まずこの作品の特色といえば、文章から伝わる透明感のある空でしょう。私が今まで読んだ戦闘機モノ、空戦モノの小説の中で最も澄んだ空であり、かつ最もおススメ出来る作品でもあります。
この澄み切った文章の空を、読むという行為で飛ぶことが出来る作品だと思います。
レイが自分の乗機である世界最強の荒鷲をこよなく愛し、それに乗って飛ぶ各国の空、そこは正体不明の敵が蔓延る、自分が守るべき空。
高高度、高速で行われる命の応酬、そんな濃密で迫力ある空戦描写を、画面のこちらでもしっかりと感じることが出来ます。
レイを始め個性的な登場人物がそれぞれ空に、どんな想いを込めて飛んでいるのか、どんな空が好きか……彼らの想像する様々な空に、自分もゆっくりとこれを読みながら飛びたいものです。