共有しておきたい感想・及びそれへの返信(1)『冒険の中に生く』
2021年01月23日 (土) 14:39
今回は、ストーリーではなく、頂いた感想の中で読者の皆様に共有しておきたい感想があったので、この場を借りて共有させていただきます。

その感想とは、こちらです。

******
なんかゲームに閉じ込められたにしては反応が薄いな。違和感がすごい (第9部分)
******

第9部分といえば、カナとムウがタクと合流し、ムウが買い物をした後に特殊なイベントに巻き込まれ、タクとカナを置いて仲間たちと合流する場面ですね。


この感想に対する私の返信がこちらです。


******
感想ありがとうございます。
よく考えた上での感想なら、私の世界観と合わなかったということで非常に残念です。

ですが、なんとなくログアウト出来なくなったらもっと大騒ぎするだろう、という意味で、違和感しかないとおっしゃっているのなら、一度よく考えてみてください。
まずはムウ。彼はログアウトできないということを怖く思うよりは楽しく思う人物なので置いておきましょう。そういう考え方の人物なので、そんな考え方をする人間がいるはずがない、というのは無しでお願いします。
次にカナとタク。この二人はログアウト出来なくなったことを認識しながらも、それを演出じゃないか、などと考えて、焦ってはいません。それは、VRゲームログアウトできなくなってデスゲーム、なんて話が、彼らのいた世界でももうありふれたものになっちゃってるからです。

今私たちのいる世界でも、Sword Art Onlineから始まって、様々な小説やアニメで、ログアウト出来なくなりゲームの世界で死んだら現実でも死ぬという、デスゲームもののパターンがたくさん描かれています。

正直に言います。もう慣れたでしょう?

【ログアウト出来なくなった→デスゲームだ!死にたくない!】
なんてのは、中途半端にそういう可能性を知っているから起こる話であって。
そういう物語がありふれた世界では、悪意を持ってログアウト出来なくする、またはゲームでの死を現実の死にする、なんてことが出来ないように対策が取られているのが当然です。そういうゲームじゃないと、売れるはずがないでしょう。万が一にもゲームをしてるのに命を落とす可能性があるゲームなんて買いますか?買わないですよ、私は。

さらに、そういう物語を知り過ぎていると、それが現実になったときにむしろ現実感がわかないものです。

例えば、ゾンビに関する知識が薄い世界。ゾンビという存在が出現したという情報を誰かから真剣に伝えられたら怯えるでしょう。
ですが、ゾンビ映画がありふれたこの世界でゾンビに詳しい人物が、ゾンビのことを真剣に説明されても報道などを見ないまま危機感を抱くでしょうか。おそらく、『ゾンビものの見過ぎじゃない?俺もそういう映画は知ってるけどさ』ぐらいなもんでしょう。

つまり、技術的な面でも、感情的な面でも、少なくともカナタクには焦る、恐怖する理由が全くないのです。

彼らにとっては、
【ログアウト出来なくなった→技術的に閉じ込めるのは不可能だろうし、命の危険もないよな。だとしたら何かの演出だろう、どんなイベントかな。】
と感じられているのです。

もちろん、他のプレイヤーの中には危機感を抱く人物もいるでしょう。ただ、私が書いたのは危機感を抱かなかった人物だけなのです。

これらのことを踏まえて、物語の終わりまでお付き合い頂けると幸いです。

******

注意しておきたいのは、これは別にムカついたからあえてここに書いているのではなく、私が非常に悩んだところだからです。このような感想でも、どんどん寄せていただけると作者の力になります。

ここに関して、読者の皆様の意見をいただけるとありがたいです。


他の場面に関しても、『ここが面白い、気に入った』という感想だけでなく、『面白かったぜ』というだけの感想や、『ここ普通ならこうはならんやろ、少なくとも俺はしない』のような指摘など、どのような感想でもいただけると作者は喜びますし、作者の考える世界が広がります。いずれは、皆様の感想を合わせたようなキャラクターが、主人公と出会い口論になるかもしれません。それだけ、感想というのは作者にとってはまさに血肉になるものです。どんどんいただけると助かります。

(感想少なくてさびしいんじゃー!!)

コメント全2件
コメントの書き込みはログインが必要です。
天野 星屑
2021年01月31日 21:26
>>たか

ご指摘ありがとうございます。

ログアウト出来ないことへの違和感は活動報告のままですが、登場人物に対する描写が少ない、それぞれの登場人物の個性や特徴が出ないままストーリーが進んで出てこなくなってしまうという意味での登場人物が薄っぺらい(そういうご指摘だと思っています)というのは、自分でも承知しているところです。

ただ、この作品に関しては当初(今は自分のスタンスも少し変わっています)とにかくそういう世界になったときにどういう反応をするか、この性格の主人公ならどう動くか、他の人物は?ということを想定しながら、『そういう世界におけるシミュレーションを主人公視点で』という考え方で書いているので、それぞれの登場人物と親密になるためのストーリーをほとんど用意せず、基本的に一期一会スタイルの主人公が取るであろう行動を書いています(最新話付近では多少考慮していますが)。本作においては、主人公は他者との関係をある程度持ちながらも、固執せず冒険に行くという所を書こうとしているので、他の登場人物が希薄になることも多いです。他の作品ではご指摘をいかしていきますが、本作に関しては、このまま行かせてもらいたいです。

最後に。本作では、一人称視点における主人公の語りだけでなく、主人公のふとした行動(ログアウトできなくなったときの反応や、他のプレイヤーへの関わり方、妹たちに説教した時など)によって主人公の性格、根底にある考え方を、また他の人物の行動によって(カナが何気なくムウに声をかけるも別れ際に嫌な顔をし、その後夕食に誘って泣く、など)その人物の考え方、今どう思っているか、何を考えて、目的として行動しているかを暗に示しているつもりです。読者の方に全てを読み取れとは良いません。ですが、登場人物が薄っぺらいと感じられるようでしたら、そうしたところも考察しながら読んでいただけるとありがたいです。特に主人公の一人称視点で書いているので、あえて主人公が他者に対して考えたことと対象の人物の考えがずれている場面なども書いています。そうしたところも気づいていただけると、少しばかり救われます。

たか様が戻ってこられることを心待ちにしております。まあ本作は合わない方は本当に合わないと思うので、不快に思われた場合は無視していただいて大丈夫です。これからもよい読書生活を。
たか
2021年01月31日 19:31
なんかゲームに閉じ込められたにしては反応が薄いな。違和感がすごい

まさに自分もそう感じながら読んでました。妹と再開した場面の展開でああ自分には合わないなとブラウザバックしましたが。 

力を入れて書き込まれているゲームの設定にくらべて登場人物が薄っぺらい(失礼)のに数は多い。
主人公に焦点を絞ってゲーム世界を楽しませてから徐々に関わる人間を増やしていったほうがうけいれ易いかも。