『第3章 光花という少女』 開始です
2019年12月30日 (月) 23:54
 幸せだったんだ、あの頃は。

 私もみんなも、笑っていれば次の日が来て。
 たとえ喧嘩したって、拗ねていたら次の日が来て。
『明日』という日が、何をせずともやってきて。

 絵に描いたような幸せが、そこにはあったんだ。


 でも、今はちがう。

 笑えないから、次の日が来ない。
 喧嘩する相手がいないから、次の日が来ない。
『明日』という日が、向かえに行かないと来ないんだ。

 幸せなんて、どこにも見えないんだ。



 ねえ、疲れた。疲れたんだよ。
 もう、『明日』を迎えに行かなくても、いいかな?
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