レビューした作品一覧全9件
★★★★☆(完成度90%)
投稿日:2018年8月8日
 「なろう」で上位に陣取っている人気作ではない。  だが、テンプレートで彩られた作品に埋もれた数々の『名作』は存在している。  ただ、知名度が低いだけなのだ。  毎日更新?  テンプレート?  チーレム転生?  そんな物が有ろうが無かろうが『名作』は『名作』なのである。  読めば分かる。  読んでも分からないなら、「なろう」のランキング上位300作品を読んでくれば良い。  この作品の捻った設定がよく分かるだろう。  歴史だが歴史ではないその時代の生き様が分かるだろう。  チーレムかもしれない、だが努力に裏付けされた確固たる物だと分かるだろう。  主人公のブレない生き様が眩しく映るだろう。  取り敢えず読め。  全ての感想はそれからにしようじゃないか。
★★★★☆(完成度90%)
投稿日:2018年6月29日 改稿日:2018年6月29日
 現代で死んで異世界に転生するありふれたファンタジー小説。  主人公は神と出会って『伝説の◯◯』を授けられる筈が、無欲のせいか何も持つ事なく異世界に降り立った。  それから暫く、開拓者として活動する彼が一人の少女を保護した所から物語が動き始める。  こう書くとありきたりでテンプレの様な物に感じるかもしれないが、この物語は一人称でも二人称でもましてやナレーションの様にも進まない。  人ならざる神の視点から、時に温かく、時にツッコミを交えながら一人の男の生き様を眺める新しいファンタジーである。
★★★★☆(完成度95%)
投稿日:2018年1月21日
 夢中になる。  いや、夢中にならざるを得ないと言った方が良い。  この作品を見た後だと、下手なデスゲームを題材とした転移モノは読めなくなる。  死にました。転移できます。行き先は嵌っていたゲーム世界です。  大抵の作品の出だしはこうだが、この作品に限っては現実と夢が混同し、複雑に絡み合い、一種の世界観を作り出している。  あり得そうであり得ない。  そのバランスが大事だと言う事に、相互転移モノの作品を書く作者は気付いているのだろうか。  夢の痛みは現の傷に。夢の行動は現の奇跡に。  代償無くして支払われる奇跡は人の技に非ず。  痛みを伴い絞り出す雫が人の命に繋がる。  ただ無為に遊ぶだけではなく、ここまで複雑怪奇な世界を生み出せる作者に、そしてそんな作者の作品に出会えた事に深い感謝とこれからの執筆活動に応援を。
★★★★☆(完成度80%)
投稿日:2017年12月13日 改稿日:2017年12月19日
 内容としては、例によって異世界に飛ばされた日本人の青年が超生物のトカゲもどきと共存共栄しながら現地民と共に成り上がる。  といった物語になる。  半端に発達した中世風の異世界であるからして、主人公ハザマの知識が活きる場面も死蔵される場面もあるが、主人公ハザマは飽くまでも生活力向上と現地民の自立化に重きを置いているので、内容として矛盾するところはない。  無双系とはちょっと違った特異な……どちらかと言うと生体改造に近い超能力寄りの力で戦う訳だが、主人公の思考能力に制限がかけられているのか以外とあっさりと進む。  故に、殺しや性行為に対する葛藤はないが、逆に言えば執着心もない為、よくあるハーレムモノではない。  周りはどうか知らないが、主人公自身は『生きる』事だけに集中している為、色々とズレているというのはある。  因みに、誤字脱字誤用に関しては多いが、大勢には影響しないだろうと思う。
★★★★☆(完成度95%)
投稿日:2017年10月16日
 この作者が描く世界観というものは、どうも男の本能というものを揺さぶり起こす。  『竜狩りケルライン』  『ティタン アッズワースの戦士隊』  これらの作品に続くようにして書かれたこの作品は、どこまでも他者を熱く、暑く、燃え上がらせておきながら、渦中の人物は何処までも我が道を征く王者の素質を持っている。  話す言葉には言い知れぬ重みと魅力があり、曲がらぬ信念には誰もが惹かれる。  日本男児は斯く有るべし。  とまでは言わないが、少なくとも、こんな生き方をして好きに死ねたらどれだけ格好いいかとは思わされる人物だ。  心に燻りを感じ日々を惰性で生きている者達は是非とも見ることを勧める。  少なくとも、生き様が美しいと思うのは確かだろう。
