自由度の高さを売りにするゲームでの盗賊プレイ(詐欺ロールプレイ)の駆け引きが面白い。
更に実況システムという自己顕示欲を満たしてくれる設定。
かつての「システムに許された限界の中で、狡猾な手段で他プレイヤーを出し抜き、お金やレアアイテムを騙し取る」例のあの人を彷彿とさせる所業。
騙くらかしている時の緊張や企みが成功した際の爽快感。そして実況動画と掲示板形式によるネタバラシ回で自己顕示欲も存分に満たしてくれる。
特に主人公が裏で画策して起こした問題が、どうだと言わんばかりに白日の下に晒される掲示板回。
こう思っていた事実が実はこうだったと周囲が驚く瞬間には得も言われぬカタルシスが味わえて、ニヤニヤが止まらない。
一章時点で上手く纏まっており、文章に癖がなく序盤から読むのに苦労はしないのでとりあえず一章、読んでみる事をお勧めする。