2019年11月10日 (日) 07:56
VRシステムなしにはもはや生活さえままならない。そんな世界。
だと、誰もが思っていた。
しかし現実は違った。
地球はもう限界だった。
ゆえに各国首脳の合意のもと、新たに人類の住まう大地を求め、外宇宙へと漕ぎ出した。
もはや地球には一刻の猶予も残っていない。地球の環境にあまりに無頓着すぎたせいだ。旧世代までは環境について各国に厳格なルールを設け、それを遵守させることでなんとか環境悪化を押し止めていた。
しかし生存環境を向上させる様々な技術が発達し、その技術がいわゆる開発途上国に本格的に持ち込まれるようになり状況は一変した。
広大な土地を持つそれらの地域で、かつての先進国並の人口爆発が引きおこされ、地球の資源は一瞬で枯渇した。
この頃にはすでに、地球の内包する資源に見切りをつけていた一部の国の首脳たちは、外宇宙の開発技術の向上に注力していた。
突然ともいえる人口爆発がもたらしたものは資源の枯渇だけではない。
大量の労働力の創出もだ。
これを最大限に活用し、一気に、といっても数十年単位の時間は要したが、なんとか多くの人類を外宇宙へ送り出す技術の目処がついた。
テストも完了し、あとは実施を待つばかりだ。
そしてプロジェクトは実行へ移された。
しかし突然そのようなことを実行しても、絶対に国民の同意を得ることなど出来ない。
このプロジェクトに合意する多くの国では、同日に一斉に健康診断が行われることになった。
しかしその健康診断から帰ってくるものはいなかった。
彼らは診察用モジュール、に見せかけたコールドスリープ装置で眠らされ、そのまま宇宙ステーションへ移送された。
宇宙ステーションには外宇宙探索コロニー船団が係留されており、そこへ搬入。
それが済めば、最後に各国首脳と技術者たちが乗り込み、AIによる完全制御で船団は出発した。
人々は眠る。コールドスリープ装置の中で。
人々は夢を見る。極度に発達したVR技術で。
外宇宙探索コロニー船団は進む。デブリや外敵を排除しながら。
VRゲームで、大人気を博す長寿シリーズがある。
それがロボットシューティングゲーム、バーチャディウスシリーズだ。
このゲームではプレイヤーはロボットに乗り込み、宇宙空間に浮かぶ隕石などの排除というチュートリアルモードや、襲来する宇宙生物を撃退する協力モード、あるいは対人戦などを楽しむことが出来る。
しかしその全てのエネミーが、いつもVR上に再現された幻であるとは限らない。
なにせプレイヤーたちのほとんどは、自分たちは地球で生活していると思い込んでいる。ゆえに彼らは、VRモジュールの中で、VRモジュールに横たわり、VRゲームに興じているのだ。
彼らの戦うエネミーは、時に実在するデブリであり、隕石であり、敵性生物であった。
人々は眠る。コールドスリープ装置の中で。
人々は夢を見る。極度に発達したVR技術で。
外宇宙探索コロニー船団は到着する。地球型環境を持つ、地球のおよそ2倍の表面積の惑星へ。
みたいな妄想
やったことがないので、大きな生き物の上で生活している的なことしか知りませんでした。
(それすら合っているかわかりませんが)