レビューした作品一覧全20件
大東亜戦争に勝ち、しかし結局の所、米国に屈服した「昭和の日本」 そんな仮定の舞台で、徴兵制によって20歳の青年が赤紙をもらう所から、物語は始まっている。 全体的に泥臭く、特に物語世界に流れる政治的な空気は読む人にとっては壁になるかもしれない。 しかし、気をつけて欲しいのは、、それは物語の設定であって、「戦前」と「戦後」を繋げてゆく「昭和」という匂いを醸し出す為の仕掛けでしかない事。 この物語の本当の肝は、 多くの若者が持つ浅はかで理屈っぽい感情やその他が、 いくつもの経験によって変化し、高く積み重ねを得てゆく様子にある。 山を登った時の、遠い旅をした時の、振り返った景色。 それは経験しないと「感じる事」ができないもの。 せまい世間の中で見えていた景色を、また別のせまい世間で見た時、気づくこと。 主人公は経験し、感じる。知り、共感をする。 これは本格的な成長の物語だ。傑作である。
もう逢えない人との記憶が、、そこにある友情や愛情が、、 その人を勇気付け救う事がある。 それは「気づき」そのものなのだけど、 その実態は、心の底に隠された祈りの様なもので、感情の、感動の、本質そのものだ。 歳を取り振り返る事でしか理解できない事。 例えば、あの時のあの人の言葉や振る舞いのおかげで、今の自分があるのだと気づく瞬間。 この物語は、そういった追憶の中にある勇気や喜びや悲しみの中に「今」を見出そうとする。 それは、歳をとる事は素晴らしい事なのだとも言っているように見えた。それは良い事なんだよ、と。 そこに人々や世界との絆が見え隠れして、静かな優しさが広がっていた。 人生は短いようで長いのだと、常に始まっているんだよ、と、語りかけているように感じた。
レビュー作品 辺境の老騎士
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かつてクリアーしたゲームの世界に放り込まれた男が、現実に戻るために、 その世界で再度のゴールを目指す……。この物語を簡単に説明すればこうなる。 が、この物語の素晴らしさは、その筋書きの裏側に、幾層もの人々の心の歴史を交差させ、そして世界を救った男として到来した主人公に、その重みをこれでもかと背負わせる所にある気がした。 そこには当然、主人公が躍動感をもって活劇する様子があるのだが、、 しかし!それすらも、この物語では「負うべき宿命」「演じなければならぬ義務」となっていた。 この「偉大なる枷」が、まさに虚構の世界において 悲劇の本質、現実とは人生とはままならないものよ、と訴えてくる。 プロット上に展開する世界観はミステリーの流れを呈し、主人公の行動、生き様を複雑にしていた。 活劇の面白さ、読み解きの面白さ、感情移入による感動と余韻、それが広がってゆく。 これはとても、良いものです。
レビュー作品 S・D・G
作品情報
サラリーマンである主人公がネット上のあるバナー広告をクリックすると…。 そんな出だしで始まるこの物語は、シンプルでサクサク読めるエンターテイメント・ファンタジーです。 「小説を読もう」で読める異世界ものの多くが、終盤に進めば進むほど流れが悪くなる話が多くて 特に、ご都合展開なもの程、その傾向が強いと思う。 それは、無双する主人公、もしくは悪運の中の幸運な物語というものが、ある程度進行すると 書く側は展開に困り、読む側は展開に慣れてしまう、そんな状況になるからだと思う。 この物語は特に凄い!とか超面白い!というものではないかもしれないですが、 読了後の満足感がそれに匹敵しました。 実に物語の流れがスムーズで気持ちが良かったです。 物語が一番面白くなる状況で終らせるという事の素晴らしさ。 それだけでも、この物語はありがちなモノではないし、秀逸だとつくづく思う。 読んで損はない!
