第46章『レーベリア会戦』解説 後編
2024年11月24日 (日) 14:43
 すみません、気づけば結構な時間が開いてしまいましたが、後編です。

 まずはリュクロム率いる十字軍の増援部隊について。
 これは完全にレーベリア会戦での戦力バランスを整えるためのテコ入れです。ネロは自分一人いれば敵がどんだけ強大でも対抗できると信じ切ってますが、『|黒の魔王(オーバーエルロード)』でクロノ一人と1:1交換で除去されるので、そもそもネロが大遠征軍を支える戦力として全く機能しない、と作者の私は分かってます。
 なので、ネロを除いた相応の戦力を揃えないと、ただでさえワンサイドゲームになるのに、会戦としての恰好もつかない蹂躙劇になるのはまずい、と思って無限に兵力湧いてくる十字軍の出番にしました。

 そういう打算も込みですが、ここで初期から登場していたリュクロムを指揮官に、あと地味にネームドの将になってるヘルマン男爵など、十字軍側のキャラも再登場させたかったのもあります。
 リュクロムが指揮官なのも、強力な新兵器山盛りの増援に、今後の趨勢を決める一大決戦、と重要な局面だからこそ、アルスも信頼する腹心のリュクロムに任せるだけの理由が成立するかなといった感じです。
 彼はすでにクリスティーナによって捕縛された、と語られているので、まだもう少し出番もあったりします。やっぱり最初の方に出てきたキャラは大事にしないと。


 ヘルマン男爵について。コイツは十字軍側の状況を分かりやすく説明するためのキャラだったのですが・・・ガラハド戦争を生き残り、グラトニーオクトの災厄を乗り越え、そして今回でレーベリア会戦を最小の犠牲で帰還した、最早歴戦の将軍といっていい経歴になりましたね。
 彼が前線を張ってた十字軍増援部隊をまとめて戦線離脱をしたことで、陣形に綻びが生まれて、そこから帝国軍の逆襲が始まる、というほぼ戦犯行動ですが、それを許すような体制を放っておいたネロの責任ですね。本編で語った通り、ヘルマン達にはここで命を張って戦い抜く意義はありませんから。

 方々からの寄せ集めと知りつつ全く統率しようとしなかったネロの大遠征軍に対し、同じく各国の寄せ集めだけど十字教を明確に敵として統一させたクロノの帝国軍とで、すでに軍組織としても明確な差があったということです。
 クロノでなくとも、マトモな将なら余所からの増援なんて、ちょっと旗色悪くなれば逃げ帰るだろ、という士気の低さも織り込み済みで配置するものでしょう。あるいは、自ら交渉したり褒賞を約束させて、ちょっとは頑張って戦ってくれるようにするための根回しなんかもしたり。でもそういう事を全くしようともしなかったのはネロなので、軍を預かるトップが仕事しなかったら、こんなとこまで影響出るのは当たり前だよねという話です。
 そういうワケで、ヘルマン男爵は今回も無事に生き延びたので、次もまた十字軍の事情を語ってくれることでしょう。


 飛行船、機甲巨兵グリゴール、ブラスターについて。
 十字軍の新兵器、勿論全部『白の秘蹟』製です。ジュダスが一晩でやってくれました。
 古代遺跡を利用して続々と新兵器を持ち出してくる帝国軍に対抗するように、『白の秘蹟』が提供したワケですが・・・すでに本編でアルスが疑っている通り、あまりにもお出しするタイミングが狙われています。
 戦力バランス整えないと、という作者の意志もありますが、それを作中で実行可能なだけの力を『白の秘蹟』が持っている、というのも事実ですので。
 アルスから見てもジュダスが何か企んでいるのは明らかなのですが、怪しくとも頼らねば帝国軍への対抗戦力が足りないので、あえて深くは踏み込まないでいます。元々、サリエルを派遣してくれたからこそ、枢機卿まで昇り詰められたアルスなので、どんなに怪しくてもジュダスには強く出れないところもありますね。

 これも本編で語られていますが、これら三つの新兵器は全て十字軍の現代魔法技術だけで量産可能な設計となっています。
 でも本来ならば現代の知識で設計することがそもそも不可能で、何でこれで動いてんのか、実際に製造している方もよく分からないレベルです。特にグリゴールなんかは、明らかに現代のオーパーツですよ。でも何か作れちゃうから作ってます。
 でもグリゴールないと、黒竜陸戦隊に全く対抗できませんからね。仕方ないことです。

 ただ飛行船とグリゴールについては、ちょっと思い入れのある元ネタもあったります。黒の魔王を語る上では外せない、大きな影響を受けたゲーム、『ドラッグ・オン・ドラグーン』では、ドラゴンに乗る空中戦での雑魚敵として、飛行砲台、というのがありました。浮遊砲台だったかも。
 気球に大砲がくっついてる、浮いてるだけで動かない、多少の反撃だけする的みたいな奴らなんですけど、飛行機以前の技術で実現させた空中兵器感があって結構好きでした。ただ並んでるだけのガーゴイルキューブより、雑魚的としても魅力的かなと。
 でも流石に飛行砲台そのままの形で出すとパク……感が出るかもと思って、もう少し進化させて飛行船にしました。多少は動けないと、天空戦艦と戦いにもならんですし。
 本当にただの飛行船だと制約が多すぎるので、そこは魔法の力でカバー。古代兵器なければ、実用化すれば覇権を狙えるほどの強力な新兵器ではありますね。

