2020年05月04日 (月) 18:36
「ああそうだ、——死んでしまえばいい」
──奇怪な容姿に生まれつき、疎まれ虐げられてきた仔どもが終に自害を図ったその日、無を願った彼女の前に立ち現れた新たな現実。アヤカシモノの住まう常夜の町――《江戸裏》
盲目のサトリ、刹貴に拾われた仔どもは、刹貴や彼の友人たちのいたわりに癒されながらもその施しが怖くて仕方なくて。
その感情を正しく受け取れないから、ただ『死にたい』と繰り返す。
それがすべてを解決する方法なのだと、腹を裂いたときに確信したのだ。
目次:
傍へで果報はまどろんで
はじめから:
腹を裂きてミるまぼろし