第二十二話　代償 第二十三話　小春の決意 第二十四話　決着 終章　神さまの隣 「小春とやりたいことが、たくさんあるんだ。ずっと、できたらいいなあ、って願っていたの。でも、僕は神さまだから、誰に願えば…

第二十一話　欺瞞 　由希斗がどんな思いで小春の言葉を聞きたがったのか、想像して勝手に喜んでは、由希斗が抱くのは小春が思い描くような感情ではないと、冷静ぶって打ち消す自分がいる。 今日ギリギリか、…

第二十話　言えない想いと柔い檻 「小春……」 　小さく、何かに耐えるようにかすれた声で、由希斗が小春の名を呟く。 　数百年一緒にいて、彼がこんなふうに触れてきたことなんて、今までに一度もない。 「今…

第十九話　傷 「力があっても、それを欲のまま行使すれば、ことによっては代償を払わなければならない。何もかもを望みのままにできるわけじゃないんだよ」 　小春は息を潜めて由希斗を見上げた。彼は、美しい面…

第十八話　神と人 　始まりの舞姫は、由希斗にとって一番特別な存在だ。 　昔、小春が彼女について尋ねたとき、春の野で舞う姿に惹かれて出会い、仲を深めて、楽しい時間をともに過ごしたと、由希斗は幸せそう…

第十七話　神域 「ようこそ、禁じられた山へ。神さまが待っているわ」 月末完結まで、チキンレースが開催されております……。

第十六話　襲来 「神さまにお願いごとなどをするには、代償がいるのよ」 「……代償が、あればいい、ってこと？」 　小春は、無意識に、絵里奈と繋いだ手に力を込めていた。手の中の柔い手のひらの感触にはっと…

第十五話　小春の気持ち 「正直しんどい。けど、しんどいぶん、私ってホント剣崎くんが好きなんだって思う。好きな人の幸せを願うなんて、その人のこと、ホントの本当に好きじゃん」 山村の言葉に、小春は胸をき…

第十四話　幸福な街 それは、少女たちが『いつも通りでいたい』と望み、取り繕った日常だった。 たとえうわべだけであっても、そう在りたいと願い、そのために振る舞うことこそが大切なのだと、小春は知っている…

第十三話　泡沫 　由希斗の腕の中で眠る。 　小春が『神嫁』となった日も、彼の腕の中にいた。だからなのか、自分が今、母親の胎の中にいるかのようにも感じた。 　世界で一番安心できる場所。だが、いずれは出…