本作は十九世紀後半のドイツを中心としたヨーロッパを舞台に、ドイツの軍人オスカー・フォン・アレティンの生涯を描いたものです。
正直、作者様の膨大な資料を当たったと思われる丹念な下調べの形跡に自分も圧倒されております。
この作品のレビューなど書けるのか、と書く前に躊躇したほどです。
ただこの作品の注目度が思いのほか低いと感じられたため、拙いレビューでもないよりはましか、と思い切って筆を取ることにした次第です。
国と時代は違いますが、個人的にはトルストイの『戦争と平和』を想起させる作品でしょうか?
あの作品もヨーロッパを舞台にした「歴史大河ロマン小説」といった趣がありますから。
いずれにしても六十万字を超えてなお完結を見ない本作を是非ご一読下さい!