選び抜かれた言葉で語られる、不思議な妖(アヤカシ)たちの物語。
薄靄が立ち込める森の奥、紅蓮が咲き乱れる池の畔に建つ『紅蓮荘』。
女子高生の雪村華鈴(ゆきむら・かりん)は、不思議な白狐にいざなわれ、妖(アヤカシ)の棲む森へと踏み入ります。それがきっかけで、妙に訳知りな同級生の少年たちと共に『紅蓮荘』に集い、その主である白狐の妖(アヤカシ)と共に、身辺に漂う不思議な妖(アヤカシ)たちの出来事と関わるように…
『紅蓮荘』に現れるさまざまな妖(アヤカシ)たちが語る願いごと、訴えごと、追憶、心残りのくさぐさ。
端的で読みやすい文章。折節に挿入される季節の情景。スッとストーリーに引き込まれます。
とりとめもない思いに浸る静かな時間に、ページを開いてみてはいかがでしょうか。
きっと、時の片隅に置き忘れられていた宝箱を、そっと開いたような、めくるめく不思議な世界と出会えるでしょう。