映像が変わり――レンガ造りの古めかしい豪邸が映し出された。 　ダークブラウンの木製の家具と、レザーでできた来客用の椅子。今の澤谷さんの書斎と、同じデザインだった。仕事に集中していた澤谷さんが、…

「ほら、アヤカを見失うよ」 　目の前に広がったのは、俺たちが暮らす世界――人間界だった。 　車の音、人々の喧騒、キラキラとしたネオンがあたりを賑やかに照らす、夜の街。 　アヤカと一緒にやってきた…

　映像が変わり――レンガ造りの古めかしい豪邸が映し出された。 　ダークブラウンの木製の家具と、レザーでできた来客用の椅子。今の澤谷さんの書斎と、同じデザインだった。仕事に集中していた澤谷さんが、…

「ほら、アヤカを見失うよ」 　目の前に広がったのは、俺たちが暮らす世界――人間界だった。 　車の音、人々の喧騒、キラキラとしたネオンがあたりを賑やかに照らす、夜の街。 　アヤカと一緒にやってきた妖…

「アヤカに関わるなと言いたいんですか？」 　目の前のアルトさんの顔からは、感情は読み取れない。でも、なんとなくだけど感じた――彼は、怒ってるわけじゃない。何かを訴えたいんだ。 「君はさっきの…

「タクミ君は、なんて言おうとしたんだろう？」 　世界樹の前にぽつりと残されたのは、一枚のキャンパス。そこに描かれていたのは……涙を流すアヤカと、その膝に頭を預けて眠る男の姿。多分、地下研究所に潜入…

　あたりの草花がぽんぽんと木琴のような音を奏で、手のひらに収まるくらいの淡い光がタクミくんが歩いた後を照らしていく。 「タクミ君！」 　草花が揺れ、大樹の枝が揺れ、祝福するかのように光たちが舞…

「ここは、どこだ？」 　目の前に広がる大樹は、力強く地中に根を張り出し、空に向かって伸びゆく枝が、まるで天を掴むかのように広がる。樹冠は青空を背景にして繁茂し、その枝先からは実のように小さな光が…

「リュウ…今まで、ありがとう」 　――遠くから、微かな声が響いた。 　……彼女は、誰だ？ 　目の前に、大きな木がぼんやりと浮かび上がってきた。 　大樹の枝は少しだけ大きな音を立てて揺れ、…

　　 ●登場人物紹介について 序章のみ激しくネタバレしてます 他ちょいちょいネタバレありますが、核心に迫る部分はネタバレしてません。 途中からiPad絵になったので、絵のばらつきが半端ありませ…