2012年08月10日 (金) 21:08
くぃかそ
「いやはや、今回は書ききった気がするよ」
霧桐
「ふぅーん、ま、遅かったけどな」
くぃかそ
「よくあの文字数に詰め込んだね、褒めたいくらいだね」
霧桐
「へぇ~、クソ遅かったけどな」
くぃかそ
「…………ごめんなさいちょっと勘弁して下さい」
★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
霧桐
「なんか今回やけに得意げだな」
くぃかそ
「いや、物語最終盤で、書けるかどうか不安だったけど、
書きたいものは大方今回で消化できたかな」
霧桐
「具体的に言うと?」
くぃかそ
「まず村側のフォローをしたかった。
ただの狂気の集団にしたくなかったんだ。
それと、ハルカの本気を書いてあげたかった」
霧桐
「ふぅん、まぁ普通に書いたら一話ずつかかるな」
くぃかそ
「まぁ今回かなり不自然になっちゃったんだけどね」
霧桐
「そうだな、アキラがなぜ電話いじったか書かれてないし」
くぃかそ
「あれはね、まぁ色々解釈はあるよ、
自分が暴走しているのが周囲に分かるように、とか」
霧桐
「なるほど」
くぃかそ
「まぁ何でもかんでも登場人物の行動に
いちいち説得力を求めるのは間違いだと思うね、読者として。
だいたいの人はほとんど意味もなく日常を過ごすんだ」
霧桐
「……なんか物語書きとして
入っちゃいけない線を超えた気がするがな、そのセリフ。
ああそうだ、書ききれてない、といえばよ、
村側の持論に明らかに無理があるだろ」
くぃかそ
「う~ん、これはちょっと文字数制限の都合上
省いちゃったんだよね。
まぁ簡単もここで解説すると、
兄貴は針治療とか漢方薬とかが、
現代医学でほとんど解明できてないの知ってる?」
霧桐
「ああ、東洋医学と西洋医学の対比はよく聞く例えだな」
くぃかそ
「そう、現代科学の理論に則っていることが
必ずしも正しいことじゃない。
現代科学では、バッタがなぜあんなに高く飛ぶか解明できてないんだ。
せいぜい5~6センチしか飛べないはずなんだって」
霧桐
「ほぉ……つまりそういう事だと?」
くぃかそ
「そ、人語を話す猫がいる世界だ、
もしかしたら本当に、レイとアキラは
病気や厄災の元凶なのかもしれない。
秋乃や村長たちの方が正しいのかもしれない」
霧桐
「まぁ……論理としてはそうかもしれないな」
くぃかそ
「間違ってないけど、でも正しくはない。
黒でも白でもなく、ましてグレーでもない。
赤と青、どちらが白や黒に近いかって問と同じで、
初めから問題が間違ってるんだ。つまり、
『どっちのほうが正しいか』じゃなくて、
『なぜ正しいか、間違っているか』を問うべきなんだ」
霧桐
「ふむ」
くぃかそ
「レイやアキラから見ればアキラやレイの方が正しい。
少なくとも間違ってはいない。
けれど村人の視点で村人の基準で考えれば、答えは簡単に覆る」
霧桐
「やれやれ、分かりたくもねぇ理論だな」
くぃかそ
「もちろん、こんなのは極論だし、
ここまで面倒なものなんて非日常で非常識で非現実的だけどね。
……でも、多分正義だなんてこんなものだと思うよ」
霧桐
「……なぁ」
くぃかそ
「ん?」
霧桐
「こんなクソ長ぇ解説入れておいて
どの口が『書き切った』だと?」
くぃかそ
「うぐ!」