2018年04月03日 (火) 21:07
いつも作品を読んでくださってありがとうございます!
本日、紅茶師の2巻目、発売日となりました♪
実はあとがきで、小話を書きますと宣言してまして、それをこちらに掲載します。
内容としては、2巻に書き下ろした番外編のその後です。お読みいただかないと「なんのこっちゃ」な部分がありますのでご留意くださいませ。
少しでも楽しんでいただけたら幸いです!
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最近、お城に犬ブームが到来した。
「トカゲ舎で飼ってるキルスとロンがお気に入りだな、俺は」
「キルスはいつ会いに行っても、愛想よく尻尾振ってくれるからなぁ。あれが可愛い」
「俺はロンだな。気に入った人間だけに懐くのがいいんだよ。特別感があっていい」
喫茶店にやってきた騎士さん達が、そうしてお城の中で飼われている犬の話題を口にするようになった。
特に第五部隊の人達が、犬ブームの中心なのには……さすがに察しました私。
先日の、クー・シーの子供を見たからですね?
私もあの子クー・シーを見て、犬が飼いたいなんて思ってしまった。
……その直後には、団長様がしたとんでもない行動のことを思い出して、壁に頭をぶつけたくなるんだけど。
とにかくそのおかげか、私は犬を飼いたい衝動が収まってしまった。
第五部隊の人達は、子クー・シーを触れなかったせいか、犬欲が溜まったままになってしまったらしい。
そうして城内の犬を眺めたり、かまったりし始めた上、おやつをあげに行っているようだ。
でも、それが問題になることもあるらしい。
「……犯人はあなたがたですか」
ぎぎぎっ……と喫茶店の扉が開き、怖い表情のイーヴァルさんが顔を出す。
私も含めた全員は、一体どうしたのかと
「それどころか、厩舎の猫のアガサ達にも餌をこっそり与えているでしょう。おかげで太ってきて、問題のネズミ捕獲力が落ちているのですよ。ネズミが増えてきていると苦情が出ています!」
「えっ……」
第五部隊の騎士達は、ようやくしまったという顔になった。
「太っても可愛いからいいかと……」
「ネズミとれなくなっても、俺が部屋で飼えばいいかなって」
「おい、独り占めする気だったのかよ!」
「あなた方、猫さんには仕事があるんですよ!」
イーヴァルさんが「猫さん」呼びしながら話し合いに割って入る。
私は「か、関係ないもんね?」と思いながらそろそろと席から離れたのだけど。
イーヴァルさんと一緒に、団長様が喫茶店に入ってきたことにその時気づいた。
「あ、団長様、お茶はいかがですか?」
「一杯もらうが……」
喧噪から少し離れた席につきつつ、団長様が言う。
「お前は犬や猫に、あまり構いに行かないな?」
「はぁ。可愛いですけれど、みんな厩舎の人とかにきちんとわれていますし、たまに遊ぶくらいにしないと独占欲が湧いてしまいそうで」
他にちゃんと飼い主がいる生き物に、そんな独占欲を抱いては犬猫の生活の邪魔になってしまいそうな気がする。
で、たぶんそれを抑制することなく開放したのが、太ったら俺が飼うと言っている騎士さんで、必死に抑え込んでいるのがイーヴァルさんなんだろう。
「そういえば団長様は、犬とか猫とか飼うおつもりはないんですか?」
竜のヴィルタちゃんがいるからかな、と思いつつ聞いたのだけど。
団長様はふっと笑って小声で返した。
「今は特殊な者を飼っているからな。十分に見てて飽きないし、私は満足している」
しっかりと私を見て言うので、
「あの、お茶入れてきます!」
恥ずかしくなった私は、慌てて団長様から離れたのだった。
うっちー先生
なんとコメント書き込みありがとうございます!!
すいません体調不良で、ご返信が遅れに遅れておりました……。
よかったと言っていただけて、目からしょっぱいものが出てきます……。
ご購入も読破もありがとうございます!喜んでいただけて本当にありがたいです!
うっちー先生の4巻も応援しております♪
hunting ground さん
コメントありがとうございます♪
もし結婚するとしたら、マジで首輪作りそうな予感もありますねw
感想いただき感謝申し上げます。
roselyork さん
コメントありがとうございます!
可愛いは正義!そして計画的に肥満にさせようという腹黒い騎士がw
愛情と節度大事ですよね♪感想頂き感謝です!