――人の心への疑心暗鬼
そうした理由から自殺してしまった主人公は訳もわからぬまま、6人の勇者の1人として異世界転生をする。
――「私は、あなたの、友達。あなたは守、らなくて、はならない。約束を。」
友達だから、異世界転生。人の心への不信感が募る主人公にとってこれほど理不尽なことはないだろう。
これは、主人公が人の心と触れて、心を知る物語だ。己のコンプレックスや葛藤に打ち勝ち、様々な工夫で打ち勝つ。正に原点回帰である異世界モノだ。
主人公は様々な意味で弱者だ。チートを得たのに、即戦力じゃないし、創造したものはまったく上手く機能しない。そんな中、実用可能なものをコツコツ作り、戦術を練り上げ、信じ合える仲間と協力泥臭くも敵を破る姿はとても熱い。
また、敵が人の邪なる心を唆す存在、であるのが主人公の成長に対していいスパイスになるだろう。
隠れた名作して、王道。
ぜひ、読んでいただきたい。