自分は今、『青春恋愛小説』を読んでいるのか?
それとも、別の何かなのか?
読み進め、笑い、そしてやがて来る真実に絶叫してください。
一つ言えるのは、「貴方は絶対に騙される」ということ。
王道の青春小説の空気、何もかも計算された構成、軽快でコミカルなギャグと愛らしいたった三人のキャラクター。とにかく、ずっと快楽中枢を刺激されるような、明るいライトな作風です。だと言うのに、挨拶代わりの第一章で、私はいつノックアウトされたかも分からぬ内にリングに沈んでいました。こんな体験は初めてです。
二度目を読んだ時、なんて丁寧な罠なのだろうと、ため息ばかりでした。本当に、本当に、声を大にして全世界にお勧めしたい作品です。
こんなにサクッと読めるのに、それ以上の感動と衝撃にやられてしまうなんて。
続きがあるのならば、彼らの恋があるべき場所へと辿り付く事を、願っています。