 もう一方のグリゴールは、中盤当たりの決戦シーン始まるムービーで登場する巨大兵器サイクロプが元ネタですね。これはガラハド戦争でタウルス出した時も同様の理由だったと、前に活動報告で書いたかも。
 なので、敵軍は一つ目巨人の巨大兵器いて欲しい、的なことですね。
 ゲームでは勿論、ドラゴンに乗って空中戦で倒しますが、ラグナの黒竜が加わったことで地上戦の正面対決となりました。この怪獣大決戦で戦いが始まるのも、大戦の派手な開幕に相応しいかなと思ってます。

 ブラスターについては、流石にこの辺で十字軍も銃をまとまった数採用しないと歩兵同士の戦いでも一方的になるなと思って解禁です。
 本編でちょこっと説明ありますが、弾薬の代わりのエーテルは、十字教司祭が補給する形式、機甲鎧の補給と同じ体制になってますので、軍事力に十字教が大きく関わる形となるので、十字教的には積極的に推進できる形式になってますね。
 これは書籍だけで読める、クロノが神兵のまま部隊率いてパンドラ侵略しにきた外伝で語られますが、このエピソードではクロノ含めて神兵は全員、ブラスターで武装しています。魔装銃(ブラスター)という黒魔法専用の試作型でした。
 この時点でジュダスはブラスターを用意できていたので、二年も経てば誰でも使える量産型の設計も完了といったところでしょうか。


 ローランと白竜エーデルヴァイスについて。
 ネロが自分に次いで戦力的な自信を持っていた理由として、この白竜部隊がありました。ただでさえ最強の俺が、黒竜と同等の力を持つ白竜部隊を抱えている、ってんですから大陸征服余裕と思っちゃうのも無理はないかなと。実際、ネロでなくても大陸統一の野望を抱いてしまうほど圧倒的な戦力です。
 ラグナの黒竜部隊は古代の拠点防衛の命令が働いているせいで、その場所を長く離れられないという制約がありますが、ローランの白竜部隊にはそういった制約がない、というのが一番の強みでしょう。
 エーテル補給の問題さえ解決できれば、どこにでも派遣できる最強の空中戦力です。制約がないから、戦略的な使い方が好きにできます。
 それほど貴重な戦力なので、ネロでも無理にレムリア海を渡ってアヴァロンへ帰る、とは言わなかったワケですね。白竜が戦いもせず、飛行距離の限界で海に落ちてロストさせるなんて、流石のネロでも許容しませんでした。

 本編で詳しく語られてはいませんでしたが、ローランは代替わりを続けることで、基本的に常に竜騎士としてアヴァロンに仕えていました。
 ローランと白竜部隊を維持するための古代遺跡が存続しており、現代でも秘匿され続けていました。正確には遺跡というか、当時から利用し続けている現役の施設と言うべきですね。
 レーベリア会戦後に白竜の存在が明らかになったことで、ミリアルド王が慌てて探している頃でしょう。

 古代の使命を受け継ぐホムンクルスのローランと、白いワイバーンに擬態できる本物の白竜。両者は適切に入れ替わりながら、アヴァロンに潜む十字教の秘密兵器として存続を続けていました。
 入れ替わるために、本物の白竜と、白いだけのワイバーンの替え玉などもちゃんと用意されていて、そういう工作をする時には、アークライト公爵を筆頭とした有力貴族の十字教徒が協力していたという構図ですね。

 ローランと白竜は隠れ十字教徒の中でもガチで貴重な本物の古代兵器ですので、その性能は圧倒的・・・だからこそ、本気出したリリィとベルクローゼンの相手になれたワケですね。
 もし大遠征軍に白竜部隊が、帝国軍に黒竜部隊が、それぞれ存在しなかった場合、グリゴール部隊はリリィとベルの2トップに率いられた空中戦力によって壊滅させられるので、戦力バランス的には白竜部隊は必須でした。地上と空中、どちらか一方でも大遠征軍が有利をとれていれば、帝国軍の損害は拡大したでしょう。

 ローランの代替わりは、転生ではありません。いわば同じ記憶を受け継いだクローンかロボットみたいなモノです。なので個人として連続性は、代替わりの度に途絶えていることになりますが、そもそもホムンクルスなのでそういった自己の喪失に関しては全く気にしていません。
 そして長い間そんなことを続けて、一度も気にしなかったからこそ、ローランは作られただけの道具に過ぎない、とリリィは判断しました。
 リリィはすでにホムンクルスでありながらも、サリエルにプリムと、明確な自我を獲得した者を間近で見てきているので。人との関わり合い、自分自身の経験によってホムンクルスは人間並みの自我を育てることが出来るのだと知っています。
 だからこそ、長い経験を経ても尚、使命に縛られる道具のままであり続けたローランを軽蔑と憐憫の半々みたいな気持ちで見ていました。
 ただ、最後は自分を倒すことこそ己の使命と断じて熱くなっていたローランを見て、その強い思いをもっと早く抱いていれば、あるいは違った道も開けていたかもしれない、と思いながらトドメのメテオストライクをぶっ放した感じです。
 ローランとしては、ゾアと同じように自分が納得できるだけの強敵を相手に全力を尽くして負けたので、悔いのない救われた最期だったと言えます。

