本作は現代日本を舞台として、突如現れた異形生命体BEASTと、それに立ち向かう人類の戦いを描いた作品です。主人公吉隠龍は軍人ですが、人並み外れて優秀な訳ではありません。中々褒められず、されど腐らず必死になって仲間や憧れの相手のために身体を張ります。
次々と現れる強大な力を持つBEAST達! されど人間側も一癖も二癖もある英雄ばかり! 頑張れ吉隠! 負けるな吉隠!
……だって、彼もBEAST側なのですから。
人を食べないとやっていけないBEAST。そんな彼らと戦うのに手段を選んでいられない人間。彼が取るべき手は、昨日まで笑い合っていた人間達の柔らかな手か。それとも今日命を助けてくれたBEAST達の逞しい手か。
巧みな描写が彼の苦悩を描き出し、読者にも考えさせる内容になってます。
善悪の二元論では語れない物語。その結末がどうなってしまうのか。大いに期待しています。