レビュー作品 俺と糞ゲー
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中原中也の「汚れちまった悲しみに」は、世間にまみれてゆく悲しさを綴った詩だと思う。 しかし、この物語はその先を描いている気がするのです。 主人公は普通の少年で、彼が思う「不良」なるものの実践ですら、平凡な子供の範疇でしかなく、 それはむしろ彼の弱さを浮き彫りにしていた。 彼の原風景は、おそらく全ての若者達が経験する苦々しい世間のあり様であり、 そして、そこに抗う事すらせず、従っていた己の姿そのもの。 そこで彼は大きな喪失をし、本当の美しさというものを知る。 それは彼を苦しめ続けた。 この物語は、友情や恋を、ありがちな型として見せる事はないし、それが「美しいものだ」なんて決して言わない。むしろ、常に疑い、、問い続けている。 でも少年は選択する。 大人も子供もなく、苦しみの中に生きている人々そのものの中で、光を取り戻そうとする。 それは、とても美しく、感動そのものだった。 傑作である。
レビュー作品
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物語は、戦争によってほぼ全滅した村に主人公が訪れるシーンから始まり、そして戦争のシーンにおいても人の死を至る所に示しながら進んでゆく。 そこにおいて作者は自らの倫理観を強要せず、あくまでも主人公の心情を淡々と綴っているように感じた。 過剰な演出をしない事で、逆に悲劇性が浮き立っていた気がする。 物語には映像的で映画のような流れがあって、それは心理描写というより、文章によって描かれる画を積み重ねて、そして、ある一枚の画を見せられた時に感じる余韻みたいな。 かわいそう、悲しいね、だから戦争はいけない、みたいな、そういう安っぽい事じゃなくて、「それが何であるのか」という事を感じることが出来る気がする。そこから先は読者それぞれが感じることなのだろうと思う。 もちろん、戦争における活劇は存在するし、ワクワクしながら読める要素はふんだんに盛り込まれてる。 悲劇的要素が苦手でないかたオススメです。
レビュー作品 戦場の鎮魂歌
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この物語は異世界モノ。 文章は軽快でテンポよく、アクション要素もあり、そして主人公が成長していく、そんなエンタメ作品。 だけど、それだけでなく、その裏側に深い隠し味があると感じた…… ■ 私達が感情と呼ぶ存在は、いくつかの単語で語られている。 喜び、悲しみ、怒り、恥じらい、etc …それは記号化されたもの 私達が何かに心が揺さぶられた時、それは記号化した言葉ではなく、いくつかの連なったイメージ、、 言葉にならない感情として浮かび上がる。 ある環境の、ある状況の、心、、ある舞台上の言葉と動き、、それが積み重なり、、溢れた時、、 …感動(ニュアンス)が生まれるのだと思う。 この物語は、周囲の状況による主人公の心の動きを、絶妙に積み重ね、 主人公の中に「生々しい人間性」見せていたと思う。 それもエンタメ要素の裏にさりげなく置いているような形で …つまり面白く、かつ深い。 ぜひ読んで欲しい
レビュー作品 貴く翔べ
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弾む日常、青春という日々
投稿日:2011年12月10日
甲子園を目指していた少年が、ある時突然、どこかの美少女になってしまう。その戸惑いの中、どたばたとした友情の芽生えがあって、そして再び野球を取り戻す話。この物語を簡単に説明するとこんな感じだと思います。 野球ものとして見てしまうと、たぶん、ご都合的な部分が目に付くかもしれない。で、その部分を「いわゆるファンタジーであって、リアリズムの追求とは別なのだ」と割り切ると浮かび上がるものがある。 それは、、 弾む会話の中に、 無邪気なふれあいの中に、 初心に人を思う気持ち中に、あるもの。 ……青春という日々、学生という日常なのだと思う。 そこには日常というエピソードの積み重ねが自然に行われる事でしっかりとしたドラマ、人間模様が存在していた。 そういうものは児童文学やラノベにおける根源的なものだと思うし、それは読んでいて楽しいし、気持ちがいいのです。 気が付くとのめり込む様に読んでいました。
