ある時は現世の狭間にあるとでも表現すべき、どこか妖艶な古書店の店主が。
ある時は自らを神様と名乗る生意気そうな金髪の少年が。
ある時は自信満々、スカートのフリルを揺らしエナジードリンクを片手に立つ少女が。
数多ある実在のWeb小説をその手に、作品を物語の中で扱い、取り上げ、紹介してゆく不思議な物語。
この不思議な登場人物たちが織りなし、心惹かれる世界の中で語られる物語の中の物語は、様々な形で読者へとその存在を愛のままに語られる。
紹介作品は只の添え物などではなく、確かに感じられる深い読解力と考察力からその魅力を彩り語られ、綴られ、この世界を取り巻く物語を繋げていく。
この小説を紹介する小説は、何とも愛に満ちている。
その愛に充てられた時、貴方はこの古書店に並べられる本を手に取りたくなる筈だ。
それが本作の堪らない魅力だと、心より想う。