主人公が最下層の存在。チート級能力持ち。
そこまでならば「山とある」作品だ。
この作品の主人公エルマは、それを誇る事もしないで行使する。
これまた「よくある」話だ。
だがあくまでも彼女は、それを振りかざした上で求める物は多くない。
ただ、「普通の」存在と言うお墨付きを得たいだけ。
その目的のために、あくまでもその力を使う。どこまでもまっすぐで、そして強……くない。
その弱さがわかると、とたんにエルマと言う人物が魅力的かつ「人間臭く」見えてくる。
他の人物も皆同じようにどこか強く、どこか弱い。そしてその弱さをエルマと言う存在を通じて改善されて行く。
決して、相手を立てることをやめない彼女により。
そして個人的には、フェリクス最強説を唱えておく。
読めば読むだけただ一人ぶれない彼の凄味がわかってくるので、それも感じてもらいたい。