2025年06月06日 (金) 11:44
脱離事故についてISO責任論が流布されているが、まるでそのディスプレイ論に共感も納得も出来ない理由がある。
というのも、現にその脱離が起きるトラックのタイヤを扱う現場に居るから。
冬に多いのは、スタットレスへの履き替えが集中する事による作業ミスなので、これは締結方式の問題ではなく、作業上の問題。
作業上の問題をまるでISOだからと言ったところで、それは、JISの時に杜撰な作業をタイパと騙っていたから起きた話で、仮にJISでもナットが脱落したりホイールクラックを引き起こしていただろうから、程度の差でしかない。
単に表沙汰にならないミス、いわゆる氷山の水面下がそれだけ多かったから、ISOになったらボロボロ脱落が多発してんだよ。
そこを間違ってはイケナイ。
ソレに、では日本以外では起きていないのか?って言うと、普通に起きている。
単に責任論や勧善懲悪論で責任を問い詰める文化wだから騒いでいるだけ。
御巣鷹山事故の際にボーイングの関係者が日本から逃げたソレと根は同じ。
さらに、身近で最近発生した脱輪事案を例に言うと、コレJISだから、ネット評論家にすれば起きない事案なはずだ。
なんで起きた?
その事案において、その車両はタイヤ屋のデータには1年以上タイヤ交換やローテーションを行っておらず、確認に来た事自体が時間の無駄だった。
1トン半クラス以上の貨物車やバスは1年車検なので、タイヤ交換後に車検を受けているハズ。
しかも、大型なので定期点検も法定。
さて、一義的には運行前点検を怠った運転手と運行管理者の責任ではあるが、車検や点検を行っている整備工場へも問題が飛び火した。
ホイール脱落が1日の走行で簡単に生じる訳じゃないからね。
実際、整備において旧来の慣行による整備手順であった事もバレた。
この慣行手順と言うのが、車検や定期点検においてブレーキの点検や分解整備は定められているが、ハブ、ホイールナットの点検を省略して行って来た。
大型トラックの整備を行う工場へ一般の人が行く機会は稀だろうが、ふそう系を除く民間工場では、ハブからホイールを外す事なく、ドラム、ハブ、ホイールをゴッソリ着脱し、ブレーキ周りの整備をしている。
ふそう系、とくに認定工場だと、整備項目に厳格に対応しているので、バラバラにバラして点検、整備を行う。
20年前のアレの影響でね。
ふそう以外のディーラー工場でも、マチマチ。
なので、コスパだ、タイパだと煩い事業者の車両にはそれなりの整備時間しか割けず、あるいは慣行だからその時間内で「今まで通り」にやる。
すると、ハブやホイールの摩耗やクラック、ボルトの延びや亀裂、ナットの緩みなんかはスルーされ、件の脱輪へと繋がる。
これ、ISOだから起きてるんけ?
昨今の米騒動でJA批判しているそれと同じで、「ソコじゃない」のよ。
最近はUDがディスク化してホイール着脱が必須になった。
いすゞが大型に乗用車のドラムと同じくドラム面でホイールを受ける形に変更したので摩耗に対処しやすくなった。
ようやく動き出したって段階だね。
コスパやタイパを叫ぶ事業者がどこまで理解出来るのかって最大の問題にはまだ解決策がないんだけど。
これまでがこれまでなので簡単に変わるとも思えないので。
だって、ちゃんとそのとおりにやれば時間は2倍、こなせる台数は半分。
なかなかねぇ〜