舞台は日本、東京――ですが、そこは力なき人間に仇を成す存在が当たり前に跋扈し、逆に人々も抗うための力を手にしている世界。
主人公は両親と妹がいたごく普通の……いやそれ以上、絵にかいたような幸せな家族との日々を、ある日突然壊されてしまう。たった一人の狂った少女の手で。
美しい少女、だが彼女は“憎悪の念を自分に向け続けてほしい”という、酷くゆがんだ……だが誰よりも一途で健気な、奇妙な“愛”を主人公に向けていたのだ。
王道的なローファンタジーでありながら、深い人間ドラマが登場人物をリアルに映し出す群像劇。
師弟愛、家族愛、恋愛――色々な形があって、形のないもの。
ラストの一ページまで目が離せません。
合い挽きで始まる逢引の物語(すみません、どうしてもこれは言いたかった)
と、ともあれぜひ読んでいただきたい作品です。