2023年06月06日 (火) 20:36
悪女矯正計画、完結しましたので、ご報告です。
小説はこちらです
半年間、ずっと書いていたので少し寂しいです。久しぶりにそれなりの文章量の物語を書いたような気がしますが、とても楽しい時間でした。
たくさんの感想やアドバイス、励まし、本当にありがとうございました。
皆様のおかげで最後まで完結させることができました。
長編版を書く前に作った短編版では、まだどんな話にしようか決めていなくて、でも何かを書きたいと、漠然としたイメージをなんとか形にまとめただけでした。
長編の構想を考えたとき、初めは一章のような悪女を育て直す話を書いて、適当なハッピーエンドで終わりにしようかとも思ったのですが、短編版で報われなかった彼らの行く末についても書く責任があるのではないかと思い、今回のようなループ物のお話になりました。
もっと短くまとめようと思っていましたが、書くのが楽しくて、あれこれ入れ込んだところ、あれよあれよという間に三十万字近くになってしまいました。最後まで読んでくださった方には感謝しかありません。でもそれでもまだ書きたかったシーンや、登場人物達に言わせたかった台詞があるので、それはまた別の話を書いた時に入れていきたいと思います。
以下、考えていた設定や腹の中で持っていた設定、ボツ設定を、思いつくままおまけ程度でまとめましたので、供養のため公開させてください。
ちょっと違うところや本編との矛盾もあるかもしれませんが、気楽な気持ちで読んでいただけると嬉しいです。
○バレリーの暗躍
いつもやりやすいところからフェニクス家を殺そうとしてくる。臨機応変、柔軟である・・・。
第一話とジェイドの回想時点の世界
・アーヴェルに適当な言い訳を与え、シリウスのパーティに行かせず、セラフィナを襲わせた。二人が出会わなければ、セラフィナはアーヴェルに恋をせず、復讐の邪魔をしないと考えたため。
・シャドウストーン家とドロゴ・シリウス親子に北部の魔道石の存在を密告した。
・権力がフェニクス家に偏ることをよく思わなかったロゼッタとユスティティア家の末裔であるバレリーは協力関係にあった。ショウが戦場で殺されることも知っていた。
第一章
・パーティでアーヴェルを足止めし、セラフィナを襲わせて傷つけようとしていた。彼女が病めば、アーヴェルとの距離ができ、さらに呪われれば、勝手に自滅し、復讐の邪魔をされないと考えた。
・シャドウストーン家とドロゴ・シリウス親子に北部の魔道石の存在を密告した。
・以前とは異なり、帝都で働かないアーヴェルに違和感を覚え、北部に希望し転属している。北部を見張る意味もあった。
・シリウスにセラフィナが好意を持っていると嘘を囁き、ショウへの殺意を増幅させた。
・第19部分でバレリーが真っ先にアーヴェルに銃を放ったが、殺してはおらず、他の兵を誘導するに留めている。
第二章
・帝都に飛んできたセラフィナをシリウスに渡し、北部との確執を作ろうとした。帝都と北部のフェニクスを戦わせようとも画策していた。
・アーヴェルが帝都で働かないこととセラフィナがシリウスのパーティに来なかったことに違和感を覚え、呪いを見ると称して屋敷まで様子を見に来ている。
・シャドウストーン家とドロゴ・シリウス親子に北部の魔道石の存在を密告した。
・アーヴェルの強まった魔法を見て、もしかして時が戻されているのかと危惧し、早めに行動。ショウが反乱を起こそうとしていると罪をでっち上げ、シリウスに伝えた。
第三章
・アーヴェルの強すぎる魔力と的確な行動を見て、過去に戻っていると確信。クルーエルに声をかけ、反乱一派に加えて貰う。
・血族の誓約の後、ロゼッタに、呪いを受け、死後魔力を提供する代わりにフェニクス家を殺させろと契約を持ちかける。
・反乱の時点で、バレリーの裏切りはロゼッタとクルーエルが知っている。
・シリウスを殺したのはジェイドだが、裏にはロゼッタと取引したバレリーの思惑があった。ジェイドは何も知らずに実行。
・運良くセラフィナを殺す機会が巡ってきたため、誓約を反故にしようと思い、セラフィナを攻撃。ジェイドに阻止される。
○セラフィナの黒い魔法
・呪いが母親の愛に包まれている力。セラフィナがこういう魔法が使いたいと念じると、エレノアが聞き入れ、呪い混じりの魔法を行使する。
○エレノアの死因
・井戸に魔導具と共に落ちたのは確かだが、初めは自分が身投げするつもりはなかった。セラフィナを生み半年が経ち、無魔法と分かり、魔導具を持って井戸に行ったところをロゼッタに見つかり、争いになり、このままでは魔導具を奪われると思った瞬間、破壊するため自分で抱きかかえ井戸に落ちた。
○バレリーの母
・本当にバレリーを産んだのか、バレリーに嘘を吐いていたのか、そもそもユスティティア家の残党だという話自体彼女の妄想なのか・・・全ては闇の中。
ロゼッタが彼女とバレリーの交流を知り、利用しようとしたのは確かである。
○魔法使い達の強さ
(多分このくらいだと思って書いていました。魔力がパワーバランスに直結するわけではなく、知略や根回しや支配関係も重要なので、魔力の強さにあまり意味はないです)
・0回目
セラフィナ>ロゼッタ>ジェイド>クルーエル≒バレリー>リリィ≒アーヴェル
