レビューした作品一覧全3件
魔王を倒し、帰らぬ人となった『勇者」。数年後その足跡を追うべく勇者の仲間たちへと会いに行く。 まるで探偵物の様に、かって勇者と旅をした仲間たちへの聞き込みから始まる物語は、事実確認をしている様な、淡々とした間答から始まる。段々と集まる情報と、なぜ?という疑問。そして判明する『勇者を殺した人物』。 筋が通ってスッキリとしてまとめられたストーリーライン、そして物語に入っていく上で描写が足りないという印象も無く、軽快な読み応えながらも非常に満足感のある物語でした。 完結しているので、とりあえず新しい小説を読みたい人や一冊読み切りたい人など色んな人にためしに読んでみて欲しいです。 書籍化もされていてWeb版のストーリーを崩さず、かつ描写が増してるのでより没入感があり面白いです。さらに、物語へと引き込んでくれる綺麗で洗練された表紙絵と挿絵がとても魅力的です。書籍版もオススメです。
初志貫徹、ブレない主人公
投稿日:2020年7月20日 改稿日:2022年9月4日
先ずは様々なメディア化、そしてアニメ化おめでとうございます! 本作の魅力と言えば異世界の技術によって作り上げられた人型ロボット・幻晶騎士、そして現実の科学技術の代替技術でもありファンタジーの代名詞とも言える魔法が挙げられます。しかし1番の魅力は主人公エルネスティが持つ、尽きることのないロボットへの愛であると確信してます。 主人公は類稀な才能を持ち、ともすれば"成り上がりチート"物語にも見えます。ですが能力よりも、正に狂信的ともいえるロボット愛が物語の根幹として常に描写されていると感じます。人並みに友や家族を心配し、国を想い、弱者を助け、平和を思うがその根底にあるのは未だ見ぬロボットへの憧憬。主人公に揺るがない信条があるから読者は先を読み進めたくなる。 ファンタジーとロボット、それらを結ぶ止まらぬ憧れ。是非お勧めします!
レビュー作品 Knight's & Magic
作品情報
物語の最後に向けて高まる期待
投稿日:2018年11月20日 改稿日:2022年12月11日
序盤ではあやふやで朧げな物語の行き先が、中盤から終盤にかけてしっかりと形作られて行く。剣も魔法も奇跡もチートもあるが、他人から与えられただけの力では、独りよがりの力だけでは決して自分の願いは成し遂げられない。自分の望む物を得るためには何が大切か。それは地球でも異世界でも変わらない事を登場人物達は教えてくれます。そして「熱意」或いは「覚悟」ある人間が世界を動かすという事を。 チート能力だけで世界が動く作品以外の小説を読みたくなった私が辿り着いたこの作品。同じような読者が居たらオススメです。