レビューした作品一覧全3件
錬金術師クリストフが夢の実現のために、尽きぬ宝石が眠ると言われる宝石の丘へと目指す物語。 苦難の果てに辿り着いたとき、彼らは何を思うのだろうか… この作品は大きく2部に分かれており、宝石の丘への道を模索して洞窟を掘り進め、ダンジョンを作り上げる章と、仲間を集めて宝石の丘まで踏破する章に分かれている。 前半はダークヒーロー的な立ち位置でありながら周囲の勘違いに振り回されるダンジョンマスター的な物語が明るくテンポよく進むため、世界観に引き込まれます。 一方後半では様々な困難が降り注ぎ、少しずつ脱落者が出てくる等少し暗い雰囲気に…。予測不可能で危険な道や誰が裏切るのか、といった障害を乗り越え、冒険の果てにお宝を得られるのか、ハラハラしながら読み進めることができます。 冒険の果てにお宝を得る、という古き良き王道をしっかりとした世界観で描いた物語、ぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか。
ざっくり世界観を説明すると、相似のモノはお互いに影響しあうという呪術や魔術の基本原理を基礎としつつ、色々な情報を引用、暗喩に用いることで奥行きを出している作品になります。 何より素晴らしくこの作品の大きな特徴となっているのが、ファンタジーやSF、または文学、哲学、言語学など雑多な要素を圧倒的な文章力と設定でぐちゃぐちゃに混ぜ合わせて創り出した混沌さです。 ネタやスラングを流用して読者を笑わせに来ながら、一方で女性の権利や少数民族迫害について触れ、さらには読者の視点を前提としたメタ的な要素が作品世界観の内側に当たり前に入ってくる等の圧倒的な情報量があります。それらをここまでしっかりとまとめ上げた作品は他にはないでしょう。 混沌を混沌として書き上げられる作品のなんと面白い事か!
クトゥルフ×騎士の物語 簡単に紹介すると、特別な力など何も持たないただの少年が妖精と出会い、世界を侵略してくるクトゥルフ神話生物を撃退していく作品です。 終わりかけた世界の中で、妖精の協力やヒト型兵器を用いて、対立神の力を引き出しながらクトゥルフの眷属たちを撃退していく、オトコノコが好きな要素たくさん詰め込んで完成した王道作品。 円卓の騎士をフレーバーとして組み込んでいるのがまた一層心惹かれます。 テンプレを組み込んでいながらしっかりと独自の世界観に昇華できており、やっぱり王道は面白いなと思わせてくれた作品。 ぜひ読んでみてください!
レビュー作品 紙杯の騎士
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