 レキとウルスラの加護について。
 これのお披露目と同郷対決もここで詰め込みました。元々、ネロとの決戦の時にやろう、と思っていたので予定通りではありますが・・・尺の都合などで、戦闘シーンそのものはカットという、ほとんどダイジェスト版みたいな出来になってしまったのは、若干の悔いも残りますが、やはりこれが最善の形だったかなと。
 二人の加護の能力と、同郷対決となったウルスレイとレキトリウスの最期は、尺を詰めたものの書きたいことは書けたかなと思っています。
 この二人はネロの孤児院時代の友人であり、リィンフェルトの新しい逆ハーレムメンバーみたいな扱いでしたが、最期はそれぞれ自分の故郷と一族を思って倒れました。ウルスレイは、そりゃ希望があるならイヴラーム再興に尽くしたかったし、レキトリウスは獣戦士の力を思い切り振るいたかった、という自分の本当の望みを受け入れられたことで、メタ的に言えばネロやリィンフェルトの手下から脱した、という意味があります。
 勿論、二人はネロとリィンフェルトに恨みなどないし、純粋に友情や仲間意識もありましたが、同郷であり同じ力を持つレキとウルスラが相手だったからこそ、この最期を迎えられたということです。
 そして勝者となったレキとウルスラも、期せずして自分の故郷を強く意識する機会にもなりました。
 アーク大陸出身で、いまだシンクレアに救うべき故郷を持つ二人ですが・・・それとどう向き合うかは、これからのお話です。今回の加護と同郷対決は、それに繋げるために必要なイベントだった、という感じになります。


 それでは、いよいよ本題となるネロについて。これと関わって、リィンフェルトとサフィールについても語っていきたいと思います。
 前編でも語った通りに、当初は全く異なるプロットが存在していました。時期や設定など曖昧だったり齟齬があったりする部分も多いですが、先にどんな話の流れを考えていたかを明かしていきたいと思います。

 当初のネロ戦プロット。
 まずはネルとウィルハルトの婚約が成立し、早々に結婚式が行われることになる。
 この時点でそれぞれの思惑として、

 スパーダ王レオンハルト&アヴァロン王ミリアルド
『両国の関係強化のために必要な結婚だな。ヨシ!』

 ウィルハルト
『このまま結婚するとクロノに横恋慕拗らせてるネルに殺されるので、一計を案じて結婚式当日にクロノにネルを攫ってもらう素敵なイベントを秘密裡に実行するぞ』

 ネル
『ウィルハルトの策に乗りまぁす。クロノくん、早く私を攫いに来て(恋愛脳全開)』

 ネロ
『あんな野郎とネルとの結婚なんて絶対認めねぇ……結婚式ぶっ潰す』

 クロノ
『ネル、ウィルハルト、結婚おめでとう』

 という状況下で決行された結婚式にて、ウィルの策が実行されるよりも先に、ネロがやって来て結婚式台無しに。
 ネロが強引にネルを連れ出す・・・というところで、遅れたクロノがやって来て、
「よくも俺の親友の晴れ舞台を台無しにしてくれたなぁ・・・久しぶりにキレちまったよ・・・」

 となって、ここで第38章『引き裂かれる翼』と同じように、すでにネロが思っている以上に力の差がついてしまったクロノを相手に一方的にボコられますが――――ここで動いたのがサフィールで、ネルに向けて『紫害死線(ウルトラヴァイオレット)』を放って結晶化させます。
 その隙にボロ雑巾になったネロを連れて離脱し、後には結晶像と化したネルだけが残され・・・

 という状況の後に、なんやかんやあってクロノはエルロード帝国を、ネロはネオ・アヴァロンをそれぞれ興して対立。
 クロノは帝国の正当性をアピールするために、ネルを正妻に迎えると宣言し、結晶像のネルと結婚式を挙げ、結晶化の解除とネロ征伐のためにアヴァロンへ侵攻。
 アヴァロン攻略戦がそのままネロとの決戦の舞台にする、という予定でした。

 結末としては、ネルの結晶化解除のためには血の繋がった家族に呪いを移すしかない、という設定に従って、クロノは解呪のためにネロを捕縛してきて、捕まったネロも完全敗北してるので、もう諦めてこれでネルの命が助かるなら・・・と解呪のための生贄になることを了承。
 そんで恰好つけてネルのために結晶化を移されたネロは、結晶像になってからのことも見聞きして覚えているネルが、クロノに代わってネロへ制裁を実行。完全に結晶化すると同時に、突き飛ばしてネロの結晶像が木端微塵に砕け散って、妹に省みられることもなく無様に死ぬ――――というのが、最初に思い描いたネロの末路でした。
 クロノもネルが結晶像になってからのことを認識してると思っていなかったので、ネルが目覚めた瞬間から正妻気取りの態度で、クロノもネロも一緒にポカーンとなるシュールなシーンもありました。
 ちなみに結晶化の解呪は、ネルが頭の方から結晶化が解けていき、ネロは足の方から結晶化していくので、この途中で両者が会話することができる仕様になってます。
 だから、てっきり自分を助けるために犠牲になることを泣いてくれると期待していたのに、この国賊がぶっ殺してやるからな、とヘイト全開でネルに罵倒され困惑するネロを書きたかった気持ちもありますね。

 と、そういう感じで、当初の予定ではネルが正妻の地位につくはずでした。このためにアヴァロンがホントにミアの系譜であるという設定もあったし、ネルが本物の第一王女で、最も釣り合う立場にしていたのですが・・・本編では帝国の礎をリリィが自分で築いてしまったんで、やっぱりリリィがナンバーワンになりました。
 まぁ、嫉妬の女王と化したヤンデレ大戦を経れば、やっぱ一番はリリィにならざるを得ないな、という思いもあったので、悔いはありません。ネルだけ残念な扱いになってしまいましたが、正直、今の方が治まるところに治まって良かったのでは、とも思います。
 ネル正妻だったら一生、リリィとフィオナに下剋上狙われ続けますからね。最悪、帝国が崩壊しかねません。リリィが不動のトップを維持するほうが安泰というものです。


