酒場である男達が最近現れた凄腕勇者について語っていた。彼らの考える勇者像とは筋肉もりもり男。噂に聞く勇者は腰が低く、偉ぶる事もないらしい。感心する彼らの仲間のうち一人が、その勇者は何故か左手にパペットを装着していたと言い出して……

　前世乙女ゲームにはまっていたヒロインが、そのゲームの中の世界に転生してしまっていた。攻略対象相手に胸をときめかせつつ、周囲の政治的思惑に振り回されながら自分らしく生きて行く話。

　志織はある日突然、異世界に召喚され聖女となった。この世界では召喚させた聖女に「魔王ルート」か「勇者ルート」を決めさせていた。魔王ルートを選べは魔族存続、人間はみな死ぬ。勇者ルートを選べば人間が生き延び、魔族は滅ぶ。しかし、勇者は俺さまでとても志織とは気が合いそうにない。だからといって人間が死ぬ未来を選びたくない志織は考えた。