レビュー作品 俺、りん
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異世界モノにおける本質
投稿日:2011年10月11日
始め少年は憧れるものに、ただ近づきたかった。その渇望が彼を導き、彼を突き動かした。 ……しかし、ある時それが不可能だとわかる 現実の不条理は、その目的を否定したが、彼は自らのあり方を変える事で、それを越えようとした。 彼の中に「信念」が生まれるのである。 彼が自らの有り様に肯定しつつある時、それが起きる……異世界という世界が。 元世界で意味を見い出されなかった彼の努力は、異世界で表出するが、 元世界において見出した「信念」は、異世界において彼を揺さぶる。 異世界で立ち位置の変化は、彼の生き方を否応なく変えようとしていた。 それは彼だけでなく、異世界に来たすべての人間に直面していた。 ……そこに異世界モノの本質を感じた。 じっくりと丁寧に描かれた描写によって、リアリティが生まれ、世界と人物の深みがもたらされている。 それは読者を物語の迷宮に捉えて離さないだろう。 ぜひ読んで欲しい
一人の自殺志願者が死に場所を求め、ネットで死神というハンドル名の男に出会う。 自殺サイトに導かれて集まった複数の男女はどうなるのだろうか? この物語はいくつもの視点を変えながら、その模様を絡め、見えない出口を進むように見える。 第一章「始点-うさぎ-」までは少し鬱々する展開ではあるが、第二章から この物語の本当の面白さが表れてくる。 ……読者の思惑をかわし、その期待感を裏切らず、その予想を裏切るだろう。 …はっきり言おう、読了後の後味は良いはずだ。 だから第一章の雰囲気に騙されずに、その先を読み進んで欲しい。そこに おそらく楽園の楽園たる意味が表れている事に気づくだろう…死の岸の上に立つ者が、楽園の案内人である事の意味を。 この物語は傑作である。人々のそれぞれの背景と その感情の交差が、幾つもの葛藤を呼び、読者を悶えさせるが、最後には ある光を見せるはずだ。 ぜひ読んで欲しい。
レビュー作品 EDEN
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没落貴族である青年の前に異民族の女性が現れる。 彼女は言う。 ……辺境の領地継承者の資格があるのだと 青年は現状から脱する為、彼女の言葉に頷き、はるか南へ向かう。 中世ヨーロッパが見え隠れする世界設定が、幾つモノ複雑な関係性を、緻密に重ねるようにして語られていた。 この物語はわかりやすいファンタジーではないかもしれない、 しかしファンタジーの魅了の一つであろう中世史観と異国情緒が豊富に流れていた。 「戦争」という意味においては、人の死が淡々と描かれており、その意味においても中世のリアルが表現されていた。そして「政治」という意味では単なる陰謀策術ではなくて、その背景が丁寧に語られている。 ……「本格的」という言葉が似合う物語だと思う。 もちろん、戦いや陰謀のソレばかりでなく、恋愛模様も描かれていて、そこにある軽やかさも物語に彩りを添えている。 ぜひ読んで欲しい。
