『石化王に帰る国はない』 第一章を終えて(隠しネタの一部解説)
2025年02月04日 (火) 18:43
 例によって、ネタバレだらけです。

 第一章まで読んで下さったのでしょうか。活動報告に目を通していただいてありがとうございます。
 応援をくださった方には、感謝の気持ちでいっぱいです。
 また、少しずつ、なろうの読者の方も増えていて、とても嬉しく思っています。
 初見の方、わたしの活動報告、わりとネタバレ色強めなので、お気を付けくださいね。

<新章の状況>
 並行して、新章のプロットを作成中なのですが、読者の方はお判りでしょう。
 けっこう設定とか緻密に組んでおります。こうなると、ざっと決まっていたことはあっても、下調べが大変です。
 なるべく、早く執筆に辿り着きたいですが、構想を練り終わるまで少々お待ちください。


<隠しネタの一部解説>
 さて、今回のお話は下記の2点。

①リューファスの『聖杯の試練』
②この世界の本来の歴史とは?

 興味がおありでしたら、読んでいってください。
 しかし、自分で考察したり、推理したい方、読み解きたい方は、静かに戻るボタンです!
 作者の世界観解説とか、無粋だ! と言う方、まさにその通り! わたしもそう思います!
 そうじゃない方は、どうぞ、楽しんでいただけたら嬉しいです。


【①リューファスの『聖杯の試練』】
 実は、作中に隠されているかもしれないことがあります。それは何でしょうか?
 
 リューファスが受けた、聖杯を手に入れる試練について語りますね。
 まずは、『第30話 砂時計の間』です。 
 ここの砂時計の間は、第一の試練に当たります。
 もちろん、同じ試練をリューファスはかつて突破したはずです。本編だと、メッツァくんに任されていますね。
 謎解きを時間内に解くこと、かつ、間違った場合にはペナルティがあることを示唆されています。

 聖女リリーによると、死体の消し炭を調査して、「温度によって違いますが、1000度なら数時間、4000度なら5〜10分で終わりですね」との計算を出しています。
 つまり、正確な温度は不明ですが、ペナルティで相当火力で一定時間、閉鎖空間に閉じ込められて焼かれる可能性が高いわけです。焼け死ぬし、有毒ガスもヤバそう。こんなの火葬場じゃん。

 で、他の試練は、第二の試練が『力の間』で守護者である炎の巨人と対決(32話にて示唆)。最終となる第三の試練が、聖なる炎に焼かれながら、その精神性を、歴代の巫女に試されること(50話にて示唆)でした。

 各々に費やした時間は不明なのですが、全体に掛かった時間を判断できるものはあります。

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 結果から言えば、リューファス王はわずか半日で帰還した。リューファス王が姿を現した時、その鎧は焦げ、全身は煤けていた。それでも、青い瞳には曇り一つなく、その手には、確かに聖杯が握られていた。
 『第33話 ヘカーティアの回想③ より』
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 へえ、半日かかったんだ(半日、けっこう振れ幅多い表現だけど)
 焦げてるし、煤けてんだな。まあ、どの試練も焼ける可能性あるからおかしくないか。
 ……ん? 浮上する疑惑。
 王様、あなた、どの試練にどの程度、時間かかったん? まあ、ご想像にお任せします。


【②この世界の本来の歴史とは?】
 この世界が本来辿るはずだった未来。
 クロトが、エピローグで少し話してますね。このエピローグは少々、難解だったかと思います。
 話としては、アラクネの女王クロトが、マフェットを遣わし、なぜリューファスを手伝ったか。その動機を示唆するものでもあり、この物語のある種の真相を示唆するものです。

 そのなかで、触れられている事柄に、下記のことがあります。

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 本来の歴史のままなら、ヘカーティアは王妃とならず、新たな神格として顕現しただろう。それでも、クロトとしては問題はなかった。せいぜい、半島が犠牲になるだけに過ぎない。
 世界と共に、燃え尽きようとしたヘカーティアの成れの果ても、また美しかっただろう。
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 はい、本来の歴史では、ヘカーティアは王妃にはならなかったとのこと。
 その上、人類目線だと、相当ヤバいことが起きていたようですね。状況の前後は不明ですが、仮に黒龍戦後だとした場合、リューファスは死んでいますし、ヘカーティアが王妃でなければ蘇生の望みもないでしょう。

 今作の歴史改変は、『第25話 ヘカーティアの回想①』から発生しています。
 謎の影が、ヘカーティアに語り掛けてきたことがきっかけでした。以降、その受けた言葉を元に、ヘカーティアは己の行動や考えに変化に、引っ掛かるものを覚えていきます。
 これにとって、ヘカーティアとリューファスの関係性に変化が生じたとするのが自然です。

 なら、リューファスと結婚してたのは、もともとの歴史だと誰なのでしょうか?
 おそらく、ベスタルでも有力な人物であったことでしょう。政略結婚をするなら、相応の力を求められたはずです。かつ、リューファスの考えに賛同し、協力してくれる気質がある人物でなければなりません。

 この答えを出したうえで、作品を見返すと、その人物が今までしていた行動や言葉の意味がかなり違って見えてきます。
 果たして、その人物の『眼』から見たこの世界の状況や、大切な人の行く末はどのようなものだったのでしょう。

 これ以上は、無粋な気がするので、控えておきますね。
 実際に読んでもらった方から、活動報告に隠しネタ解説が必要なんじゃないか、と提案を受けたので書いてみました。
 わたしは、こういうのいらない気もするのですが……。
 また、気が向いたら書くかもしれません。その際には、よろしくお願いします。
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