2023年09月05日 (火) 06:59
付け足し完結!!
『離縁は決して走らない』
離縁は激怒した。
必ず、かの白い結婚の王を除かねばならぬと。
離縁には政治はわからぬ。
王は人を殺すと言う。
王妃を愛さないと言う。
ならば、白い結婚とはなんなのだ。
初夜の血痕は赤いものだ。
だがそれは、王妃を殺し文句で殺して得るものだ。
「呆れた童貞だ、生かしておけぬ!」
単純な離縁は、単身、王の下へと向かう。
「王よ! 白い結婚はやめよ! 今すぐ溺愛するのだ!」
「離縁よ。人はすぐ裏切る。特に貴族はそうだ。政略に愛は要らぬ。いずれ殺すか殺されるかだ。殺し文句では無い。溺愛など邪魔だ。」
「せっかく嫁いで来た女性を蔑ろにし、果ては冷遇する。最初の裏切りは、王よ、あなただ!」
「何を言うか。儂も始めは愛したのだ。丁寧に贈り物をし、エスコートを行い。口説き文句は欠かした事はない。だが、どうだ。束縛が重いとの理由で、騎士と浮気した。最初の女は追放した。何も持たせずにな。」
王は自嘲した。乾いた目には光るものが見えた。
「それでは、次の女性はどうしたのだ? 王は人を殺すと聞いた。」
思わず離縁は少し冷静になって聞いた。
「次は、生粋の貴族女性はやめ、平民出身の男爵令嬢を側妃候補として娶った。正妃を見付けるまでの、据え置きとして。ビジネスライクに接していたが、人として尊重していた。だが、何故か仕事人間になってしまい、この国を改革しようと躍起になったのだ。身分差を無くすのはまだ早い。何度止めても彼女は止まらず、仕方なしに療養との名目で離宮に居る。あくまでも期間限定の措置だ。しかし、納得はしていないのだろう、儂の悪い噂を市井に撒いている。」
王は、死んだ魚のような目をしてそう言った。
溜息はひどく重かった。
「……それでは、次の次の女性は?」
最早離縁は覚悟した。最後まできちんと話を聞き、丁寧に王を労わろうと。
「嗚呼。次の次は、隣国にいる、儂の再従兄弟の子供のまた従姉妹だ。ひと回り年下のため、現在貴族学院に通っておる。……そこで最近出会ったそうだ、真実の愛とやらに。」
離縁は言葉が無かった。
その後、離縁は王に丁寧に心から謝罪をし、二人で朝まで飲んだ。宴はさらに三日続いた。
全てを忘れるには、それでも足りなかった。
そうして、離縁は王と寝室を共にした。
翌朝、腕枕で起きた離縁はひどく赤面した。
合縁奇縁とはこの事である。
(完)
◯●◯●
たまごさん、もっと卵キャラをアピールするために、
笑い声を「え〜っぐっぐっぐっ! え〜っぐっぐっぐっ!」
に、しようかと思います。
そうX(旧Twitter)でエクスゼス(旧ツイート)してたら、いいね!がついてたので、しばらくそうしようと思います。
え? 夏休みの宿題はどうしたかって?
さすレタですよね。
まさかね、大人の夏休みの宿題中に、なろうの異世界転移転生ランキングが、混ざるって事態になるとは思いませんでした。
また歴史が変わるんだ……!
ところで、寝る前に思い付いたのをエクスゼスしたので、記録的に残しておきます。
『婚約破棄はつねに』
「婚約破棄、お前だったのか。いつも悪役令嬢を断罪していたのは。」
王太子が駆け寄ると、婚約破棄はぐったりとなってうなづきました。
東に悪役令嬢あれば婚約破棄をし、西に男爵令嬢いれば婚約破棄をし、北の宰相が暗躍すれば婚約破棄、南の辺境伯は破棄された令嬢を娶り。婚約破棄は疲れ切ってました。
「人はどうして、せっかく婚約を結んだのに、婚姻しないで破棄するのでしょう。」
以前、婚約破棄が話してくれました。
王太子は、その時は不思議に思いませんでした。
だって、貴族は政略です。領地の為になれば誰とでも婚約して、誰とでも婚姻します。そうして営んで来たのです。
「この頃、真実の愛とばかり聞くのです。人の間で、流行っているのでしょうか。だとしたらどうして……どうして、婚約者を冷遇するのでしょうか。私には、わからないのです。」
今思い返せば、婚約破棄の言う事は、王太子が、王太子達貴族の人間が、失くしてしまった何か大切なことな気がします。
婚約破棄の亡骸は、風に乗って、さらさらと流れていきました。王太子はそれを追います。流れの先には、修道院がありました。そこには、断罪され、追放された悪役令嬢がおりました。常に高慢で攻撃的な令嬢は、清らかな光に包まれ、慎ましく祈りを捧げておりました。王太子は近付いて聞いてみます。
「貴女は、婚約破棄される前と違うようだ。一体何があったのか。」元悪役令嬢は答えます。「婚約破棄をされて気付いたのです。愛も政略も人の営み。人の営みを回し過ぎた為、婚約破棄を酷使していた事を。お願いです。婚約はせずに、婚姻のみ、届けてください。憐れな婚約破棄の為に」
王太子は願いを聞き届けました。
その後、王国では婚約破棄は無くなりました。
王太子がやがて王となり、その子供がまた王となる時、離縁と白い結婚が駆け巡り、酷使される事となったのは、また別のお話となるでしょう。終。
寝る前って、急にネタが浮かぶよね。
苦手克服で、連載チャレンジ中です。
で、なぜか、短編が浮かびましたので、いくつか投稿しました。
そんな八月でした。
それでは。
え? 連載が途中?
そ、そのうち……。ほら、あそこに……!
「え〜っぐっぐっぐっ! え〜っぐっぐっぐっ!」
●◯●◯
『離縁は決して走らない』、笑いますたwww
〉付け足しまでお楽しみいただいて!!
ありがとうございます!!
衝撃のラストには堕罪センセーも御満悦でせうw
〉衝撃過ぎて、めっちゃ怒られそうな案件ですね笑
……そして、『李淵は決して奔らない』とすると唐朝建国の歴史物語に!www
〉此処に、新たなる歴史物語が!!(しない)