2016年03月05日 (土) 17:43
2011年2月に、その第一巻『Second Hand! −繰り返されるアヤマチ−』の更新をはじめて、『小夜風藍』として活動を始めてから、5年が経過しました。ネット上で公開している作品を元に、いろんな創作家さんたちと交流する機会をもつことが出来ました。
5年の間に、日本にも、日本を取り巻く世界にも、いろいろな変化がありました。しかし、核のゴミを処理する問題や、戦争や紛争の問題は、形を変えながらも未だに残っています……。
掲載をはじめた当初、高2だった私は、今では無事、大学を修了する時を迎えました。簡単に振り返ってみようと思います。
何せ高校生という閉鎖空間は、今思い返しても、異様でした。知識ばかり増えて、世界の醜さがよく目につくようになったというのに、苛立ちや不信感がつのるばかり、何もできやしない。この世界は恐ろしく間違っていることがわかる、だけど、今のところかろうじて存在している。どうして存在していられるのかまでは、説明できない。言いしれない不安と不満で、憂鬱でした。理系の道を進んだせいで、近代史についての学びの機会がほとんど無かったことは、さらに私の中の混乱を大きくしていました。(少なくとも、科学の進歩と誤った政治によってもたらされた『負の歴史』くらいは必須で、授業でその詳細まで学んでおくべきだと強く思います…)
5年たった今、昔と変わって何か出来るようになったのかといえば、ちょっと考えてしまいます。しかし、行動範囲が学校の外にも広がったことで、確実に思考回路が変わりました。やりたいけど自分には出来ていないことを、先頭に立ってしてくれている人たちがいて、救われている社会の一面があることを知りました。正しい行いに努めている人々に寄付することで、少なからず協力できる仕組みもあることを知りました。微力だけど、無力じゃない。平和を望んでいる市民の底力を目の当たりにする出来事もありました。心の持ち方、ものの考え方が大学生になって大きく変わりました。と同時に、情報を吟味する力を鍛えることもできました。
多くの成長を経た今、小夜風藍としての活動は終わりにしよう、という結論にいたりました。小夜風としての執筆活動は、黒々とした思いにスポットライトをあてて文字にすること、闇の只中でもきっと光はある、その光を探し出すことにありました。申し訳ないことに、第2巻の連載は第八章(2)をもって終わってしまうことになるのですが、それまでの過程でも、闇のなかの光を随所で描けたのではないかと思います。
今後は、執筆活動は違うネームで、全く違う話を、本来書きたかった話を書いていくことになります。暗い高校時代のおかげで、長い間、暗い雰囲気の話しか書けなかったんですが、2年前から、私の変化と共に、書ける領域も変わっていきました。ネット上ばかりでなく、これからは創作イベントでの出店販売にも軸を移して、より形に残せる執筆活動に取り組んでいけたら、と思います。上手くいくか、いかないかは五分五分ですが……まずは、今年11月にあるイベントに出店するために、ベストを尽くす予定です。
今まで、長い間ありがとうございました。このページも、小夜風藍という名前も、広いネット上の端っこに、このままひっそり残しておこうと思います。小夜風藍の代表作でもある、『Second Hand! −繰り返されるアヤマチ−(完結済み)』は特に、メッセージ性の強い作品で、だからこそ残していようと思います。
問題は、完結まで持っていけなかった『Second Hand!! −こわれた境界線-』の方なんですけどね…。私としては、作品として書けなくても、モヤモヤしている種の部分を、その結末だけ明かしたい気持ちがあります。(詳しくは次の活動報告、『連載中断についてのお詫び』にて)
本当に、小説家になろうにて活動出来て良かったですし、こうしてふり返る機会が持てたことを、幸いに思います。大学を卒業しても、高校生の私が確かに持っていた感性は見失わずにいたいですし、また作品を見返して、誤字脱字の手直しくらいはしているような気がしますw何より、創作できる人でありたいと思います。