★★★★☆(完成度90%)
投稿日:2017年10月16日
 王道。  魔王が王道を征く。  と言ったら可笑しいかもしれないが、正に自らの信念・価値観の赴くままに覇道を歩んでいる。  丁寧な情景描写。  さりげなく張られた伏線。  ブレのないテンプレート。  その全てが一級品であり、まず間違いなく読んで損のない作品。  テンプレートを踏襲していながら、それでもなおここまで読者を引き込めるというのは一種の才能に近い物があるだろう。  セリフも気取ったものではなく、その者が吐くありのままを適切なタイミングで使い、使い古された展開すら新しい物に見せるセンスの良さ。  何より、伏線や謎の出し方とそれを回収するまでの間が絶妙で、その間の物語も捨て置く事が出来ない為、一度読み始めたら章単位で区切らないと気になって仕方ないだろう。  何にせよ、現在世に出回っている有名どころの作品と比べても見劣りする物ではない。  是非一度読んで見ては如何だろうか。
★★★☆☆(完成度75%)
投稿日:2017年7月30日 改稿日:2018年1月21日
 シリアスです。  終始問題事しか起こりません。  成り上がり系の不遇主人公が異世界に行って強くなり仲間に恵まれて無双する話ですが、主人公の境遇とスキルが悪いのか絶え間ない厄介ごとがやって来ます。  そりゃあもう、むしろ日常パートなんて要らなくね?ってぐらいシリアスな場面で一杯です。  作中で主人公も言っていましたが、まさに『一難去ってまた一難。というより、三難訪れまた一難』と言った感じです。  問題ごとの解決途中で別のフラグが立ち、主人公にもヒロインにも仲間にも何かと被害が出て、でも問題が山積してるから解決まで時間がかかってと、フラストレーションとヘイトが溜まること間違いなしでしょう。  キャラに魅力があり、中々に作り込まれている設定だからこそ問題解決時にはそれなりに安心できますが、いい加減しんどくなって来ます。  ですので、読む際は感情移入せずに客観的に見るのが良いでしょう。
★★★☆☆(完成度75%)
投稿日:2017年7月27日 改稿日:2018年1月21日
 VR機器の発売も手伝ってか、こういう傾向の小説が多く出て来るようになった。  かく言う俺も、オーバーロードに魅せられてそう言った小説を書こうと思った1人であるが故に、余り他人の事を言えないが、どうしても二番煎じ感が拭いきれないのは仕方のない事なのかもしれない。  とあるギルドのマスターが1人で異世界に飛び、ゲーム時代のデータで無双しながら残されたNPC達と共に異世界に名を轟かす。  ほぼ全ての作品がこのベースを擬えており、この作品は『異業種』が『暗殺者』となった話なのだろう。  だからと言ってゲーム時代のように自由にするには制限があり、何処かに名を残そうにも今まで築き上げてきた価値観に寄るようになる。  一から成り上がりを書くのが面倒だから御都合主義以外で無双要素を持ち越せないかと言うのが、このVRMMO転移。  出来れば他の類似作品とは一味違った作品になって欲しいと思う。
★★★☆☆(完成度75%)
投稿日:2017年1月29日 改稿日:2018年1月21日
 こうしてレビューを書くのは初めてだけど、この作品は中々に面白いと思います。  他の有名どころと比べると見劣りするかも知れないが、間にワンクッション入れるならこんな感じの話の方が面白い。  馬鹿と馬鹿がアホをやりながら、結局なんやかんやで勘違いが重なって英雄になってしまう。コメディちっくな異世界モノで文字数が少ないのが欠点になっているけど、内容自体はいいと思う。  なので是非一度、1話5分程のペースで読んでみて欲しい。