……詩情にあふれ、迸るイメージがあった。 子供の頃に感じた 雨の景色、空の色 子供の頃に感じた 路上の色、建物の影 雲の隙間から漏れた光の先に、何かがあると信じていた頃の そう空想が身近だった頃の世界がソコにあった。 かつて古代の人々が世界に見ていた景色のような ……まるで神話の景色 ああ、ファンタジーとは世界なのだ。 ファンタジーとは現実に倦み忘れてしまった あの時の瞳を取り戻すツールなのだ。 この物語ではRPG的表現も使われているが、それは物語を軽いものにせずに、むしろ深みをもたらしている。 初めてファンタジーを読んだ時の、初めてRPGをした時の、、異世界へのあこがれがあった。 魅力的な世界観、魅力的な主人公達、大河の様な物語の流れ。 作者は物語の迷宮を間違わずに、通るべき道筋を選びゆくように見えた。 ……それはまるで王道を通るかのように。 ぜひ読んで欲しい。
レビュー作品 迷宮の王
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この物語で特に注目すべきは、そこにおける少年たちの群像だ。 どこか物憂げで、どこか高慢で、そして純粋。苦悩があって、友情がある。 ……少年が思春期に感じる彩りがある。 …その中にある繊細さ。 自分の地がでる事を恥ずかしいと思う主人公は、現代日本でも普通にあるようで、 失われつつある感性かもしれない。 照れ隠しのやり取りが、なにか綺麗なのだ。 そうキラキラしている。 相手に好意を感じて、友達になりたいと思うそのものが… 相手との距離に怖がって気を使って、又は自分を卑下して、良くわからなくなっている状況があるような… 友情の距離感の揺れ動く様子が描かれている気がした。 精霊と魔法が渦巻く舞台で、大人たちの都合に揺さぶられながら、純粋さを保とうとする主人公に惹き付けられてやまない。そして照れ隠しのようなユーモアのやり取りがとても楽しくて、時間を忘れてしまうのだ。
15の使徒によって法は崩壊し、神々はその姿を表した。 秩序は混沌に変わり、混沌の法は具現化した神々よって動かされている様に見えた。 ……ただし、その生死は人々の信仰によって握られる。 …そう神々は信仰なくしては存在できない。 舞台は迷宮都市。 主人公は屈強な30代の日本人。 彼がすがるは日本から落ちてきた神。 その神を信仰するのは、ただひとりの巫女がいるのみ。 力を集めよ! 信仰の光を! さすれば故郷に帰る道が開かれん! …世界は謎に満ち、迷宮の奥底は未だ見えず。 さぁ、エンターテイメントの始まり始まり! 神々のあふれた混沌の、神殺しが存在する世界で、 鬼になりかけた日本人と、異世界の巫女と、落ちたる八百万の一柱の、 そして迷宮都市の住人の物語は、今始まった!
テンプレ・ファンタジーが横行する「小説になろう」において、世界観の重要性を再認識させる作品だと思う。 別にテンプレ・ファンタジーが悪いという事を言いたいのではない。それは読者におけるある種の「共通認識」「安心感」をもたらす大切なリソースだから。 そして現在において「ファンタジー」という言葉そのものの意味が「幻想的な」というより、ある種のテンプレを指している事が多いわけで、当然、この作品でも「剣と魔法」や「亜人」などテンプレ要素が使われ構成がされている。 しかし、テンプレだとしてもファンタジーの魅力の一つに「幻想性」は今も存在していると思うし、それは「世界観」の中に特に提示されているのだと思う。 この作品の序盤における「獄級」からの脱出劇と、そこにおける木の精霊との友情は、秀逸である。悪夢のような景色の中にある光、、大いなる幻想性がそこにあった。
喪失は余韻となり綴られて
投稿日:2010年8月17日
この物語の主人公は魔術を学び研究する者。 この物語の主人公は大学でその研究をし歴史に名を刻もうとする者。 序盤における魔術への説明は必然的に存在し、そこに論理も存在する。 そこに多少の重さを感じるかもしれない。 ……しかし、そこで読む事をためらってはいけない。 本当のストーリーはその後にあるから。 そう「本当の」物語はその後の後に明らかにされる。 物語は重厚な雰囲気の中、窮屈な環境と陰鬱な人々から始まる。 だが主人公の強い前進と 彼を支える明るくユーモアある人々により、物語は明るさと優しさに満ちていく。 時に主人公は悲観的な心境になり苦しむこともある、だが物語は陰鬱で終わらない。 それどころか読了後には希望と明るさを余韻としてもたらすだろう。 この作品は完結しており未完の心配はない。 そうロスト・ストーリーは補完された。 それは物語の中だけでなく読者の余韻を埋めるものになるだろう。
