バトンを頂きました!「名刺代わりの10選」です。
2020年11月29日 (日) 06:18
おはようございます!赤瀬紅司さんより、バトンを頂きました。名刺代わりの10選ということで、なんとか少ない在庫からピックアップしました。

名刺代わりの小説10選

朝井リョウ著「もう一度生まれる」幻冬舎文庫

一話目の「ひーちゃんは線香花火」から引き込まれます。青年期の不安定さ、葛藤、すれ違いが切ないですが、最終ページまで読んだとき、痛みを覚えながらも一種の清々しさを感じます。弱ったときに読んでいます。
またそれぞれの話の登場人物が繋がっていてるのも興味深いです。

酒見賢一著「後宮小説」新潮社

アニメショーンの「雲のように風のように」を鑑賞、原作が読みたくなって中学一年のとき購入しました。
第一回日本ファンタジーノベル大賞受賞作品です。

架空の王朝が舞台なのですが、骨格がしっかりしているので何処かにこの世界はあったのではないかと感じさせられます。登場人物は非常に魅力的。主人公の銀河、明るく子供らしいかと思うと、賢さも持っていて愛する人の命を守ろうと懸命に戦います。文章から、人物の息遣いが聞こえてくるようです。
少し色っぽいシーンもあります。中学生には刺激が強い! 選評も入っていました。書くようになって選評を読むとためになるし面白いです。

重松清著「小学五年生」文春文庫

赤瀬さんから勧められたのがきっかけで、重松さんは読みだしたのですが、読み終わると必ずじーんとしてしまいます。
個人的に小学五年生がとても多感な時期だったので、あ、あのときの気持ち、私がいると思ってしまいます。
抑えた文章に、子供の心の動きが際立っています。お気に入りは「バスに乗って」です。心の洗濯をしたいときに読みます。

那須正幹著「ズッコケ三人組シリーズ」ポプラ社

小学校中学年から高学年にかけて夢中で図書室で借りた本。いつも人気で、中々新刊が出てもすぐには読めなかった覚えがあります。
ハチベエ、ハカセ、モーちゃんキャラクターの違いがユニークでした。内容は深刻だったり怖い話もあり、いつもハラハラ・ドキドキさせてもらいました。お気に入りタイトルは「花のズッコケ児童会長」です。ハカセがかっこいいです。

長沢工著「はい、こちら国立天文台(星空の電話相談室)」新潮文庫

国立天文台の広報普及室に寄せられる質問と回答について。電話対応での様々なやりとりが描かれています。ノンフィクション。

実は、身の程を知らずに星の研究をしたいと思っていた時期がありました。夜空に関するウンチクも満載。若い頃、つい購入してしまいました。質問のあいだにみえる人間模様も面白いです。
たまに、日常を忘れたいときに読み返します。

小川洋子著「ことり」朝日文庫

小中と仲良くしていて、現在も付き合いのある親友からのお薦めで拝読しました。
読んでお薦めされたのは当然だと思える凄い作品でした。何度もゆっくり味わいながら読み返したい本です。
内容は是非読んで頂けたらと思います。

横森里香著「恋愛は少女マンガで教わった」クレスト社

帯に「少女マンガの向こうから、人生がやってきた」と書いてありますが、内容が的を得すぎていて怖いです。目次を読むだけで、うんうん頷いてしまいます。教材が「はいからさんが通る」「エースをねらえ」、「ベルサイユのばら」などの古典的な名作だったりします。考察がとにかく深いです。それでいながら、思いっきり笑えます!

吉村明美著「薔薇のために」小学館
小学館漫画賞受賞作品

人間関係の機微を描くのが抜群にうまい方です。どうして、こんな台詞が書けるんだろう。心抉られます。タイトルの「薔薇のために」の意味がわかるとき胸に何かが残るはずです。

中島らも著「恋は底ぢから」集英社文庫

腐りそうになったとき、いつも中島らもさんの言葉が側にありました。「恋は底ぢから」はエッセイ集です。恋愛小説「恋するΩ病」含みます。力を抜いて書いてあるようで、パンチが効いています。
その日の天使の頁が好きです。
中島さんが亡くなった現在も、作品や言葉に助けられています。

遠藤周作著「わたしが・棄てた・女」講談社文庫

絶望して暗闇にいるとき、そこで寄り添ってくれた本です。きっと生涯私の傍らに置いておく本だと思います。

他にも面白い作品、素敵な作品ありますが、今回は手元にある本から選びました。
読書は好きですが、幅のない読み方なのでバトンを全う出来たかわかりません。最後まで読んでくださった方がいらっしゃいましたら、ありがとうございます!
バトンは咲良尚さんにタッチします。お忙しいことと思います。もし良かったら受け取っていただければ嬉しいです。もちろんスルーなさっても大丈夫です。





コメント全8件
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綿花音和
2020年11月29日 21:38
茂木さん、こんばんは!ご訪問ありがとうございます(*´▽`*)
「博士が愛した数式」も好きです。小川洋子さんこれから読んでいきたい作家さんです。

