レビューした作品一覧全3件
地味と派手が同居して
投稿日:2021年8月15日
時には確実に地味に、時には派手に衝撃的に。 その緩急と硬軟の差がじっくりと染み込んで来る。 もちろん主人公ゴルドウルフとそれを慕う者のポテンシャルの高さ、勇者たちのポテンシャルの低さはあるが、その描写(取り分け後者)が話を引き立てている。 時に冗長になるきらいはあるが、それでも最後には落ち着くべきところにはきちんと落ち着いている。 ただ処刑の描写も強いので、その手の描写が苦手の人にはあまりおすすめしない。ただ因果応報なので後味は悪くならないのだが。
主人公のレオポンがスキルを有効活用して成り上がって行くという王道、その上に彼を放逐したい人間たちの妨害をくぐり抜けて行くざまぁ。さらもハーレムと王道を行く感じですが、とにかくハイテンションでパワフルな作風です。 そして最大の特徴は、とにかく悪役がねちっこい事。 九族皆殺しにされたと思えるほどの執念でレオポンの事を妨害し、その度にヘイトをため込ま……ないですぐさま成敗されて行くその姿は、一話単位でも十分に楽しめます。 悪役の悪あがきをお楽しみあれ!
凡百の作品との違い
投稿日:2020年6月23日
 主人公が最下層の存在。チート級能力持ち。  そこまでならば「山とある」作品だ。  この作品の主人公エルマは、それを誇る事もしないで行使する。  これまた「よくある」話だ。  だがあくまでも彼女は、それを振りかざした上で求める物は多くない。  ただ、「普通の」存在と言うお墨付きを得たいだけ。  その目的のために、あくまでもその力を使う。どこまでもまっすぐで、そして強……くない。  その弱さがわかると、とたんにエルマと言う人物が魅力的かつ「人間臭く」見えてくる。  他の人物も皆同じようにどこか強く、どこか弱い。そしてその弱さをエルマと言う存在を通じて改善されて行く。  決して、相手を立てることをやめない彼女により。  そして個人的には、フェリクス最強説を唱えておく。  読めば読むだけただ一人ぶれない彼の凄味がわかってくるので、それも感じてもらいたい。