個性が否定され、全ての人類の容姿が均一化された未来。
遺伝子操作による能力の優劣で人々が階級化された未来。
荒廃した地球を捨て人々は月や火星へと移り住んだ未来。
人類は滅亡し、地上にはロボット達と最後の一人となった男のみが残された未来。
これは近未来、或いは遥かな未来、本当にあるかもしれない光景を描いた物語。
現代よりも科学が大きく進歩した時代を舞台としたSF短編集です。
科学技術そのものではなく、それが広く実用化されたことによる社会への影響や未来技術を前提とした人々の暮らしや価値観など、社会とそこに生きる人々にフォーカスを当てて描かれています。
それぞれの話は基本的に別の世界、または時代の物語となっており、短編としての纏まりも非常によいので、私達が生きている今とは異なった時代の風情を味わうことが出来るでしょう。