2019年06月07日 (金) 00:02
本格的な梅雨の気配が列島を覆わんとしている今日この頃、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
前回の活動報告を書いてから48時間も経過していないのにこの入りが必要なのかどうか疑問を覚えていますどうも私です。
今回は二章についての話ということで、前回のネタ度高めと比べると真面目寄りです。
前振りも短めにして本題に入らせていただきます。
・第二章について
『第二章 空を切り裂き地を駆ける』が終了いたしました。……ええ、一章より短くするつもりが普通に超えました(76話)。一話当たりの文字数も増えているので、実際の分量は見た目の話数以上に増加していると思います。いったい何がいけなかったのか……
二章で予定していた伏線や前振りは全て設置、回収できました。一部回収しきれなかった伏線(シーの視点からはわからないもの)に関しては間章で補足するつもりです。
二章は謎を解ききれずに終わりました(全部解ける段階にシーがいない)ので、一章よりも補足分は多くなっています。うまく本編に組み込めればいいんですが、その技量が作者にはありませんでした……精進いたします。
余談ですが、あとがきに伏線仕込んだり活動報告の記事と微妙にリンクしている内容があったりするので暇潰しがほしいようでしたら探して見るといいかもしれません。
・暗喩について
一章からのものも含めて、二章で張ったり回収した暗喩や前振りは無駄に多いです。複数の意味を込めやすかったというか『水晶=最期の絶叫』みたいな暗喩を入れやすかったこともあって、やりすぎました。「もしかしてこれ暗喩か?」と思ったらたぶん大体暗喩です。考えすぎだと思ったら逆に大体暗喩です。もちろん、作者が思い至っていないものもあるかもしれませんが。
数が多い上に複雑なものもあるため全ては解説しきれませんが、いくつかは解説回で触れさせていただきます。
わりと反省したので、次はもう少し絞ってすっきりさせようと思います……
・WWR編について
まず初めに、ミリタリー系に造詣が深い皆様、申し訳ありませんでした。
WWRという特殊なゲームを前提とした機体や戦闘を書きましたが、それにしたところで詳しい方からすれば「ここおかしいだろ」という点が相当見受けられる……のではないかと思います。
自信がない言い方になってしまいましたが、正直知識が浅すぎてそういった点がどれほどあるのかすらわかりません。こういう話も書けるようになっておきたいと思い調べつつ話を作ったのですが……いやほんと、ミリタリーは沼ですね。調べても調べても知らない情報が増えるといいますか、知らない情報の説明に知らない情報が出てくるといいますか、ゴールが見えなかったです。
空の入り口だけでこれとは、ミリタリーは奥が深いです……
・『魔女が与える鉄槌』について
えー、あんだけ書いといてなんですが、作者は中世ヨーロッパ史に関しては超がつくほど門外漢であることをご理解ください。調べつつ作りましたが全てがあっているとは限りません。あたった資料に間違いが含まれている可能性もありますし、単に作者の理解や知識が足りていないこともありえます。
なので、本編内の情報を鵜呑みにはしないでください。査読を通った論文ですら間違いが見つかるのが学術の世界ですから、誰の査読もない文章なんてどれほどの間違いが含まれているのかわかったものではありません。
そもそも、魔女狩りや魔女裁判はともかく魔女に与える鉄槌自体の研究はあまり進んでない感じがありますし……完全敗北先輩単独著作説って、実は一番最初にこの本を研究した方が主張したのがそのまま定説化しただけなんですよね。言い切れるだけの明確な根拠はないのです。
これ、歴史学によくある『最初に言いだした人の主張をなんとなく前提にしてしまいいつのまにか定説化する』現象です。研究史とかみてると結構同じパターンが見つかります。そしてその内「それっておかしくないかな?」と誰かが言い出して議論が起こります。このとき新しい史料が出れば何らかの結論が出たりしますが、まあ、そんな都合のいいことはそうそうないですね。多くの場合は2、3個の可能性が挙がって「いろんな可能性があるから断言はできないね」というアバウトな結論に落ち着きます。そうなったら新しい史料が見つかるまで放置です。
理系の皆さんごめんなさい。この曖昧な結論が文系なんです。下手に断言すると謎の力で色々と消される世界です。具体的には提出した論文がシュレッダーに呑まれて消え去ります。気をつけましょう。
外国語資料に触れていないのでここ最近の研究状況はわからないんですが、魔女に与える鉄槌は今上のパターンでいうとどのあたりなんでしょうね? 新しい史料が見つかっていればいいんですが。
え? 外国語資料に触れてないってどういうことだ、史料にはあたってないのかって?
いや、その、ラテン語文献読めないんです。英語論文も無理です。それやりだすと投稿に年単位の時間がかかります。いくつか日本語論文読んだのでそれで許してください……
話が逸れました。こういうことしてるから本編も長くなるんですよ。学べ自分。
一応いっておくべきこととしてもう一つだけ。
本編はシーの知識を基にして進めているわけですが、その知識が全て完璧に史実に合致しているとは限りません。合致している必要もありません。
正直なところ、現代(私達が生きている方)において"魔女に与える鉄槌"に実は三人目の作者がいたとか、シーの解釈が間違っていたとかが発覚したとしても、それでカルシナでのクエスト運用に矛盾が生じることはありません。カルシナが生み出された背景を考えれば、その程度で矛盾が出るわけがないのです。
・いただいた感想について
二章を書いている間、新規に読み始めてくださった方がかなり増えたようでとても励みになりました。一章の頃からお読みくださっている方も併せて、本当に支えになりました。
また、その影響か感想をいただくことも増えました。中には鋭い考察をされる方もいらっしゃり、情報絞ってるはずなのにここまで見抜けるとか天才かとビビりつつもやる気を刺激されました。
この場をお借りして感謝を述べさせていただきます。感想をくださった皆様、ありがとうございました。
・これから先の予定について
未定です。
いやほんと、未定なんです。三章も大まかなプロットはできているんですが、登場人物が増えすぎて整理に時間がかかりそうなんですよね……
リアルの方の事情もありまして、本気で見通しが立っていません。時間が経つにつれて見通しが悪化するってなんなんだ本当に。
とりあえず解説回は近いうちに投稿しますが、その先は気長にお待ちください。
最後に、読者の皆様にお礼を。
ワルシナを応援してくださった皆様、そして本編を読んでくださった全ての皆様。ワールド・シナジー・パラダイムという作品がここまで続いたのはひとえに皆様のおかげです。
本当にありがとうございました。
それでは、今回はこのあたりで失礼させていただきます。
第3章が始まるのを楽しみにしてます!