 以上のように、ネロとの決着の付け方だけでなく、ヒロインとの関係性、エルロード帝国の在り方、も本編とは違った形になりますので、中盤当たりでこの方向性は断念していましたね。
 結晶像のネルと結婚式する決断を下すクロノとか、書いてみたいシーンも色々ありましたが、うまいことこの状況を成立させるのが難しい、今後の十字軍との戦いの流れ等々、無理のあるエピソードだったなと。
 ちなみにこの話においても、リィンフェルトは普通にネロの彼女に治まってます。なんならリィンフェルトが、そんなに嫌なら結婚式なんかぶち壊しちゃいなよ、と焚きつけてるまでありますね。
 しかしながら、この話ではリィンフェルトよりもサフィールの方が目立つこととなるでしょう。本編で描いていた通り、サフィールは純粋なシャルロットやネルに対してかなりのコンプレックスを燃やしています。
 ネルを結晶化させたのは、ネロを助けると同時にネルがクロノの魔の手にかからないために致し方なく、という表向きの理由を語ります。実際、サフィールが魔眼ぶっぱしなければ、ネロはただ無様にボコられて終わるし、ネルはそのまま連れ戻されるし、という最も望まない結末になったので、流石にネロも納得せざるを得ないというか。
 次はクロノに勝ってネルを取り戻せばいい。取り戻したらネルを解呪する、とネロに希望を持たせつつ、ネルの完全排除を目論みます。
 勿論、サフィールが排除を狙うのはネルの他にも、幼馴染のシャルロットと今カノのリィンフェルトも同様です。アヴァロン決戦で恋敵全員を始末して、大切な女を全て失った後のネロに、自分だけが唯一残った愛される女になろう、というサフィールのヤンデレ計画も筋としてありました。
 残念ながら、本編では帝国軍VS大遠征軍という構図がメインになったので、サフィールの関われる余地は大分削られてしまいました。それでも一時、ネロの寵愛を受け、心の内を明かしてカイとシャルロットと戦えただけ、サフィールのすべきことは全てやれたかなといったところです。ちゃんと奥の手である『紫害死線(ウルトラヴァイオレット)』もお披露目できましたし。


 リィンフェルトについて。
 感想欄でもリンとリィンフェルトの正体って何だったのか、という質問もありましたので、解説していきます。
 とはいえ、本編で描かれている以上の意味合いは特にありませんが。

 ネロの本命、孤児院の少女リン。
 リンは純粋なアヴァロン民の両親から生まれてます。ですが、赤ん坊の頃に邪教の魔術師クロムウェルの転生体候補として人体実験を受けてから、セントユリア修道院に捨てられた、という経緯です。
 リンがネロとの鍛錬を続けた結果、クロノのような黒魔法と武技を操るようになりましたが、力の源である黒色魔力は転生体として宿したモノですが、魔法の操作や剣術なんかは生来の才能ですね。ただリン本人の魔力は一般人並みなので、転生体の魔力とネロとの出会い、両方がなければ才能が開花することはありませんでした。
 でもリンの才能、戦闘センスはクロノ並みなので、もしネロから『烙印王冠(スティグマクラウン)』を受けたら、唯天ゾアと同じくらいクロノを追い込める強さを発揮できたでしょう。まぁ、リンが生きていれば、ネロが使徒になることもありませんが。
 そういうワケで、リンに関してはクロムウェルが関わった以外の陰謀は一切ありません。アヴァロンの十字教勢力も関わりないし、実際に彼女を殺したローランも、あの場でネロを殺しかねないから排除した、という以上の理由もありませんね。
 恐らく、本当にネロがもっと強ければ救えた、と言える唯一の人物かなと思います。
 でもネロがリンを救うために一番必要だったのは、自分の強さよりも、素直に頭を下げて人に協力を求めることでしたけど。本気でネロがミリアルドに頼めば、自分の騎士候補として傍仕えを許してくれたでしょうし。ローランの護衛も遠ざけずに、常に近くに置いておけばクロムウェルを初手で斬り捨てて何とか出来ましたし。
 しかし、もし死んだネロがタイムリープしてリンとの出会いからやり直せたとしても、「俺の力が足りなかったから・・・」とか思って同じ失敗を繰り返しそうですが。本編の世界線のネロでは、死に戻っても転生してもどうにもならんですよ。


