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ストーリーテラーとしての才
投稿日:2010年12月8日
 ネット小説のご多分に漏れず、この作品も軽い読み口で文量が多い。しかし、ネット小説にありがちなストーリーの停滞という事態には陥っていない。  これはひとえに作者のストーリーテラーとしての才によるものであろう。  当然「飽きさせないようにしよう」という配慮も見受けられる。だが意図したところでそれは簡単に実現させられるものではない。にもかかわらず、作者は平然とやってのけている。  肝心の作品内容について言えば、王道のファンタジーだが重苦しさはなく、ダークな部分もあるが陰鬱にはならず、非常に読みやすい出来となっている。それにより作品世界の雰囲気は絶妙な案配となっている。  もし少しでも気になったのなら、冒頭だけでも読んでみることを勧める。なに、身構える必要はない。この作品は気軽に読めるように書かれているのだ。そして読み始めればすぐ、とどまることのない物語があなたを押し流してゆくだろう。