エルダー・テイル… 剣と魔法が存在する現在の何千年後の世界…それはゲームの中の設定。 主人公はプレイヤーの一人。 物語は、主人公が突然 プレイしているネットワークゲームの中に取り込まれる事から始まる。 ただし取り込まれるのは主人公だけではない、その時プレイしていた人々全てがだ。 仮想空間が実感のある空間となり限りなく現実化した場合、人々はどう行動するのだろうか? シリアスになりがちな展開だが、 軽快でかつ重厚な描写でテンポ良く展開され、重々しさは殆どない。 楽しい、面白い、そしてわかりやすい。 異色のファンタジーで 異色のトリップもの…それを秀逸な文章と豊富なアイディアで、 …異色のエンターテイメントにしている。 ドキドキして、ワクワクして、そして展開が気になりページはとまらない。 これはエンターテイメント、それも良質でユニークな。
スタンダードの中に光るドラマ
投稿日:2010年7月31日
よくあるファンタジーの異世界トリップもの。 世界観もスタンダードな部類。 普通の高校生がチートなしで頑張り、 リアリティの味付けがある。 物語の基調もスタンダードな冒険もので それがエンターテイメントに仕上げられ、普通に楽しめる作品だったりする。 …この物語を簡単に説明すればこうなる。 でもそれだと言葉が足りない。 物語は少年の不安と希望、楽しさや悲しみ、愛情と憎しみが積み重ねられ…そして喪失を描いている。 殺伐なりがちな進行は少年の周りの大人達の暖かい支えによって緩和され、やわらかい進行となっている。 そして少年が戦い成長するシーンに高揚し、甘酸っぱい恋はせつなさを誘い、苦しみから乗り越えようとする姿勢に感動するだろう。 それでもこれはスタンダードな作品なのかもしれない。 でもそんなの関係ない、これは"面白い"のだから。 しかも長編で楽しみは長いのだ。
レビュー作品 QUEST
作品情報
物語のはじまりに美しい世界観の描写があり それは丁寧に描きこめられていて、 それは読む人に重厚さを感じさせると思う。 軽い物語を求める人はそこで足踏みするかもしれない。 しかしこの物語が堅いモノでない事は読み進めればわかる。 だから最初の何ページを頑張って読んで欲しい。 その後に良質な物語があるだろうから。 主人公は2人、青年と少女。 日常や風景の丁寧な描写と、そこで生活する個性豊かな人々の息遣いが魅力的に描かれている。 特に主人公の少女が行動的と言えず、才能があるわけではないのに、細やかな彼女の心情を描く事で それを乗り越えている。 今の所、展開はゆったりとしているが気にはならない。 むしろゆったりとした船旅をする感じで楽しめさえできる。 そこに流れる彼らの風景は魅力的で、その景色をずっと眺めていたいと思わせるから。
異世界での素晴らしい体験
投稿日:2010年7月23日
ファンタジーとはなんだろう?と考えた事がある。 ファンタジーを書いたり読んだりする必要性はあるのだろうかと考えた事がある。 それは 「現実にありえない環境の中でのドラマであり、またはその寓話性」だと私はおもう。 この物語はまさにそれを体現していると思う。 そこにはあなたが感じる幼年期の思い出を見出すことができるだろう それは年上に対する恋心であったり、親や兄弟に対する愛憎だったりする。 子供が良く感じるコンプレックスだったりもするだろう。 でもそれだけじゃない、大人がもっている幼児性や醜さも描かれていたりする。 すばらしい世界観とキャラクターで、あなたは物語にのめりこむことができるだろう。 もちろん剣と魔法の世界でワクワクする事も可能だ。 でも、核心はクロードとユリウスが純粋さを求める姿にある、これは素晴らしく美しい物語だ。