2023年03月26日 (日) 21:14
フロム・ザ・シーでもエア・シー・バトルも、エア・ランド・バトルも対地攻撃ヘリがあると便利だよなぁと思うのよね。
とは言っても、実用ヘリは38年開発のFw61や45年量産のR-4/R-6を待たないといけない。日本の特殊蝶番レ号も殆ど実用ヘリの水準を満たしていたわけだけれども、間に合わなかった。
なんで、対地攻撃ヘリなんて話が出て来たのかと言えば、対地支援用強襲揚陸艦という概念を考えたとき、先述しているのだが、史実における戦後強襲揚陸艦というそれではなく、千歳型/日進/瑞穂などの水上機母艦とキエフ級重航空巡洋艦というそれが思い浮かんだのである。
史実レキシントン級航空母艦は真珠湾攻撃前後までは8インチ主砲を艦橋の前後に連装4基搭載していた。日本の赤城/加賀も8インチ砲を舷側に6-10門装備しているが、それらと違って蒼龍原案と同じくガチで撃ち合いをする前提の巡洋艦的な装備である。
けれど、航空母艦に8インチ砲を積んで殴り合いをするというのは些か無茶が過ぎるわけで、もう少し最適化したモノをでっち上げる必要があるし、米帝様も無能でも馬鹿でもないから、真面目にそれ相応の艦をでっち上げるのではないかと思う。
そこで、思い浮かんだのが千歳型/日進/瑞穂などの水上機母艦とキエフ級重航空巡洋艦である。まぁ、航空巡洋艦の最上という考え方でもそれほど間違いではないからそれでも構わないのだが。
対地支援攻撃をするとなれば、最低でも6インチ程度は欲しい。よって、サイズ感としては概ね基準排水量で10,000t程度の条約型重巡サイズが望ましく、これに適合するのが上記の艦であった。
また、千歳型以後の水上機母艦は甲標的母艦運用も前提としていたことから艦尾水線上に甲標的発進口が装備されていて、ここから甲標的を運用可能であった。また、甲標的の代わりに特大発を12隻運用出来る。この特大発は戦車1両を積載可能であり、最大で12両は搭載可能となる。
日進に至っては14cm砲を搭載していることもあり、尚のこと理想的と言えるだろう。水上機運用能力の代わりに対地攻撃ヘリを搭載出来れば申し分ないそれだ。
ハコモノは適当なモノがでっち上げられそうであるが、残念ながら対地攻撃ヘリという便利なツールが出来る土壌が存在しない。
日本の場合、シコルスキーが正統ロシアに移住して、川西に顔を出すようになったからヘリ開発は加速しそうであるが、逆にシコルスキーがいなくなった米帝様にヘリ開発のフラグが消し飛んでしまった。
駄目じゃん、これ。
米帝様、通常航空機でなんとかするしかない状態じゃんよ。やっぱミッドウェー級相当の大型装甲空母と双発艦上重爆を志向した方が良さそうだな。
時期的にはハバロフスクかウラジオストクあたりでセヴァスキーの工場が出来てその辺の機体を開発しても不思議はないね。
恐らく、発動機は指摘通り瑞星(140×130)か金星(140×150)だろうな。P&W R-1830(140×140)のサイズ感からすると金星が妥当だろう。多分、「このはと」では金星五〇型を搭載出来そうな時期だから1,300馬力は発揮出来そうだと思う。発動機直径が膨らむ分いくらか空力特性が悪化することを見込んで概ね520-530km/h程度だろう。まぁ、それでも元から比べて20-30kmの向上は見込める。
ただ、かなり翼面荷重や馬力荷重のバランスが悪い。金星五〇型を積んで出力向上したとは言っても、F4Fの数字に比べても鈍重というイメージになる。馬力荷重が3.3→2.6になっているのは零戦21型と概ね同じ数字であるが、問題は翼面荷重だ。171.1→169.5と変化が乏しい。これはF4Fの141.9と比べて非常に大きい。
二式戦Ⅰ甲(1,250馬力)の2.2/184.6と比較対照すると速度で大きく負けているが、時期を考えると、まぁ、そんなもんかと思えば思えないこともない。
「このはと」九六式戦闘機が2.1/113.1で528km/hと考えると、P-35(金星搭載)はかなり微妙な性能ではあるな。ただし、12.7mm×2、7.62mm×2を装備するから火力では圧倒しているという点ではP-35(金星搭載)に軍配が上がるか。