2018年12月26日 (水) 14:54
こんにちわ。
某編集部の元社員です。実家の家業を継ぐために退職しました。
です。
今日は「引退競走馬の肉を喰う」です。
引退した競走馬を引き取り、老後を面倒見ていたんですが、老いには勝てず、愛馬が26歳にて天寿を全うしました。
皆、号泣でしたが、とくにうちの親父は「もとを取りもどさずに勝手に死にやがって!」と訳の分からないことをほざいておりました。
そこで「どゆこと?」とオイラが訊けば、「昔、こいつが競走馬だったとき、こいつに賭けて大損したんだ。まだその損を取りもどしちゃいねんだよ」と号泣してました。
「っていうか、引退後の食肉加工行きを救ったのはあんたじゃん!」と素直じゃないなと思いながら、馬子を業者に引き取ってもらうか、牧場内で解体処理するのかを牧場の皆で議論。
アイヌの伝統文化に習い、そのまま野ざらしにし、自然の神(カムイ)にその魂と肉体をお返しするという方法があるんだが、食肉業者を呼ばず、オイラはそれに従ったんだな。
新鮮なうちに腸や一部の赤肉を取り出し、この夜は星天井の下、ぱちぱちと焚火にあたりながら、馬子の人生を想いながら、皆で静かに肉を喰った。
肉は串焼きにしながら喰ったし、最後はシチューにして喰った。
感想といえば固いんだが、噛めば味がでてくるし、肉を噛みしめるたびに馬子と歩んだ人生を思いだし、それぞれが泣きながら肉を喰ってた。
この肉は文字どおり馬子の人生なんだと思う。
しばらくすると愛娘は「ごちそうさま」と泣きながら、馬子のところに駆け寄り、「素敵な思い出たくさんありがとう! お肉美味しかったよ」と馬子に抱きついたときは、オイラをはじめ皆、号泣したっぺ!
その後、革の一部をはぎ取った。
帽子や財布、いろんな意味で再利用するためだ。
その他はカムイに捧げるため、近くの森に運んで自然に返したんだな。
3カ月後には骨になる。
これは馬だけじゃなく、山羊や羊、鹿も同じようにするっぺ。
使い捨て競走馬の老後をみるのも、競走馬を生み出した人間の責任だと思う。
これはラノベ作家を生み出した編集者も同じ。
まあ、オイラは自分が面倒見たラノベ作家は、連絡を取り、再就職とかをあっせんしてるけどね!
あっ、ちなみにこのまえ、街に出て某チキンを買いにいったら、7歳の子どもが「山賊がいる!」といったので、「山賊じゃねえ、サンタクロースだ!」とついいっちまった。
それじゃあ、またね!