レビューした作品一覧全3件
英雄、物語の始まりを刻め!
投稿日:2021年7月18日
高校生、日向桜の日常は、とある転校生の登場と共に一変する。街で暴れる未知の敵は、転校生の持っていた腕輪……プラグローダーを奪う。 桜は決死の覚悟でプラグローダーを取り返し、それを装着、一か八か変身して……。 という、特撮変身ヒーローの第一話を彷彿とさせる冒頭から本作は始まります。それもその筈、この作品は特撮変身ヒーローが好きな作者が描いた、分かる人には分かりすぎてしまうぐらいニチアサな特撮変身ヒーローものです。 しかし、ただのオマージュに留まらない魅力が本作にはあります。小説に落とし込んだことによって出来る表現、作者の持ち味が存分に活かされたストーリーライン……この小説ならでは、というより。この小説だからこそ楽しめる表現もいっぱいあります。 ヒーローに憧れる桜の歩む道程は、そう容易いものでもありません。それでも彼は進み、自身の運命とも戦っていく。 まさに、日曜朝の熱量がここにはある!
歪みと再生、赦しと誕生の物語
投稿日:2020年1月13日
プロローグ的側面を持つ第一部と、それがもたらした歪んだ世界を駆け抜ける第二部で構成された、SFロボット小説です。 世界情勢や戦争に無関係だった少年が、あるきっかけで戦いに身を投じる事になる。冒頭こそ王道といった印象ですが、この物語は読み進める程に味が出て来ます。 機動兵器にEA、アクトニウムと呼称される物質に、普通とは言い難い人格を宿した少年、様々な要素が開示されていく度に、世界の宿す歪みが顕著になっていきます。 歪みの片鱗を見せた第一部を終え、第二部へ物語が移行すると、更に多くの要素が解禁されます。 積み重なった歪みと、諦念をかなぐり捨てた再生が入り交じり、それぞれの想いが定まっていく中、歪みの本質とも言える元凶が姿を現します。 そして迎える最終局面。歪みと再生、赦しと誕生を経て、世界は……。 圧巻のSF超大作です。是非、その目で確かめて下さい。 世界の行く末と約束、少年の選択を。
結論から言うと、リアルロボット物は書くのも読むのも難しいです。経験談みたいなものですが。 その点から見ていくと、この‘革命ガ始マリマシタ’は抜群に読みやすい。ただ読みやすいだけではなく、きちんと戦いを描写しています。誰が、どうやって、どうなったか。それがしっかりと書かれている為、このジャンルに不慣れな人でも読めると思います。 武装も、それを考慮してか分かりやすい物が採用されています。ビームライフルとビームソード、後はそれの派生型。すんなりと想像ができるというのは大きな利点です。 また、ストーリー構成も秀逸です。 戦闘シーンの分かりやすさ、熱量に加え読後感の良いストーリーとくれば、それは面白いですとも。 リアルロボット物、興味はあるんだけど。と二の足を踏んでいる人にこそ勧めたい。そんな良作です。 あ、言い忘れてました。私は青河ちゃんが好きです。