イデオンが成人して結婚するまでの長い長い道のり。そこに至るまでの成長過程を一切スキップする事なく、子供の成熟していく心がとても精密に描かれています。
悩みながらもお兄ちゃんへの想いを育み、周囲の手を借りて大人たちに見守られながら成長していく姿はとても読みごたえがあります。
物書きとして何かしらの作品を書いている方は特に最後まで読んで頂きたいなと思いました。
小さい子供が心を発達させていくところをうまく書けますか? それぞれ個性を持った幼子たちがそれぞれの背景を抱えながら育っていくさま。こういう環境だから、この子は、とか、そういった子供の行動を書くことは出来るでしょうか?
私はこの作品を読んで子供が育っていくところを楽しんで読ませていただくと同時に、物書きとしてもあぁ、こういうこともあるんだな、と様々なことを感じ、考えさせられるとてもよい作品でした。