茂木さんの十選覗かせて頂いていたのですが、三銃士はやっぱり物語として完成度高いですし面白いですね。
海外の作家も国内も両方読んでいらっしゃって、自分も、もっと色々な作品を読もうと思いました。

>遠藤周作先生の作品も素敵ですよね!
共感‼なんだかとても嬉しいです。狐狸庵シリーズも純文学も中間小説も全部好きなのです。

茂木さん来てくださってありがとうございました。自分でコメントは書く勇気はないですが、活動報告とライターX拝読しています。また是非いらしてください。
茂木 多弥
2020年11月29日 19:35
 重ならないと思って作者名を見ていたら、博士の愛した数式の小川洋子先生が書かれていて、なるほどと感じました。遠藤周作先生の作品も素敵ですよね!
綿花音和
2020年11月29日 17:36
カラスウリさん、こんばんは!ご無沙汰しています。私もカラスウリさんの活動報告拝見しております、コソコソ。
書き込む勇気はないのですが、いつも安寧を祈っています。
小学生から横溝正史、早熟ですね。私は横溝正史さんは映像作品から入りました。石坂浩二かっけーです。

「ことり」は司書さんの登場辺りからもう胸がざわつきだしました。
涙止まらなくなって最後には泣き出して鼻をかむという。小川洋子さんの文章わかりやすい言葉なのに隙がないんですよね。「博士の愛した数式」しか他には拝読したことないのですが、惹かれます。
>綺麗で残酷な小川洋子節てんこ盛り
確かに。
外からみると残酷だと思いました。でもありきたりな言葉ですいません。鳥のおじさんは、自分に正直に最後まで生きたんだなと悔いはなかったんじゃなかったのではないかと勝手に感じています。

「わたしが・棄てた・女」 は私も何度読んでも泣いてしまいます。
>しあわせって何?
カラスウリさんの感想が伺えてむちゃくちゃ嬉しかったです。

環は大好きなキャラクターです。鬼島が好きか~、渋いな(笑)
またいつでも、気軽にいらしてください。訪問ありがとうございます(*´▽`*)
カラスウリ
2020年11月29日 14:52
ご無沙汰しておりました。
綿花さんのラインナップに、おおっ!となり思わずお邪魔してしまいました。コソコソ。

「後宮小説」大好きファンノベの輝ける第一回! ファンノベ好きとしては欠かせない一冊。カラスウリ小学生から横溝正史ファンだったので、そんなにこれ刺激的かな?と当時は思いましたが、親の立場になると充分照れますね。

「ことり」好きです。大好きです! 小川洋子さんは短篇推しなのですが、「ことり」大好き。最期ポロポロ泣き通しです。綺麗で残酷な小川洋子節てんこ盛り。

「わたしが・棄てた・女」何度読んでも泣きます。純粋でいることの恐ろしさを感じました。しあわせって何? と考えてしまう一冊でした。

「はいからさん」は、鬼島と環が好きでした。
綿花音和
2020年11月29日 13:09
赤瀬さん、こんにちは!バトンありがとうございました(*´▽`*)
雑食ではあるのですが、国内作家さんを拝読することが多いのでもう少し海外の作家さんも読みたいなと感じています。

>そして、優れた読書家は、優れた作品を生み出すことができると思います。
そうですね。結局自分の中にあるものが作品に表れると感じます。インプットをたくさんして、経験を積んで糧にしていきたいです。

赤瀬さんの回答も見たかったな~。罠に嵌ってしまった(>_<)
はい、頑張っていきまっしょい!!


綿花音和
2020年11月29日 13:02
陸さま、こんにちは!
重ならなかったですか? それぞれ読書遍歴ってちがいますよね(^^)
>最後「私が・棄てた・女」だけわかります〜ってなりました。
むちゃ嬉しいです。周りに読んでいる方も少なくて。この時期に書かれた遠藤周作さんの作品は結構好きですが、このタイトルは特別です。

はいからさんが通るは編集長派でした。牢名主さんとかいいキャラクターしてましたね。少女マンガ侮りがたし。

こちらこそ、読んでいただきありがとうございます。
XI
2020年11月29日 09:43
綿花さん

このたびはバトンをお受け取りいただき、ありがとうございます。

やっぱりバラエティに富んでいる。
バトンをお渡ししたかいがあったというものです(ニッコリ)

重松さん刺さってよかったです。
そして、優れた読書家は、優れた作品を生み出すことができると思います。

咲良さん、受け取ってくださるといいなあ……。

なによりバトンを回した私自身が回答していないという罠(笑)

これからもお互い、がんばってまいりましょーっ!(*`・ω・)ゞ~★
陸 なるみ
2020年11月29日 06:38
全然重ならない〜と思ったら最後「私が・棄てた・女」だけわかります〜ってなりました。

小5が多感だった、大賛成!

私はハイカラさんに牢の抜け出し方を習いました。笑
それはジョークとしても、生き方確かに習ってます。

興味深い10冊ありがとうございました。