 で、リンの代わりであるリィンフェルトですが、彼女については本編で明かしていない情報も多少はあります。
 まずリィンフェルト自身は日本からの召喚者や転生者ではありませんが・・・母親が召喚者の日本人でした。そんでキャラはリィンフェルトそっくりなんで、コイツも逆ハー女主人公みたいな人生を謳歌してた、途中で死んだ感じです。
 そんなリィン母の逆ハーメンバーの一人が、若き頃のベルグント伯爵でした。なのでリィンフェルトの実の父親は伯爵であることに間違いはありません。
 ベルグント伯爵がリィンフェルトを溺愛していたのは、それだけリィン母に誑かされていた、もとい、愛していたからこそですね。
 一応、リィン母は元の世界においてクロノとは全く何の関係もない、ただの女です。この異世界がそもそも、稀に異邦人が転移してくることがある、という環境なので。全ての召喚・転生者が何かしらの関係性がある、ということはありません。
 ともかく、リィンフェルトは母親譲りの女主人公気質を受け継いだ容姿と性格、という設定で書き始めたキャラでした。まぁ、これだけだったら、まだ好き勝手に生きて行けたんですけど、ここに白き神の加護が加わったせいで・・・という感じですね。
 ただでさえ男から放っておかれない女なのに、戦争の勝敗を左右しかねないほどの強力な能力を授かったワケです。
 そんなリィンフェルトの罪は、やはり「大いなる力」に対して「大いなる責任」を負わなかったこと、ですね。リィンフェルトは徹頭徹尾、「私は戦争なんて嫌だけど、バカな男が勝手にやってることだから」というスタンスですし。
 最強の力で全て思い通りに行くと信じ切ってるネロと、戦争なんて知ったこっちゃないのリィンフェルト。こんな二人が大陸の趨勢を決める大戦争のトップですからね。もし帝国軍に勝ってエルロード滅んだとしても、速攻で大陸全土が泥沼の戦国時代に突入するでしょう。

 ともかく、リンとリィンフェルトには直接的な関係性は一切ありません。完全に別人であり、黒髪黒目の美少女という容姿と、気さくというか自然体というか、性格的なとこも似ている、という以上のことはないですね。
 ただ、ネロ筆頭にリンを知る誰もがリィンフェルトと出会って彼女と重ねてしまうほど似てしまっている、というのは事実でした。
 ちなみに、周りの男みんなに愛されるリィンフェルトですが、もしも普通にクロノと出会っていたらどうなっていたかといえば・・・かなり微妙な距離感になったと思います。リィンフェルトはクロノの強面を気にはしないけど、遠慮なく思ったことそのまま言うタイプなので、クロノからすると「なんかちょっと苦手だな」って感じて、好きになることはないですね。
 でも嫌ってはいないし、リィンフェルト自身の距離感が近いので、大抵の女よりは親しく見えてしまうので、他のヤンデレからすると優先排除対象に・・・どの道、ロクな目には合わなそうです。

 リィンフェルトの最期は、最初の予定であればサフィールに謀殺されましたし、本編ではフィオナとネルによって倒されました。
 本編での流れで考えると、追い詰めるのはフィオナの役目で、トドメはネルの役目が相応しいなと思って、ああいう死に様となりましたね。
 学生時代ではフィオナの圧勝でしたが、ガラハド戦争では聖堂結界を破れずクロノ任せの攻略になってしまったので。レーベリア会戦で真っ向から聖堂結界を撃ち破り、雪辱を果たした、という構図です。
 そのままトドメもフィオナで焼き殺すか・・・と思いましたが、よくよく考えたらリィンフェルトを一番恨んでるのってネルだよな、と。悪女に誑かされて国が傾く、という典型例みたいなのを見せつけられたワケですから。
 当初の予定ではネルが自ら進んでネロにトドメを刺しますが、本編では無事クロノの婚約者入りしたことで変に拗れていないので、生来の家族を思う気持ちも残ってます。なので、ネロの死をネルは素直に悼むようにしましたし、その代わりにリィンフェルトを誰よりも憎悪しています。『聖堂崩し』の習得は必要だったこともありますが、その強い恨みを晴らすための手段という意味にもなりますね。

 今更ですが、フィオナとリィンフェルトは、かなり相性のいい二人だと思います。無敵の結界持ちのリィンフェルトなら、フレンドリーファイアを気にせずフィオナと組めますので。性格的にも天然極まるフィオナに対して、ストレートな物言いと孤児院切り盛りできる面倒見の良さがあるリィンフェルトですから、世間的にはリリィと組むより安心できるコンビになれたでしょう。
 ただリィンフェルトは女の友情よりも男との恋愛を取るタイプだったので、好きだったイケメン先生がフィオナに気が合ったせいで、とても仲良くできる気にはならなかったですね。黒焦げにされたことより、絶対こっちの方が根に持ってますよ。
 一方、ネルとは絶対仲良くなれないかなと。理由としては、サフィールとほぼ同じ。本物のお姫様のくせに純粋無垢で清楚可憐で慈愛に溢れる巨乳美少女とか何なんコイツ・・・ってなりますから。
 リリィとの相性も悪いでしょうね。リィンフェルトは基本幼女のリリィに対して思うことは特にないですけど、リリィの方は基本的に自分本位の恋愛観のリィンフェルトを「つまんない女」と思って興味もないので。リリィはそういう恋愛観の人を軽蔑はしませんが、尊敬もしない。人間の欲を超えた思いを持つことはできない、普通の人、という評価ですかね。
 以上のことを鑑みると、リィンフェルトが幸せに生涯を全うするためには、シンクレアの伯爵領に引き籠って聖少女と地元で持て囃される地位に居続けるか、学生時代からフィオナと組んで相棒になってからパンドラに来るか、の二つのルートしかないですね。
 少なくとも、ネロと一緒になって幸せになる世界線は存在しえないです。ネロにとっても、リィンフェルトにとっても、お互い運命の相手でも何でもない、悲惨な結末を辿る時に抱き合わせになる相手ということです。


