタジーに触れた時のようなワクワク感が常に更新され続けていくので、今後も主人公の全く読めないイカれた価値観に振り回され続けたい