『かなたのぼくから』が完結しました
2019年04月30日 (火) 20:25
平素より大変お世話になっております。
月山 蛍です。
この度『かなたのぼくから』が完結しましたのでご報告いたします。


本作は「ぼくといぬ」という副題がついた短編からはじまる短編連作集の形態をとっています。
この副題は、とある友人から「お題」としていただいたものをそのまま使いました。
当然、その友人が一番最初に読む読者になることを意識して、その友人に「刺さる」内容にしたいとあれこれ考えた結果、副題からするとちょっと「斜め上」な現在の内容になりました。
その友人はこの短編をそれなりに気に入ってくれたようで、その後を「ぼくと○○」シリーズと銘打って続けることにしました。
メインタイトルが『かなたのぼくから』というタイトルであるにもかかわらず、副題が「ぼくと○○」という形式になっているのはそんないきさつがあります。


そんなわけで、本作は「読んでくれる誰か」を意識した作品としてスタートしたはずでした。
ただ、「ぼくとからす」以降は僕が書きたいものを書くスタイルになったと思います。
今見返してみると、僕自身でも雰囲気が変わったなと感じます。
まぁ、それでも書きたいものを書きたいように書いたので後悔はしていませんが、最後まで「読んでくれる誰か」を意識して書き続けていたら、また違った形態になっていたのかもしれません。
それはそれで、重たくなりすぎたり、面倒くさい内容になったりしたかもしれませんが…。


とはいえ、作中で使った

ぼくは天文学者だ。
手に取ることができないものの美しさを、力強さを、かけがえのなさを信じる事ができる。

というフレーズは、自分でいうのも変ですが結構気に入っています。
僕自身は天文学者ではありませんが、とある天文学者の先生が書いた言葉を参考にしました。
もともとは天文学の魅力について書いた言葉だったのですが、非常に印象的だったのでそれをさらに大袈裟にして作中で使っています。
結果的に、このフレーズが作品全体を通してのテーマになったので、僕自身は満足しています。


完結にこぎ着けるのに一年近くかかってしまいましたが、平成のうちに完結させることができて今はホッとしています。
短編以外で初めて作品を完結できたわけで、「まずは作品として完結させること」を目標にしてきた僕としてはまずまずの及第点です。
それでも、作品全体での文字数は46,000字ほど。
文庫本一冊がおよそ100,000字程度であることを考えると、「長編」を名乗る作品を完結させるにはまだまだ力不足だと感じています。
今後も肩肘を張らずに、書きたいものを書き続けていきたいと思っているので、見かけたら読んで頂けると嬉しいです。

今後ともよろしくお願いいたします。

月山 蛍 拝
コメント
コメントの書き込みはログインが必要です。