 ネロの最期について。
 消化試合・・・とは言い過ぎですが、本質的にはその通り。ただネロはやっぱり長らく怨敵として居続けてきましたし、使徒にも覚醒させて大きな戦力ももたせた強敵にもさせました。その最期を飾るに相応しい戦いを、となれば、やっぱり『|黒の魔王(オーバーエルロード)』のお披露目が一番だなと。
 やろうと思えば、使徒の力をどんどん覚醒させて総力戦まで出来なくもないですが・・・強いネロを引き伸ばしてまで見せる意義は全くありませんので。逃げも隠れもできない、クロノと一対一の戦いが成立した時点で、ネロの命運は尽きてます。だから後は、ただ一方的に力及ばず負けるだけ、のワンサイドゲームで良かったのです。だって実際、力が及んでないんですから、当然の結末ですよ。
 ネロが使徒となった時点で、もう強さは全て神様任せにしているので、そのチート強化を失う・相手も同じチート強化を受ける、と同じ土俵に立った時点で勝負になりません。剣と魔法こそ忘れていませんが、それでも全盛期の動きを忘れて戦闘センスも失ったネロの実力は、剣も魔法もどっちも中途半端で二線級の戦力にしかならん器用貧乏魔法剣士、といったところです。
 そんなネロの技、『聖剣(ブレイドスキル)』ですが、折角なので一覧にしてお見せします。

単一属性聖剣
火・『紅蓮』 大剣型
土・『白御影』 メイス型
雷・『迅雷』 長剣型
風・『疾風』 片刃型
水・『流水仙』 レイピア・鞭型
氷・『雪月花』 細剣型
光・『極光』 刀型

複合属性聖剣(本編登場)
火+土『紅蓮深山』
風+雷『疾風迅雷』
水+氷『流水白雪』

複合属性聖剣(本編未登場)
火+風『烈火大嵐』
土+氷『怒涛凍土』
雷+水『雷光流転』

 以上、各属性に加えて複合属性まであるので、無駄に数あります。本編で一度も使ってない技もあるんで、私の資料集にも抜けがあったりしました。
 複合属性に全ての組み合わせがないのは、そもそも相性悪い属性同士もあるからです。火が水・氷とは組み合わせられない、というか合わせるとお互い相殺しあって弱くしかならん、って感じです。あとはネロのイメージもあるんで、火と土を合わせたらマグマみたいに使える、みたいな明確なイメージが根本にないと、上手く形にできないわけですね。

 ネロの本来の強さは、これらの属性技を組み合わせて相手に有効な攻撃を繰り出すことにあります。なので使徒の力に依存すると、弱点とか関係ねぇ、一番強ぇ力で押せ、の脳筋思考というか、怒りに支配された直情型の戦いしかしないので、自ら強みを捨てた形にもなってます。
 ネロが真面目に鍛錬続けて成長し、冷静に立ち回って戦えていれば、ちゃんと唯天ゾアと同じくらいにはクロノに迫って、かなりいい勝負ができましたが・・・本編ネロはメンタル終わってるんで、まぁ無理ですね。

 じゃあネロが真っ当に生きるにはどうすれば良かったかと言えば、ちゃんとクロノに一回負けること、ですかね。
 本編では何だかんだで直接対決は避けられ続け、ついにタイマンでボコられたけど、そこで使徒に覚醒したせいで「俺は負けてない」となって矯正不能といったところ。
 この際、クロノでなくても、他の誰かに真っ当な勝負で負けていれば、自分の身の程を知って、少しずつでも自分の弱さと向き合えた可能性はあります。クソメンタルのくせに才能あって強いせいで、挫折を経験しなかったばかりに自尊心ばっか肥大化して手遅れって感じですよ。
 この辺はリンが生きていても同じなので、一回は挫折しないとネロは真人間になれませんね。結局、リンは守るべき恋人であり、肩を並べて戦える相棒でしかないんで、ネロが死ぬ気で努力して追いかけなきゃいけない背中にはなれないですから。

 この辺のネロの在り方については、質問も幾つかあったので解答と解説もしていきたいと思います。


Q ネロがリンの死を乗り越えたパターン 魔王の加護は得られた?
A 得られません。

 魔王ミアの加護を得られる者は、後にも先にもクロノ一人だけです。主人公補正といえばそれまでかもですが・・・ミア自身に他の黒き神々のように多くの人に加護を授けたい、というスタンスでは無い、という理由だと思っていてください。詳しく書きすぎると今後のネタバレに繋がりかねないので、この辺にしておきますが。
 しかしながら、ネロがリンの死を自分で乗り越えられれば、真人間ルートには行けるでしょう。今度こそ大切な人を失わないよう、真面目に努力し、自分の弱さと向き合い、もっとマトモに他人とコミュニケーションも取るようになるかと。
 そうなれば、そのままシャルロットと結婚し、スパーダを狙う十字軍に対抗する旗印になれたし、クロノを配下に迎えるほどの度量もあったでしょう。
 このルートになれば、ミアの加護こそないけどネロが魔王を名乗ってパンドラ統一できる未来もありえますね。本編でネロをボコりながら「お前が魔王になるべきだった!」と叫ぶクロノが思い描く理想の展開だったかと。
 ネロが魔王になってくれれば、クロノは十字軍と戦うことだけに集中できるんで、めっちゃ気楽ですよ。リリィとフィオナもクロノにくっついて暴れているだけでいいんで、かなりみんな幸せです。クロノは天下の大将軍の方が向いてますよ。


