以前、「竜狩りの物語、忘れられたころ」最終話を投稿した際、活動報告で「いずれ書くかも」と仄めかしていた物語となっております。 　時間軸としては、前作よりも更に過去の時代の話となっております。全世界…

　追補編、投稿しました。今回で、「竜狩りの物語、忘れられたころ」は完結となります。 　「えっ？これで終わり？」となる方もおられるかもしれません。物語としては過去編は現代編へ続き、現代編はその後も復興…

　過去編、第六十八話です。ルスサカの街に戻って来たシオルとバルカ、コルニクスとの再会、そして啓蒙市民の再びの産声を待つ時。 　地下の避難施設が妙に高い技術力……というより、現状の技術を凌駕するテクノ…

　現代編、第六十八話です。復興へと向かう街の中で、マディス、フィガロ、そしてエノが出会う。エノ、と言っても同じ名をつけられた別個体の啓蒙市民ですけれどね。 　放っておくと無法地帯にもなりかねない、家…

　過去編、第六十七話です。地下の避難設備から地上へと復帰を果たした人々と、エノに引導を渡し終えたシオル、バルカの邂逅。 　シオルが懸念していた通り、竜の胞子が降り続く中で活動できていた存在こそ世界を…

　現代編、第六十七話です。レナルド司教が礼拝所に戻り、ようやく屋外へ出ていけた人間たち。 　彼らは廃墟と化した街の中でしばし呆然とはしたものの、やはり人間らしい欲が出てくるものです。そもそも暴徒に参…

　過去編、第六十六話です。シオルとバルカ、竜の思考空間内から出てきたところ。 　コルニクスは黙っていましたが、二人の肉体がすっかり老いてしまう可能性については気づいていたのかもしれません。無数の思考…

　現代編、第六十六話です。あの燃え盛る家の中で閉じ込められていたフィガロは、図らずも竜の胞子から防がれて生き延びました。 　竜狩りに向かう前のシオルとバルカが喋っていたとおり、竜の胞子は養分や水分に…

　過去編、第六十五話です。エノの最後の自我に、引導を渡したのは優し気な虚偽。 　世界の滅びを回避し人々の命を守るため、エノはしっかりと考えを固めたつもりではあったものの、その自我が次々に剥離していっ…

　「故障していなかった」投稿しました。いい加減で事実認識も曖昧な集団の中でも、奇妙な現象は埋もれがちですね。 　実際のところ、スピーカーから聞こえてきた囁き声は、ミーティングルームの喧噪を扉越しに、…