レビューした作品一覧全6件
 ある日突然館に囚われ、自由を奪われて困惑する罪人達。代わりに与えられたるは罪の象徴キラースペル。一度唱えれば魔法のごとく人を殺せるスペルを用いて生き残れ。  ルールは簡単、13人の罪人に13種類のキラースペル。ただし、各自が使えるスペルは1つに付き一度きり。各自が知ってるスペルも一つだけ。13人の内、生き残れるのは3名。一人じゃ絶対に勝ち残れない、しかし手を組む相手も……教祖詐欺師悪女殺人鬼と凶悪犯ばかり。  ――さぁ、どうする?
手を携えるのは、友か仲間か。
投稿日:2016年9月6日
 本作は現代日本を舞台として、突如現れた異形生命体BEASTと、それに立ち向かう人類の戦いを描いた作品です。主人公吉隠龍は軍人ですが、人並み外れて優秀な訳ではありません。中々褒められず、されど腐らず必死になって仲間や憧れの相手のために身体を張ります。  次々と現れる強大な力を持つBEAST達! されど人間側も一癖も二癖もある英雄ばかり! 頑張れ吉隠! 負けるな吉隠!  ……だって、彼もBEAST側なのですから。  人を食べないとやっていけないBEAST。そんな彼らと戦うのに手段を選んでいられない人間。彼が取るべき手は、昨日まで笑い合っていた人間達の柔らかな手か。それとも今日命を助けてくれたBEAST達の逞しい手か。  巧みな描写が彼の苦悩を描き出し、読者にも考えさせる内容になってます。  善悪の二元論では語れない物語。その結末がどうなってしまうのか。大いに期待しています。
なろうに名作は数あれど、名台詞って意外に少ないもの。その貴重なひとつがこれです。 「ごきげんよう、俺だ」 お分かり頂けたでしょうか?  主人公にして転生者のダーティ・スーはハードボイルド。真意も冗談も全て諧謔に隠し、取り巻く人を煙に巻きます。それゆえ彼は時には人から憎まれ、されど常に全力を持って対峙することになります。魔法少女だろうと特殊部隊だろうと、そこに区分はありません。  ハリウッド映画から抜け出てきたようなダークヒーローが、王道を行くヒーロー達と火花散らして感情をぶつけ合う物語。派手なアクションシーンは読者の記憶に残ること間違いなしです。  ダーティ・スーの文字どおり世界を股にかけた活躍から、目が離せません…!!  あと、ロナちゃん可愛い。もう一度言います。ロナちゃん超可愛い。
 ”前世の記憶を受け継いでいる”、”強力な魔力”を所持している。この要素だけ見ると、確かに王道物のように思えます。  でも、もし……  ”受け継いだ記憶が他人の物だったら?”、”強力な魔力と共に野望までも引き継いでしまったら?”  それが本作です。主人公ルークは生まれた当初から頭にこびりつく”誰か”の知識に迷わされながらも、それを活用して仲間達を救っていきます。それらは知識の良い面です。しかし、本当に良い面だけなのでしょうか。祝福と呪いが重なったとき、ルークはどうなってしまうのか。  こう書くとなにやら重たい話のように感じられますが、作品自体は良い意味でいわゆる王道に則っておりますので、大変に読み易くなっております。その明るさの中にも、影がある。影が光を際立たせ、作品に陰影を持たせています。  魔法あり、戦闘あり、ヒロインあり、笑いありの本作、是非とも一読されることをお勧めします。
レビュー作品 宿らされた者
作品情報
 もちろん異世界戦記なので信長はいません。しかしながら作者様の卓越した文章力によって、信長にも匹敵するかのような強烈なキャラクター達がそれこそ無数に出てきます。  ある者は「信」を、またある者は「覇」を唱え、混迷極まるディリオン王国を所狭しと渡り合います。ある時は手を組んでライバルを蹴落とし、またある時は裏切りでライバルを始末し、我こそが栄光を掴むのにふさわしいと必死で戦い抜きます。  はたして栄光を掴むのは誰なのか。掴んだ栄光にどのような意味を持たせるのか。完結が楽しみな作品です。  乱世とは弱肉強食であり、逆に言うと弱い敵は出てきません。あるのは力だけ。男たちは野望を胸に秘め、女たちはそれに振り回されると思いきや……?  正直な所、これ普通にお金取っても良いレベルだと思うんですよね……。戦記物がお好きな方には是非とも、そうでない方にも是非是非と、一読をお勧めいたします。
 当サイトの定番設定と言えば、異世界物です。そして異世界と言えば、海あり森あり山河ありの大冒険といったイメージではないでしょうか。  本作は一味違います。舞台は文明が崩壊してしまった後の世界で、荒んだ環境で生きる人たちもまた一概に優しいとは言えません。お高いワインよりもバーボンが似合う、そんな世界です。しかしだからこそ、人との触れ合いや優しさと言った要素が灯火のように印象深く読者に残ります。  作者様特有のハードボイルドな世界観があり、好きな人にとっては堪らない作品だと思います。特に剣よりも銃が好きな人は、気に入る可能性大です。もちろん近接戦要素もあります。  えっ? 更新が待ちきれない? そんな時は同作者様の別作もお勧めですよ?