2022年03月07日 (月) 16:35
ウクライナの軍や市民の奮闘により、ロシアの侵略は大方の予想に反して、停滞している部分もあるようです。
しかし、戦力の差は依然として大きく、ロシア軍に包囲された都市の中には、物資や食糧などの不足で戦闘を続けるのが困難になっているところもあるようなので、ウクライナにとっては厳しい状況が続く事になります。
自由主義国側は相変わらず腰が引けた姿勢で、ロシアとの戦争を回避する事が最重要だというスタンスの行動に終始しています。
ウクライナのゼレンスキー大統領が求めている戦闘機の提供も、拒否している始末です。
ウクライナは、自由主義国側とロシアとの代理戦争をさせられているようなものなのに。
そんな中、ルーマニアが、ウクライナの軍用機の着陸を受け入れているという事実が明らかとなりました。
ロシアは案の定、「参戦とみなす。」という脅しをかけて、止めるように文句を言っていますが、ルーマニアのチウカ首相は、ロシアが民間人を殺害し、戦時国際法も無視しているとして、脅しに屈しない姿勢を示しています。
ロシアのウクライナへの侵略が始まって、自由主義国側がロシアへの制裁を科すようになって以降、私はロシアの通貨、ルーブルの為替情報をチェックするようにしています。
制裁が実際にどの程度の効果があるか、市場が判断している分、客観的な数値として見る事ができるからです。
銀行間の決済に使われる国際決済網(SWIFT)から、ロシアの一部の銀行を排除する事が決まった日に、ルーブルは対日本円で30%近い下落をしていますが、その後はロシア中央銀行の介入なども行われているようで、下落幅は減少しながら推移しています。
個人的な意見ですが、今の制裁の規模では、長期的に見れば、ロシア経済は自国内での自給自足が進み、また、制裁対象から外されたロシアの最大手銀行ズベルバンクへの取引集中や、中国の決済網や仮想通貨といった抜け道を用いた決済の使用などによって、持ちこたえる可能性があると思います。
もちろん、ロシア国民は今後長きにわたって物価高や品不足に悩まされることになるでしょうが、30年にわたるスターリンの独裁がまかり通った国なので、生活困窮を理由に内側から政権転覆が起こる可能性は、自由主義国側が思うほど高くないのではないかと想像します。
また、日本国内でのこの侵略戦争に関する世論ですが、相変わらず、「ロシアを怒らせるような事をしたウクライナが悪い。」という言説が、ネット上で流布され、一部の支持を得ています。
2月25日の活動報告でも書きましたが、NATOへの加盟希望、軍備の増強、いずれもウクライナは主権で認められた活動を行っていただけであり、ロシアの侵略行為を正当化していい理由にはなりません。
親ロ派が実効支配した地域へのウクライナによる奪還作戦にしても、本来はウクライナ領であるべき領土を、ロシアの後ろ盾を得た親ロ派が勝手に乗っ取っている状態であり、もともとはウクライナの内政問題なのです。
ロシアを利する発言を繰り返す人の心理には、「小国が大国に逆らうからこうなるんだ。」という、強い者の味方をして優越感や安心感を得ようとする利己心と、自分の弱さからくる被支配者根性があります。
横暴な権力者への恐怖は誰にでもありますが、それに屈して、「ウクライナも悪い。」という言説を受け入れた時、あなたは世の中がますます権力者の横暴に委縮して加害されて行くのを、なすすべなく途方に暮れながら見守っているばかりになります。
庶民にできる事は限られますが、まずは、自分の心の中での戦いに、負けない事です。
それは、あなた自身の未来を、より良いものにするために、必要な事でもあるからです。
世の中には、いろんな性格、性質の人がいますからね。
心からウクライナの情勢に心を痛めて、毎日を暗い気持ちで過ごしている人もいれば、そういう人が嫌がるロシア支持やウクライナ叩きをあえて口にして悦に入る人も、残念ながらいます。
あまり事情に詳しくなくて、悪意のある情報に流されて意見を言ってしまっている人もいます。
いずれにしても、言葉には世の中を動かす力があるので、良い方に向かわせたいなら、情報を正しく見極める力を鍛えて、後で後悔しない意見が言えるようになってほしいし、私もそうなれるように努力しています。
電車で喫煙を注意した学生さんは、何にも悪くないです。
喫煙しながら、優先席で寝ころぶ奴なんかに、態度を配慮する必要もありません。
注意された仕返しに暴行するなど、まさしく、ロシアがウクライナにやっている理不尽な侵略、そのものですよね。
そして、助けられないまわりの人々や、駅員も、ロシアを恐れて手が出せない自由主義国に重なります。
助ける勇気のない人々の中には、自分を正当化したがる人もいるから、「注意した方も悪い」論が出て来るんです。
学校のいじめ問題でも、「いじめられる側も悪い」とか、「つらかったら逃げていい。転校という手もある」とか言う人がいますが、それでどうやっていじめた側に反省させて、いじめを止めさせられるんでしょう。
なぜ、いじめられた側が、逃げなければいけないんでしょう。
いじめた側を罰して、学校から排除するのが筋でしょう。
一見、中立そうだったり、被害者を思いやっているように思える意見も、よく考えると、加害者を利する流れを作っている、というパターンを、けっこう見かけます。
意見を言っている本人たちも気が付いていない、心の底の弱さの問題も、あると思います。