Q 使徒ネロってホントに使徒サリエルより強いの?
A 強いです。

 これは純粋に引き出せる使徒の力の量の問題です。『|黒の魔王(オーバーエルロード)』のせいで全く実感はありませんが、ネロは本当にミサやマリアベルとは比べ物にならんくらい使徒の力を引き出し超強化スペックにまでなってます。ここまで強化が底上げされれば、使徒サリエルでも及ばないくらい・・・あくまでスペックの話ですが。
 なので、ちゃんと使徒としては強い、という答えになります。


Q 『|聖者の鎧(ジークフリート)』の戦闘形態(バニッシュメント)って強いの?
A 強いけど暴君の鎧ほどじゃないです。

 『|聖者の鎧(ジークフリート)』も白竜と同じように、隠れ十字教徒が帝国末期の決戦兵器を拝借した上で、自分達に合うよう改造したものです。
 なので龍と相打ち狙いの特攻機能である『戦闘形態』を、異教徒との戦い向けとして、出力は落ちるが単純な強化状態として安定的に機能できるよう改造されてます。兵器としての完成度は圧倒的に『|聖者の鎧(ジークフリート)』の方が優秀ですね。でも龍を倒すには及ばないので、量産できたところで古代文明滅亡は不可避です。

 ちなみに、『戦闘形態(デストロイア)』使えるミリアをどうやって倒したのかといえば、兵士を犠牲にしまくってミリアを消耗させて、もう『戦闘形態(デストロイア)』を維持できなくなった辺りで、『|聖者の鎧(ジークフリート)』をぶつける、という正攻法です。普通の国が使徒を倒すのも、基本的にこの方法しかないよねって感じ。
 当時のミリアの敗因は、自分を消耗させるだけの兵士の数を相手が用意できるほどの大同盟を組ませたことと、無数の雑魚を露払いしてくれる配下がいなかったこと、ですね。暴君のまま戦い続けたので、この結末は当然のものでしたが。


Q ネロって苦手属性あるの?
A 土とかは地味だから苦手な方なんじゃないですかね。

 闇を除いて全属性を扱うネロ。基本的にはどれも実戦レベルで使えるくらいですが、やはり自分でもよく使う属性なんかはあります。
 シンプルに威力に直結する火と雷、相手の拘束に便利な氷、なんかは使用頻度高かったと思います。
 土属性は防御に向ていますが、『ウイングロード』にはネルがいるんで、防御と回復は任せられるから、ネロが『白御影』を使って守る、みたいな場面はそう多くは無かったでしょう。基本、攻撃に集中できるといった感じなので。


Q 第461話にて、サリエルに似た女と会ったことがある、の描写あったけど何なの?
A この話を書いた時は、まだ当初のプランが生きていたので・・・ローランとは別なホムンクルスの女性体が存在してました。

 よくこんな描写を覚えていましたね・・・読み返して私も思い出したレベルです。そして詳しいことは忘れているという。
 ローランが古代の十字教徒が残したホムンクルスで、白竜エーデルヴァイスを保有している、という設定は最初からありました。ネロが使徒にならなくても、十字教と組んでクロノと敵対するのは既定路線でしたので。
 で、当時は大遠征軍の構想も無かったので、アヴァロンだけでネロの戦力を用意しようと思い、ローラン以外にも古代の十字教由来の個体がいるという伏線にしたのだと思われます。
 ちなみに、リリィが最初の下僕とするホムンクルス9人を見つける話、これもローランの設定があったからですね。なので、ネームレスナインはローランとは同系統のホムンクルスです。ただ、ここの施設は忘れ去られた場所だったので、ローランも把握できていなかった形になります。


 他にも質問があったので、解答していきます。

Q スパーダのハイドラ家はどうなったん? サフィールは加護ナシ? グレイブとワイスの関係は知ってた?

A ハイドラ家はサフィールがネロにつくことを決めた時に、ワイスを家から持ち出す時に自ら潰してきました。当主はサフィールの父親となりますが、ワイスを賭けて対決し、娘に敗れますが・・・自分を超える屍霊術師(ネクロマンサー)になったことを喜んで死にました。ハイドラ家ってそういう家なんで。
 サフィールに加護はありません。屍霊術師(ネクロマンサー)の神もいますが、方向性が違うので加護いらないかな、くらいの気持ちです。サフィールは才能あるんで、獲得しようと思えば、獲得条件クリアは割と余裕なので、自分の意志でとってないです。
 グレイブとワイスの関係性はサフィールも知りませんでした。ただグレイブにまつわる墓守伝説は知ってましたね。


Q ラグナの黒竜いなかったらどうなってた?
A 勝てたけど損害は結構ヤバかったです。

 まずローランの白竜軍団を抑えるために、リリィとベルが死ぬ気で頑張ります。天空戦艦も轟沈覚悟で突っ込んで白竜と戦わねばならないんで、シモンも死ぬ気で主砲撃ち続けるし、クリスティーナの竜騎士とブリギットのグリフォンナイトも全滅覚悟での戦いです。
 地上戦の方はグリゴール軍団をクロノとサリエルの暗黒騎士団が死ぬ気で何とかしてから、ようやく活路が開ける・・・といった感じです。
 勝てはするけど、本編のような一方的な戦いにはならず、帝国軍も大打撃を喰らいましたね。そうなると、レーベリアは勝てても次の戦いで戦力が足りず詰みかねないので、ラグナを味方につけてて良かったねということです。
 やはり使徒がいなくても、敵の通常戦力が強大だと『|黒の魔王(オーバーエルロード)』は役に立ちませんからね。帝国軍もちゃんと強化しておかないと、十字軍には勝てません。


