お久しぶりでバトンです
2014年08月14日 (木) 14:43
 景様よりバトンをいただきました。ありがとうございます! キャラバトンです。ではやってみたいと思います。

 キャラバトン↓

 インタビュースタジオに入るや、黄泉が口を開く。

「ここは南蛮のあぜ倉であるか?」

 祐二が肩を竦め、説明する。

「今日は俺たちをインタビューするらしい。ここはそのスタジオだ」

「イン……タブー? ソタヒオ? 南蛮ではないか」

 だからだなと、額を抱える祐二。
 すると、インタビューをする者であろう人物がスタジオに足を踏み入れた。
 全身黒づくめの服装。頭には黒子が着用する頭巾のようなものを被り、表情はうかがい知れない。
 まずは席にどうぞと、マイクを通して女性の声がスタジオ内に響き渡った。
 スポットライトがスタジオ中央にあてられると、二つのパイプ椅子が浮かび上がった。
 二人が着席すると、黒子の衣装を纏った人物が二人に近づきマイクを構えた。

1:まずは自己紹介をどうぞ!

「黄泉である……ます! よろしく頼む……ます!」

「それだけか? え、俺は関川 祐二。15歳だ」

 祐二の頭をみやり、黄泉が漏らす。

「元服せねばならぬな」

 黄泉が剃刀を手に携え、祐二ににじり寄る。

「阿呆! 今は平成だ!」

 このご時勢で髷など乗せて登校しようものなら、とんだ笑いものだ。
 祐二は黄泉に剃刀をしまうように激しく促した。

「子供であるな……」

 舌打ちしながら剃刀をしまう黄泉。
 お前のほうが子供だろと出掛かった言葉を祐二は飲み込んだ。

「胸だけは大人だがな……」

「ん?」

 祐二の言葉の意図が掴めず、黄泉は小首を傾げた。

2:好きな食べ物はなんですか?

「芋だ! わしは薩摩で取れた芋が好きだ」

 黄泉は横目で祐二をみやる。

「祐二は何が好きであるのか?」

 黒子の握るマイクが祐二の口元に、すっと突き出された。
 たんなるマイク役のようである。
 それならスタンドマイクでいいじゃないかと、祐二はこのインタビューを考えたプロデューサーのセンスにあきれ果てる。

「俺は、そうだな……ハンバーグとか、カレーとか。一番の贅沢は、コンビニ弁当を腹いっぱい食べることだな」

 黄泉が納得したように、手のひらをポンと叩く。

「では、夕飯はコンビニ弁当を作るか」

 黒子のマイクは、すでに黄泉の口元に置かれていた。
 凄まじいほどの反射神経である。

「ていうか、それって買ったほうが早くねえか?」

3:ご趣味はなんですか?

「趣味とはよくわからぬが、簪(かんざし)を作ったりしたこともあるぞ」

 あとはと、黄泉は人差し指を口元に添え、虚空に視線を這わす。

「男色の現場をみたこともある」

「ちょ、おま、それってなんでも屋の依頼じゃねーか!」

 黄泉が不満気に祐二を横目で睨みつけた。

「そういうお主はその趣味とやらはなんなのであるか?」

 虚をつかれたのか、祐二の目がきょとんとなる。

「お、俺か? そうだな、中学ん時はパズドラとかしたかったけど、ガラケだったから。ゲーセンでゲームしたりとかしてたし、ゲームが好きかな。あと、ジャンプは毎週読んでるぜ」

 趣味じゃないけどと、祐二は思い出したかのように言葉を継いだ。

「小さい頃に、母親に華道をやらされていたな。ちょっとしたアレジメントだったらできるぜ」

 その言葉に、黄泉は指を示しながら必死に笑いを堪える。

「お前! そこ驚くところだらああ!?」

 祐二は赤面しながら、黄泉に怒鳴り散らした。
 
4:意中の人はいますか?

 その質問に、黄泉は簡単だといわんばかりに胸を張る。

「榊原 伊織だ!」

「尤も、今は会えぬのであるから、片思いであるが」

 一瞬悲しげな表情になる黄泉であったが、思いついたかのように、祐二を見やった。

「そういえば祐二はおるのか?」

「おおおおお、俺えええ!?」

 いるにはいるけどと、モゴモゴしながら、祐二は俯いてしまう。

「わしは祐二の意中の人とやらに興味がある。是非とも伺いたい」

 黄泉の大きな瞳が祐二の顔に近づいていく。
 まさに興味津々といった感じである。

「いや、おい、こら、これ以上顔を近づけるな! そんなことすると俺のマージンがハグルだろおおおおお」

 意味不明な単語を口走りながら、真っ赤な顔で祐二は黄泉の顔を押し戻す。

5:パートナーをどう思いますか?