*クルーエルよりもジェイドの方が才能はあるが、恐怖で支配されているジェイドは兄に逆らえない。
*バレリーは元々名門一族と同じくらい強い。
・第一話とジェイドの回想時点の世界
セラフィナ>バレリー>ロゼッタ>ジェイド>クルーエル>リリィ≒アーヴェル
*バレリーの魔力が強まっている。
・第一章
セラフィナ>バレリー>ロゼッタ=アーヴェル>ジェイド>クルーエル>リリィ
*アーヴェルの魔力が強まっている。元々そんなに強くはないので、一回戻ってもロゼッタと同じくらい。
・第二章
セラフィナ>アーヴェル>バレリー>ロゼッタ>ジェイド>クルーエル>リリィ
*アーヴェルの魔力がさらに強まっている。
・第三章
アーヴェル>バレリー>ロゼッタ>ジェイド>クルーエル>リリィ
*セラフィナに魔法は使えないので、アーヴェルが一番強い。流石にシャドウストーン一家も一目置いていた。
○シャドウストーン家の魔法使いたち
ロゼッタとジェイドは元々の魔法使い。魔導具によって魔力を与えられたのはクルーエルとセラフィナ。呪いを含む魔力のため、与えられた人間は何かがおかしくなってしまう。ロゼッタは生まれついての悪い奴なだけで、実は生粋の魔法使いである。
○フェニクス家
不死鳥が由来の田舎者。かっこいい不死鳥ではなく、死んでも何度も蘇ってしまう、情けなくて泥臭い不死鳥である。
○レイブン家
以前書いた「第二王女は死に戻る」というお話から設定を引き継いできた家。ヴィクトリカとレイズナーとは三世代くらい離れているのかなあと思っています。
○ユスティティア家
正義の女神の名が由来の前皇帝一族。長らく支配的な政治を行ってきたため、国民から恨まれていた。
○時代背景のイメージ
ナショナリズムの高まりで主人公達の帝国は自国領土を拡大しようとしているが、他国も自国意識が醸成されてきているため国を守るため抵抗し、戦争は泥沼。帝国を悪とし、排除するため、大陸全土が連合軍を組織する直前くらいの時代。
【おまけ・ボツ設定】
○スパロー家
ショウの母方の家名にしようとしていた。アーヴェルに向けて「お前の母はレイブン(大鴉)だが、私の母はスパロー(小雀)さ」という台詞をどこかで吐かせるつもりだったが、ショウが卑屈っぽく小さな人間になってしまうのでボツ。
○アリアとリアム
シャドウストーン家の長女と三男。アリアはジェイドの双子の姉で故人。リアムは三歳くらいの設定。→生かし切れない上、文章が多くなるためボツ。
○忌まわしきシャドウストーン家
この家では遙か昔から割りと最近まで、血の濃さを守るために兄弟姉妹で婚姻していたという設定を投稿直前まで考えていたが、キモすぎるためボツ。
○ジェイドの死因
三章でジェイドの死因はクルーエルに「家を裏切りアーヴェルに秘密を告白した責任を取れ」と銃を渡された後の自殺にしようと考えていて、実際書いたが暗すぎ&ジェイドが自己陶酔が激しすぎるキャラになってしまうためボツ。妹を守って爆死した方が次の展開に繋げられるためそっちへ。
○セラフィナへの恋心を募らせるバレリー
恋に悩みすぎてフェニクス家を逆恨みするキャラだった。シリウスとかぶる上、薄っぺらい人間になってしまうためボツ。むしろ恋愛が理解できない真逆のキャラにした。
【おまけ・登場人物】
アーヴェル・フェニクス そこはかとなく阿呆っぽい。暗い話なので、彼が阿呆でなくてはならなかった。三章でちょっと賢くなってしまったので四章で阿呆へとリセットされた。
セラフィナ・セント・シャドウストーン アーヴェル大好き、それだけで満足な女の子。恋愛に対して大暴走。恋する乙女は誰にも止められないのだ。
ショウ・フェニクス どことなく謎めいていて欲しかったので一人称で語らせてはいけないと思った。よく死ぬ。
バレリー・ライオネル アーヴェルは好き。ジェイドは嫌い。セラフィナへの思いは複雑。
ジェイド・セント・シャドウストーン マザコン。
クルーエル・セント・シャドウストーン ファザコン。クルーエルって狂っているという意味なので結構なキラキラネーム。
ロゼッタ・セント・シャドウストーン すごく悪い奴。実は一番、書いていて楽しかった。
シリウス・フェニクス ボンボン。
ドロゴ・フェニクス すけべじじい。
リリィ・キングロード すごく良い人だけど、ちょっと不憫。ショウと気が合う。
リリィの父 名前をつけようと思ってやめた。
キングロードの使者 ショウの身代わりで死んだ人。作中で一番のイケメンなのでは、と思っている。登場シーンは一瞬だけど、作者は彼がとても好き。
実は最終章でちょっとだけ語られた反乱の話を、リリィ・キングロードの視点で、いつの日か書いてみたいなとも思っています。でも上手く書けるか分からないので、書かないかもしれません。
以上、おまけでした。
最後まで、本当にありがとうございました。
二週もしていただけたなんて感激です。゜(゜´ω`゜)゜。
改めて、お読みいただきありがとうございました!
ショウの妻は、謎にぼかしてしまったのですが、リリィとして書きました。名前を伏せたのは、ちょっとした謎を残しておきたかった作者の趣味というだけです、分かりにくくなってしまい申し訳ありません。
真面目な善人同士、惹かれ合うものがあったんだろうとなと行間を妄想しています!