Q リリィって『|黒の魔王(オーバーエルロード)』使えるの?
A 使えません。

 流石にクロノだけのオリジナルです。リリィはクロノの目玉と心臓のお陰で、加護流用する裏技染みた真似をしていますが、『|黒の魔王(オーバーエルロード)』はただミアが与えた力ではなく、クロノ自身が魔王の加護で編み出した次元魔法なので。


 それでは、大体のことは語ってこれたかと思います。
 他にも何か質問などあれば、感想欄の方に書き込んでいただければ、あとがき、などでお答えしますので。
 ここまで書くのに、やっぱり結構な時間を使ってしまいました。適度に更新できれば、と思いはしますが、なかなか難しいです。
 また活動報告を書く機会もあるとは思いますが、あんまり溜め込み過ぎないようにしてきたいですね。
 それでは、これからも『黒の魔王』をよろしくお願いします!
コメント全21件
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ShaNo
2025年02月17日 18:36
461話のネロが地の分でターちゃんをサフィールが加護まで使って本気で仕上げたアンデッドって言ってますが。
予定変わった影響ですか?
utaka
2025年01月13日 12:56
白き神は夢を現実にしてくれるが
それを夢だと自覚すると失われるのね
白き神そのものが空っぽな存在だな
2025年01月11日 15:32
今さらながら拝読させていただきました。
個人的には初期プロット案にならなくて良かったです。省略された箇所多かったようですが、これまでじっくり築き上げてくださったので前半のペースと変わりすぎない程度で更新してくれると嬉しいです(カーラマーラ編は長くて少しきつかったですが笑)。
黒の魔王(オーバーエルロード)の発動は物語の最終決戦で披露されると思ってましたが予想が外れました。ただ能力的に終盤まで通じるものなので、さすがの構成だなあと勝手に納得してます。
ネロ戦では見られなかった、対サリエルや対リリィ戦のような熱いバトルをアイ戦で見られることを楽しみにしてます。
サバサバ魚
2024年12月31日 22:01
リンがいなければ使徒になれなかったと明言されてるから、使徒になって加護を得るための条件って・・・
蒼い翠
2024年12月04日 22:19
面白い解説でした。
ありがとうございます
甘党辛党
2024年11月29日 00:14
光の聖剣って光輝ではなかったでしょうか
D5
2024年11月27日 13:36
半月かけて1から全て読み直してきた!
色々な伏線が仕込んであったんだなーと改めてニヤニヤしていました。
折角なので質問を
①クロノの加護技だけ他の神々に比べてやけに多いのは、段階を踏んでより深く繋がってるとかそんな感じですか?
②使徒は全員揃わない時代もあるという記載があったのですが、それは使徒に値する人間が居なかったということですか?その割にサリエルが目覚めてからミサ、マリアベルと期間をおかずに出てきたような。
③これは質問ではないですがフィオナに劇似の巫女とかフィオナの師匠とか、フィオナの過去とか気になるから早く教えて!フィオナが好きなのにぜんぜん掘り下げられない!
なんかシンクレアとも違う背景がありそうなのに語られないから辛いの!!
川村ヒデオ
2024年11月26日 23:20
自分が感想欄でした質問に複数答えていただき、ありがとうございます。
連載再開を首を長くして待っております。

ネロがやられ役ではなく、キチンとしたライバルキャラだったなら、ラグナの黒龍部隊不在のガッチガチの戦争も有りだったと思ってます。
黒の魔王の良さの一つに、クロノ虐があると思うんですよ。
自分が主導した戦争で、初の大損害を出した責任。
ネームドキャラの損失等で追い詰められる姿も、趣味が悪いですが見応えがあるかなと。
そこで、ヒロイン達や仲間達のあれやこれやで再起する姿が映えるというか。
ボロボロになった軍の建て直しの際に、満を持してラグナを味方に付けに行ったり、行方知らずのスパーダ王が駆け付けたり、新たな新兵器を開発したり。
ピンチの時に新たな仲間達が登場する流れとかもテンション上がるなと愚行するしだい。

いくつか質問
・ベルグント伯爵の生首は何処に?
・陸戦型黒龍は死者はなかったようですが、白龍部隊を相手しち空戦型黒龍に犠牲者は出たのでしょうか?
・ネロのクラウンによる味方へのバフには、定員や同時発動数などの制限はあるのでしょうか?
使徒であるマリアベルにも召喚数に体が耐えられない描写がある様に、多過ぎるとネロの体にも負担があると思う。
せっかくアヴァロンという国名なので、円卓の騎士や使徒の定数と同じ、12名がいいのではと予想。
リン、サフィ、ローランのみでしたが、ネロ的にはここに
カイ、シャル、ネル、セリス、ウルスレイ、レキトリウスなどが候補だったのかな?
HIDE
2024年11月25日 20:42
>『|黒の魔王(オーバーエルロード)』はただミアが与えた力ではなくクロノ自身が魔王の加護で編み出した次元魔法なので

つーことは、次元魔法とは別に真の加護の力があるという事ですか?
ヤンデレ大戦で歴史変わってて笑った。やっぱり愛は全てを救うんやなって……(主にウィルハルトの命とか)
ところで複合属性聖剣ってやっぱり使徒になる前から使えたんですかね?それとも魔力の出力なり消費なりで使えてなかったんですかね?使えてたとなるとネロは相当手ェ抜いてたことになりそうなんですけど……主にサリエル戦とかで。
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