『第1章 光情という少女』 開始です
2019年12月14日 (土) 11:27
 少女は仲間が大好きなのだ。

 大好きだから、冷たく接するのだ。
 大好きだから、嘘を吐き続けるのだ。

 自分のせいで仲間が傷ついたことを知っているから。
 自分のせいで、再び傷ついてしまうかもしれないから。

 だけど、どうしても離れられないのだ。
 側にいたらいけないって理解しているのに、離れられないのだ。

 それは甘え。
 
 仲間はみんな優しくて、自分を嫌ってくれないと理解しているから。
 勝手に離れたら、すごく悲しそうな顔をすると理解しているから。

 そんな顔をさせたくないなら。
 そんな理由をつけて、少女は今日も、仲間の隣で生きるのだ。
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