「ぱーてぅなー? それはなんであるか?」

 祐二がしょうがねえなといった感じで解説する。

「簡単に説明するとだな、相棒ってことだな」

 祐二の言葉に、黄泉はなんでも屋の相棒は祐二であるなと納得する。

「祐二のことであるか? わしの父親に似ておる。一緒にいると安心できる。なぜかはわからぬが、そう思う」

 黒子のマイクが祐二に向けられた。
 無言の威圧である。
 さしずめ時間が迫っているのであろう。

「そうだな。黄泉は俺の嫁……」

「ん?」

 言いかけて、祐二は咄嗟に自らの口を両手で塞いだ。
 黄泉は状況が理解できず、小首を傾げている。
 わざとらしく咳払いをすると、祐二は威儀を正してマイクに向う。

「黄泉はなにもわからない世間知らずの妹みたいな感じだ。それ以上でも以下でもない!」

 そういい切った瞬間、突如スタジオ内にノイズが走った。

『そうだな。黄泉は俺の嫁……』

 さきほどの祐二の台詞がエコーつきでスタジオ内に響き渡った。

『すみません、機材の手違いで失礼しました』

 女性の事務的な口調で謝罪の言葉がスタジオ内に流れた。
 これ、狙ってやってるだろ……祐二は腹の中で毒づいた。

6:バトンご指名っていうことで誰を指名しますか!?

 ということで、小説形式でお届けしました。
 お読みいただきありがとうございました。
 そうですね、せっかくのご指名ということなので。
 橘 塔子様にお渡ししたいと思います。
 ご迷惑でなければよろしくお願いします。
キャラバトンは以下のとおりです。

キャラバトン↓

1:まずは自己紹介をどうぞ!

2:好きな食べ物はなんですか?

3:ご趣味はなんですか?

4:意中の人はいますか?

5:パートナーをどう思いますか?

6:バトンご指名っていうことで誰を指名しますか!?
コメント全3件
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hiyori
2014年08月14日 23:27
>橘さま

 わー、読んでいただきありがとうございます><
 お久しぶりですー。
 映画ポスターw
 ありそうですね! しかし一体どんな映画なのでしょうか……。
 祐二になんか突飛な一面を……ということで、この設定にしたのですが、違和感がないようで、ほっとしております。よかったー。
 黄泉は恋愛に疎いようで、ほんとうにまだまだおこちゃまですね。
 バトン受け取ってくださりありがとうございます!
 橘さまのバトン、とっても楽しみにしております!
 
>景さん
 ちゅいったーではいつもお世話になっております。またスカイプしましょうねー!

 ステキなバトンありがとうございました!
 やっていてとても楽しかったですー。
 創作意欲が掻き立てられ、こういうことも大事だなって思いました。
 黄泉をお気に入りいただいてありがとうございます!
 しかし、黄泉がつくるコンビニ弁当って、容器も作るんでしょうか。
 書いていて疑問が残ります。
 久々のバトン楽しかったです。
 ありがとうございました!
退会済
2014年08月14日 23:02
早速バトンに答えて頂けて嬉しいです! 黄泉ちゃん天然可愛いよおぉぉ! 無理に敬語に直そうとしてるところとか、コンビニ弁当を作ろうとか言い出すところとか! 黄泉ちゃんの作ったコンビニ弁当食べたいです。祐二くん頑張れ、と応援したくなりました。華道なんて、オシャレさんなんですね。
楽しませて頂きました! ありがとうございます(*´∀`*)
橘 塔子
2014年08月14日 21:04
お久しぶりです!
バトン楽しく拝読しました。新作映画について語る主演俳優二人って感じで、面白かったです。背景に映画ポスターなんか貼ってたりして。

祐二が華道やってたとは意外でした(笑)。いや彼、繊細なところがありますからね……合ってるかもしれません。あと、そんなガラス細工のような祐二の気持ちが、まったく黄泉に伝わってないところも笑えました。それとなくなんて絶対に伝わらないから、はっきり言った方がいいって!

ご指名ありがとうございます。キャラバトンは苦手なんですけど、頑張りますっ!