レビューした作品一覧全1件
とても良作な短編です。 宇宙をゆく火星探査機と、地上のプロジェクトチーム。その両者のやりとりは、まるで映画を見ているようです。 難しい説明や専門用語、くどい言い回しはほぼありません。 専門的な状況はわかりやすい比喩表現で噛み砕き、いくつもの困難を「火星探査機のぞみ」と「プロジェクトチームのメンバー」が一丸となって乗り越えていく様子に、まるで自分が一緒にいるかのような錯覚を起こさせてくれます。 また文章の構造や流れがとても読みやすく、作者様の筆力が凄まじく、冒頭から末尾まで一定のリズムで落ち着いて読むことができます。 当時を知る人も、知らない人も関係なしに、読めば納得の一作だと思います。