Führerreich(総統の国)にドハマリして……
2019年09月24日 (火) 07:51
 またもドハマリしています。歴史戦略シュミレーションゲーム「Hearts of Iron IV」(通称hoi4)のMODです。しかも日本語訳されていないバージョン。自分でプレイしているわけではないのですが、設定を読み込んで、グーグル翻訳に突っ込んで、ひたすらニヤニヤしています。

https://syosetu.com/userblogmanage/view/blogkey/2361561/

 の前回の活動報告で触れましたカイザーライヒ(第1次大戦でドイツが勝利した世界観)のIF。つまりIFのIFという。まあとんでもなく回りくどい世界観なのですが、だからこそ面白い!

 まずカイザーライヒの世界では1925年のゼネストが成功してイギリス政府はカナダに亡命するのですが、そのとき内務大臣だったのがチャーチル。失脚してカナダで亡命生活送っているんですが、1937年に彼が書いた小説が「Führerreich」です。

 このMODはチャーチルの小説「協商陣営が勝利した世界」を再現したという設定です。

 つまり何事もカイザーライヒの世界観が前提となるんですね。カイザーライヒではアメリカは中立を保ったために、中央同盟が勝利しました。そこでチャーチルが考えたのは「アメリカが参戦すれば協商陣営が勝っていただろう」「そのための前提条件は?」

・1912年の大統領選挙で進歩党の元大統領セオドア・ルースヴェルトが勝利
・第1次大戦にアメリカが参戦

 という流れです。

 じゃあ史実と一緒じゃねえかと思いそうなものですが、そう簡単ではありません。アメリカが参戦して勝利するところまでは一緒ですが、これはあくまでカイザーライヒの世界観を前提にした協商国が勝利した世界観。

 なので1936年の段階で(以下英語版のウイキから)

・史実より徹底的にドイツと中央同盟が叩きのめされる。
・イタリアは未回収のイタリアを回復
・英仏が植民地政策や欧州政策で対立深めて決別
・バルキズム(ナチズムの非カトリック色と復古主義をより強化した感じ?)なる思想を掲げる「アダム・ドレクスラー」率いる独裁者に支配されるドイツ
・カイザーライヒの世界ではロシア内戦で白軍が勝利しているけど赤軍が勝利1936年段階でレーニン存命で、後継争い(右腕のトロッキー、中央集権派のモロトフ、自主性を高めるべきだとするブハーリン)が激化
・セミョーノフ率いる協商陣営が支持する極東のロシア共和国
・イギリスは1931年のウェストミンスター憲章制定に失敗して自治領と本国政府との暗闘
・ノルウェーは議会共和制に
・ファシスト?軍事体制のオランダと、ギアナに亡命した王党派政府。そしてまだ生きているアルベール1世のベルギー
・バルト連邦というソ連の属国と強大なポーランド
・チェコスロバキアは1931年の革命でチェコとスロバキアに分裂
・影も形もないハプスブルク(オーストリア共和国、ハンガリー共和国)
・見る影もないけど残ってるオスマン。だけどギリシャ王国に押されまくり
・いつも通りの日本
・いつも通り分裂している中国(奉天の張作霖、北京政府、南京国民政府)
・いつも通りのスペイン…じゃなくて、なんと4分裂ですでに内戦中。社会主義スペイン、共和制スペイン、王党派スペイン、カルリスタスペイン。
・内戦中のインド

 カイザーライヒの世界観知ってる人だとニヤニヤする要素がてんこ盛りです。

 フランスの大統領がポール・レイノー(以前ウイキを見たときはそうでした)というのもたまりませんが、今見たら大統領がルイ・マラン(保守派の中でもっとも右派と言われた人)、首相がナポレオン一族のミュラ(ジョアシャン・ミュラの子孫)になっててさらに個人的に歓喜。このコンビを持ってくるセンス、最高です。

 ラインラントの高等弁務官がポール・ティラードと史実のまんまかとおもったら、これですからね。たまりませんよほんと。

 アメリカ大統領がチャールズ・カーティスで、イギリス首相がサミュエル・ホーア(保守党)

 イタリア国王はウンベルト2世で、首相がルイージ・エイナウディ。史実のイタリア共和国の2代目大統領ですが、もう何が史実なんだかw。

 チャーチルの小説では共産主義のロシアとヴァルキズムのドイツと、アメリカの間で最終戦争が起こる場面で終わり「宇宙のどこかではこんな歴史があるかもしれない」というコメントで締めくくられますが、実に秀逸ですね。日本語訳もされていないので、海外実況者の動画を一時停止して地図を確認しつつニヤニヤしながら連休を過ごしました。

 こういう自由でありながら完成度の高いMODのストーリを見ていますと、自分の凝り固まった固定観念を思い知らされますが、同時に「なるほど、こんなに自由に考えていいんだな」と、一作者として気分が楽になりますね。

 いろいろとご無沙汰になって大変恐縮です。頑張ります。
コメント全2件
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神山甚六
2019年09月25日 14:05
>巻神様の下僕様
ありがとうございます。このMODの存在を知ったときは、もう本当にわけがわかりませんでしたw。
実際にプレイしたわけではないのでアメリカの国力はわかりませんが、協商陣営の覇権確立というのはおもしろいですね
悲劇的な協商陣営の破綻というカイザーライヒの世界観の反動なんでしょうけど

>後は民意をコントロール出来れば……
今までいろんな勢力や国家がやろうとしましたけど、結局はしっぺ返しをくらってる印象がありますね。直接的に押さえ込もうとすると、一時的には押さえ込めても反動が大きい。ある程度誘導できたと思ってもとんでもないところで噴出す。
ロマンは大事ですよね

基本的にどのMODでもあまり立ち居地の変わらない日本w
なんでレーニンが長生きしているのかと思いましたが、カイザーライヒでは暗殺事件が成功しているので、その反動なんですよね。このあたりが上手いなと思います。
オランダが南米亡命wって最初は思いましたけど、ポルトガル考えればそれほど突拍子もないのかなとも
ノルウェーに厳しいのはパラド社の陰謀だ!(偏見

お薦め出来るほどpcゲームには詳しくありません(汗)
頑張ります。
ここまで来るともう何が来るのか分からん状態ですな。
それでもアメリカ一強だとは思うけどさ。
要は基礎工業力と生産力と人口ではないかと?
後は民意をコントロール出来れば……

でも、そんな事を言ったらロマンは無いな。

あたい的にはポーランドとオランダが…… 無理か。

極東ロシアと日本の組み合わせが面白いかも。
それにノルウェーが気になるな。

しかし、環境が整わんからPCゲームが出来んのじゃ!!
早くエルダースクロールの次が出ないだろうか?

お薦めは何かないかのう?