レビューした作品一覧全3件
男の目で見ても、アルバート・ミトラはカッコいい。できるイケメンは誰が見てもカッコいいのだ。 《本作のポイント》 主人公アーシャはウォフ=マナフ公爵家の一人娘。 公爵である父と降嫁した皇女の母の愛情を一身に受けた、端麗なる容姿とは裏腹に、皇帝に仇なす存在を排除する「影の一族」の一面を併せ持つ。 勅命を受け、召喚された英雄アルバートを監視するだけの間柄だったはずが、いつしか彼に溺愛される立場に―― 《作品の良いところ》 「イケメンの父と同等か、それ以上の顔の男でなければ結婚しない」とまで言い切った彼女が監視するアルバートは、顔がよい。気遣いがよい。そして、規格外に強い。 彼の手強さを思い知った彼女は、彼に対する警戒をより一層引き上げ、信頼できる仲間とともに監視を続けていくのだが、そんな彼女を見初めた彼が「獲物」を我が物にしようとしていたとは露知らず。 ハラハラドキドキの展開に目が離せない。
名だたる英雄を召喚する、とても斬新な作品です。 《本作のポイント》 本作の主人公は日本のサラリーマンから異世界の帝国貴族の御曹司への転生者。 貴族には平民の持たない特殊スキルが開花する異世界。 六歳を迎える貴族の子女はあらかじめスキルの鑑定を受け、社交界へ出る際にスキルを披露するのが世の定め。 聖職者が彼に告げたスキルは『英雄召喚』。 六歳の誕生日を祝う祝賀会で、彼とそのスキルのお披露目が行われるのだが――(ネタバレになるので、レビューを開いた貴方に読んでもらいたい) 《作品の良いところ》 転生者だから生かせる強みだけでなく、『人を殺さない世界』からの転生者ならではの弱みもまた描かれている。 まさにノブレス・オブリージュ(上流階級に生まれた者は、社会に対して果たす責任が重くなる)。 自分自身の征服も覚束ない主人公が、世界を手中に収めるまでの闘いが描かれていく、と期待が持てる。
めっちゃ面白かった! 続編があれば期待してます! 《本作のポイント》 黒髪で眼鏡をかけた人型アンドロイド「イーリス」。 本作の主人公は22世紀、未来の展示会の花形、アイドルアンドロイド「IdA」。 人間の未成年女性による、アイドル活動が規制された世の中で誕生した、「合法的」な「JKアイドル」だ。 人間でないことを最大限に生かした、華やかな容姿の「IdA」がありふれた中で、イーリスは地味な容姿をしている。 受け答えも一昔前の旧式アンドロイドを思わせ、世の流行から遅れたかのようだ。 そんな彼女が、実は――(以下、ネタバレになるので、このレビューを開いた貴方に読んでもらいたい) 《作品の良いところ》 短編として作られている割に、人物が何人も出てきて、それぞれが過不足なく動きを見せている。 読み切り短編にするにはもったいない、最初の1話になり得る完成度。続編期待しちゃっていいっすか?