レビューした作品一覧全2件
垣間見える天才性
投稿日:2012年1月25日
「コピーのコピーのコピー」「消費財」 賛否二分となったこの議論に数語の称賛と罵倒をもってストレートに応えたケースは無数にある。 しかし作者は、創作という手段を用いてこの複雑怪奇極まる主題に真っ向から挑んでいった。それは一話目の冒頭を参照していただければすぐにわかる。 虚実織り交ぜつつ綴られていくストーリーと緩急自在な描写、そして読み手を圧倒するインパクトを秘めた数々のキャラ達。現実的なテーマをこうしたフィクションによって縦横に表現していく作者に天才性を感じざるを得ない。 小説とは何か、などと小難しい議論を提示したり枝葉末節を語る前に、この作品に目を通すべきではないかと考えるものである。
レビュー作品 考えろよ。
作品情報
深遠かつ壮大な世界観の元に組み上げられた、人間と巨大兵器が織り成す破天荒な物語に圧倒されました。作者様はよくこのような設定を創り出されたものだと、感嘆させられました。同じロボット書きが自信をもっておすすめする作品です。 人智を超越した巨大ロボットのバトルシーンが圧巻であるのは言うまでもなく、戦いの狭間に垣間見える人間模様に加えてちょっとした息抜きもあり、かなりの長編ながら倦むところがありません。 単なる戦いの叙事詩というものではなく、様々な宿業を背負った人類の行く末、そしてそれを予感する者達の葛藤といった人間側が避けて通ることのできない根源的課題にも迫りながら、ストーリーは展開されていきます。 ここでご紹介するいわゆる1stに加え、2nd、3rdと続いていきますので、読み応えも十分です。 ぜひ多くの方々に目を通していただきたいと思いつつ、ご紹介させていただきました。