2012年10月14日 (日) 00:04
突然だが、皆さんは知っているだろうか。
しなやかな外枠、透き通った本体、そして最高級の性能を持つあの伝説の装備品を……
それは暗黒の世界に一筋の光が射すかのような奇跡。
それを手に入れた者は今までの力が何十倍にも膨れ上がり、ありとあらゆる全てを見通す力を手に入れるという。
誰しもが欲して止まず、人々はこれを求めて神を祈る。まさにそれは一種の神聖さを併せ持つ秘宝と呼べるものであった。
だが皆は見落としていた。
良い面があれば、必ず悪い面もあると言うことに……
あるところについにそれを手に入れた青年がいた。
彼は感激のあまりにむせび泣き、神に感謝する。
彼はそれを手に入れてから人生が劇的に良いものへと変わった。
そうして秘宝を使いつづけた結果、ある日彼は一つの事に気がついた。気づいてしまった。
……彼は自分を無くしてしまったのだ。
周囲の人間は彼を秘宝の名で呼び、秘宝の有無で人物を判断する。
秘宝を身につけずに人と会えば知らない人扱いを受け、試しに秘宝だけ椅子に置いといたら誰も自分がいない事に気がつかない、それどころか秘宝に話しかけだす始末である。
そう、その装備品は強力な呪い……人の存在の一部として入り込み、存在を乗っ取る力を持っていたのである。
しかし現代日本には呪いがあろうと、いや呪いさえも含めて秘宝を愛しつくす集団がいた。
今回の短編は……知られざる彼ら、「メガネ部」の活動内容についてのお話である。
追伸:なんかすみませんwww