非常事態により、急遽フリゲート艦「ルカン」の指揮権を任される事になった、主人公ルナン・クレール。
彼女の不運と不遇、そしてそれを打破してゆく物語はそこから始まる。
苦慮しながらも僚友に支えられ、奇策を持って敵に向かっていくその姿に、胸が熱くなるだろう。
ルナンの明るさは、決して幸福な人生を歩んで来たからではない。
目を背けたくなるような過去を背負いながらも、懸命に生きている証であった。
苦しみながらも前に進み続けるルナンに惹かれ、人が集まる。
助け合いながら困難に立ち向かっていく彼女たちを、是非その目で見て貰いたい。
そして、小説もさながら目を見張るのは、作者ご自身で描かれたイラスト。
魅力的な登場人物や艦艇、迫力あるシーンまで必見である。
SFファン必読の良作。この作品に出逢えたことに感謝を。