2024年05月10日 (金) 16:31
本日5/10の更新分閲覧後にお読み下さい。
「ロイド描写が腐ってるからBLタグ付けろ(意訳)」という発言がチラ見えしまして、
これなー、そのうちどっかで話したいんだけどなーと思ってはいたので、いい機会なので書こうかと思います。
執筆の文章力・構成力の問題で、本編でうまく描写することが難しい内部設定にかかる話になります。
本作にこのタグが付いていないことについて、特に気になってない方には蛇足的な内容になります。
あと万が一二次創作をして下さる方がいらっしゃいましたら、全て無視して構いません。思う存分やって下さい。
強いて言うなら完成した二次創作を送ってくださると泣いて喜びます。あ、いえ完成してないラフ的なやつでも全然欲しいです。
読みたくない方の目に触れないよう少しスペース空けます。
ロイドですが、まあ今日の作中表現で気付いた方がいるかも知れないのですが、アセクシュアル/アロマンティックです。
で、じゃあリーダーへの態度や、セリスに対しての「妬けた」発言は何なの、という話なのですが、
小学生くらいの頃には割とある話だと思うのですが、
「自分にとって一番の親友に、自分を除いた友好関係がある」ということに、焦りや苛立ちのようなものを感じた経験はないでしょうか。
個人で経験がなくとも、見聞きしたことがある、そういった作品を読んだことがある、などでも構いません。
自分を抜きにして他の子と楽しそうに遊んでいる。
自分を抜きにして他の子と楽しそうに喋っている。
実際小学校ではそれでトラブルが発生することはまあまああるのですが、(執筆瑞穂は「あの子はあたしの友達なんだからお前は遊ぶな」と言われてモメた経験があります)
一般的には先生や親が仲介して、それなりに時間をかけてゆっくりと
「相手にも自分を抜きにした時間が存在する」「自分を含まない信頼関係が成立していることだってある」
と受容し、心の折り合いを学んでいきます。(受容できずに大人になってしまうこともあるのですが、今回は置いといて下さい……)
さて、ロイドの幼少期の状況は以下のようになります。
仕事仕事で不在の父。日本語の拙い母。画面越しにしか存在しない教師。自ら話しかけに行かなければ声を聞くことすらないクラスメイト。自宅周辺は小学校すら存在していない児童過疎地域。
そんな状況でロイドはリーダーというたった一人の友人を拠り所に、清く正しく真っ直ぐに育ちました。
…………少々、清く正しく真っ直ぐすぎに育ちました。一度たりとも、先に上げたような焦燥を感じず、気持ちの折り合いの付け方を知らずに来てしまったのです。
学校はオンライン学校で、リーダーもロイドも他の生徒と遊ぶ機会は殆どありません。
リーダーはロイドと基本的に二人でゲームをしていて、誰かを交える時も概ねロイドと一緒です。
リーダーは実家関連の集まりには顔を出しますが根本的にそこで会う人達を信頼していませんし、専門学校の学友達は既に配信者としてある程度基盤のあるリーダーとは少し壁がありました。
CCO時代は配信としては人気があったものの、サザンクロスのギルドランキングはCCOのシステム仕様上あまり高くなく、他所からライバル視されるような地位は築いていませんでした。
ギルド自体もリーダーロイドを2トップとする「二人+α」の集団ですので、ギルド内の友好関係は根本的には二人の両方を含む交友になります。
そしてEFOに移住して、ここに来て初めて状況が変わります。
ソロ大会での優勝、「リーダー個人」をライバル視し、最終的に一応の和解に至ったトラキチ。
トラキチと何を話したのか、リーダーは詳細をロイドに言いませんでした。
ギルド単位ではなく個人として親交を深めるセリス。
自分が思っていた「ニンカとグライドの仲裁」という活動を終えた後、特に連絡もないまま投稿された秘匿要素発見動画。知らないうちに随分信頼を寄せる発言をするリーダー。
「自分を抜きにした友好関係」に対し、ロイドは初めて焦りや、苛立ちや、不安のようなものを感じています。
この状況を彼の持つ語彙の中で一番正しく表現できるものが、「嫉妬」であるわけです。
「嫉妬」という表現が真実正しいかどうかについては、当人が言っている通り「これが適切な言葉かは分からない」となります。
学生時代にこの状況になったのならば、彼の母が拙いながらに言葉を尽くして相談に乗ったでしょう。
アルマジロ先生がロイドの状況を正しく聞いたのならば、「情緒小学三年生が友達を取られてスねている」と言うでしょう。
現実には、既に家族と疎遠になった26才成人男性がそんなことで悩んでいると誰も思っていないので、状況の改善はなかなか難しいです。
リーダーはロイドの状況をある程度正しく認識していますが、だからといって彼に出来ることは特にない状況です。
不眠等が長く続けばカウンセリングは受けさせたと思いますが、そちらも解消しているので、無理にカウンセラーに連れて行くには少々根拠が乏しいところです。
この親しい友人がお互いにお互いしかいないという影響はリーダーにも少し現れていて、リーダーはロイドに対して著しくパーソナルスペースが狭いです。
8章6話あたりにこの辺が少し出ていますね。一般的に男性は正面側のパーソナルスペースが広いので、相手の顔を掴んで目を合わせるような行動はあまり取らないと思います。
ただリーダーの方は信頼度はさておき人と接する機会は多かったため、ロイドほどは拗らせていません。
というわけで、色々な状況を全て踏まえてロイドを描写するとああなるんだけど、
BLではないのでBLタグはつけらんねえんだよな、
というライン上で小説を書いています。
BLタグつけろよクソ作者って気持ちもわかるのですが、現在BLタグは付けない方針で執筆しています。
執筆瑞穂がBL創作出身のため、文字から腐臭がする件については、申開きもございません。本当にすみません。
自分は比較的憑依型の物書きなんですが、ロイド視点書いている時は頭はいいけど精神的には少し幼い感じになるので、今「良かった通じてた」とちょっとホッとしています。
好きって言ってもらえて嬉しいです!ありがとうございます~!